無意味な復活 15
ども、かつどんでーす。
無意味な復活編はこれで終わりでーす。
皆さんお疲れ様でした。
とあるファミレスで、
「やぁ、小森君、久しぶりだね、いつぶりだろうね」
「二日ぶりだ、そこまで久しくないだろ、櫛原」
「あれ?そうだっけ?いやーこのごろ時間感覚が悪くなってね、最近じゃあ一時間前のことが昨日のことのように思えてくるよ」
「何だ?変な病気にかかったか?良い病院でも教えてやろうか?」
「ははは、君に教えられる病院なんて死んでも行きたくないよ、まぁ死んだら病院には行かないけどね」
小森という男はかなり背が高い大男で、相手の冗談に適当に対応していた。
櫛原という男は小森ほどではないが、背が高い男であった。その口元は常に笑っており、場の空気を和ますように冗談を言っていた。
「病院で思い出したけど、無意味が動き出したようだね」
「どうして病院という言葉で思い出すんだ、元からそれを伝えたかっただけだろ」
「はは、まぁね」
二人の会話は特に何気ない会話のように見えるため、店員や他のお客さんには耳にも入らない会話だった。
「小森君はどうするの?」
「どうするというのは?」
「ほら、ナッシングだけが動き出したらしいからもちろん他のレース幹部は死んだんだろうね」
「そうだろうな、確実にエンは死んでいるだろうな」
「ということは、ナッシングはレースを再構築するつもりだと思うんだ」
「レースを再構築?ナッシングがか?」
「多分エンの代わりを誰かがすると予想するね、そしてレースで最初に作られる部隊といえば?」
「レース幹部か…」
「そう言うこと」
「で、先ほどの俺がどうするというのはどういうことだ?」
「もー、分かってるでしょ、小森君はレース幹部に立候補しないのか?」
「俺がレース幹部に?」
「条件は充分満たしていると思うけどな〜」
「それを言うならお前はどうする、お前の方こそ条件は満たしているだろ」
「そうなんだけどね〜、どうしようか迷っているんだよね」
「迷っている?」
「うん、確かに僕らはレース幹部になれる、けど前のレース幹部のみんなと比べると僕なんて下っ端じゃん、今の地位にいるのも先代が死んで、後を継ぎそうな他のレースも死んだからだし、僕なんかがレース幹部になってもいいのかな〜って考えちゃってさ、だから僕と全く同じ立場に置かれている君の意見を聞きたいのさ」
「とばっちりか!」
「ええっ⁉」
「まぁ俺は自分からレース幹部になろうとは思わないな」
「へー、というのは?」
「俺は自分からはレース幹部にならない、だがもしレース幹部になれと言われたら俺は反対せずにレース幹部になる」
「なるほど、それが一番かな」
「それに今は現状をどうにかするのが一番だ」
「そうだね、下手したらレース同士で戦争が起こりかねないからね、でもナッシングが動き出したことをみんなが知ればまだ何とかなりそうだ」
「確かに…」
二人はその後、普通の世間話をした。もちろん周りの人には今の会話もただの世間話に聞こえていたので、全く気にしていない。だが彼らの別れる時の会話は聞いていた人がいるかもしれない。
「じゃあ、今日はありがと、小森君、いや、操縦士」
「また、一週間後くらいに会おうか、写真家」
そう言って彼らは別れた。
またその夜、とある建物の屋上にまるで犬の形をした禍々しい何かがいた。それは生邪、不幸の神であり、レースの元凶である。その屋上で生邪は夜の町を見渡していた。そして、
「…見つけた」
と言って、その建物の屋上から姿を消した。
次はcenter storyを進めようと思っています。第一大戦まで進めるつもりです。
それってレース復活は約半年後になるってことじゃ……………




