護衛編7
前回の続きです。
「さぁて、歴史のお勉強をする前に一つ重要なことを言っておく」
仮面の男、火神は言う。
「先ほど説明した十二個の世界、その中で特定の二つの世界を自由に行き来出来る人間をディメンションハンターと呼ぶ」
「二つの世界を?」
「そうだ、だが行き来出来るのはそいつが生まれた世界と残りの十一個の世界のうちの一つだだけだ」
「どうやって移動するんだ?」
「説明が難しいが、ディメンションハンターは頭の中で想像したら、何か魔法陣的なものが現れて、そのディメンションハンターとディメンションハンターが許可した人や物等が移動できる」
「魔法陣?」
「魔法陣みたいなものだ、実際に魔法を使っているわけじゃあない、魔法を使えるのは第十世界の人間だけだ」
「はぁ…」
「しかしだ、もしもディメンションハンターの能力を手に入れると、二つの世界の能力を手にすることが出来る」
「二つの?」
「ああ、例えば、2と10のディメンションハンターなら超能力と魔法両方が使えるようになる」
「うわっなんだそれ」
「まぁ色々と組み合わせがある」
「そうか」
「あ、そうそう、言い忘れていたが第一世界の人間は虫と会話出来る」
「虫と?」
「そう、虫とだ、だから第一世界の人間は一匹以上の虫を飼っていてな、それがまた強い」
「虫と会話ってのが気になるが、とにかく二つの世界を移動できるディメンションハンターって奴がいるんだな」
「まぁそうだ、ちなみに俺は2と11のディメンションハンターだ」
「え?じゃあ…」
「だがここは第三世界だ、自由に移動できない」
「そうか、 可哀想だな」
「まあな」
火神の顔は仮面で隠れているため、分からないが少し悲しそうな表情をした、ような気がした。
「次に歴史のことだが、これはあずみ、お前から説明してやれ」
「分かりました」
今まで黙り込んでいた新井さんが前に出てきて説明を始めた。
その顔は先ほどと違って、顔が赤くなっていない。
「では説明を始めます、まず、これまでに二つ、全ての世界を巻き込んだ大戦争がありました」
「大戦争…」
「はい、一つ目は一の大侵略と呼ばれる戦争でその名の通り第一世界が全ての世界に対して戦争をしかけました」
「全ての?」
「はい、第一世界の人は戦闘力が高いですがそれだけでは勝てません、そこで全ての世界で自分達の軍隊を作って戦争をしかけたのです」
「軍隊…」
「それぞれの世界を支配している人物に反抗している人物と手を組んだのです」
「まぁそれぞれの世界で一つずつ、反抗勢力を配下にしたんだ、何年もかけて」
いきなり火神が口を挟んで来た。
「はい、しかし第一世界は少し変わったルールで戦争をしかけました」
「変わったルール?」
「はい、まずは全ての世界に王を立ててその王が死んだらその世界は第一世界のもの、そして、それぞれの世界の勝利条件は、第一世界から送られて来る第一世界とそれぞれの世界のディメンションハンターを殺す、そうすればその世界だけ、勝利となり侵攻が止まる、また、一番目と呼ばれる、第一世界のリーダーを殺せば全ての世界が勝利となり、全ての世界の勝ちとなる、と言ったルールです」
「難しいな…」
「簡単に言えば、それぞれの世界の王が討ち取られたら、第一世界の勝ち、第一世界のそれぞれのディメンションハンターまたは一番目を討ち取ればそれぞれの世界の勝ちというルールだ」
「なんか、分かるような分からないような」
「新井、続けろ」
「分かりました、一の大侵略の結果一番目が討ち取られて終戦を迎えました」
「あっけないな」
「その後、一番目は再生しまして、復活しましたよ」
「は!?」
「一応、一番目が死んだら終わりなので、一度死んだら復活しても第一世界の負けです」
「はぁ、そういうものですか」
「そういうものです」
「.........…」
「そして、二つ目の大戦争ですが…」
「ちょっと待て新井、時間だ、二つ目の大戦争の説明は次回に持ち越しだ」
一話で説明終わらなかった(ーー;)
一の大侵略www




