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第二十二話 『裏切者と新相棒』

2月2日 22時12分


「今日は見逃してくれませんかね、アレースさん。」

「組織の中ではさっきお前は裏切り者になったんだよ。裏切り者を見逃してどうする。」

「裏切り者かー。ひどい言い様ですね。まぁ、捕まりませんけど!」


 そういって、ウルドはアレースさんの後ろ、つまり俺の横に現れた。

俺は現れたウルドを確認するので精一杯だったがアレースさんはナイフで切りかかっていた。

そのナイフはウルドの胸の辺りの服が切っただけだった。

次の瞬間、俺は後ろに蹴り飛ばされた。


「う、痛っ!」

「心を狙ったほうが良さそうだな。」

「桜庭くん!」


 俺の目の前にウルドが一瞬で現れたが、一瞬で消える。

その後、静かな住宅街に似合わないガシャンという音が響きわたった。


「まさか、投げてくるとは……。」

「周りの家が壊れる被害より、お前が何かを企んでる被害のほうが大きいと判断した。」

「……。」


 実に信じられない光景だ、声が出ない……。

電柱が家に刺さっている、地面と平行に刺さっている。

一体、どうやって電柱なんかを地面から抜くのか。

ウルドが消えたのは瞬間移動じゃない、吹き飛ばされたのだ、あろうことか電柱で吹き飛ばされた。

住宅に向かって吹き飛ばされた。

だけど、吹き飛んでいる途中に瞬間移動でもしたんだろう。

今は他の家の屋根の上にいる。


「女性でも侮れませんね……。」

「当たり前だ、私はお前の先輩だ。お前より長い間、能力と付き合ってきた。それより、偉く余裕だな。その武器持ってるなら使えよ。」

「使いませんよ、なんて言ったってあなたが相手だ。あーあ……右腕がやられちゃったか。ここは帰りますね。アレースさん、それと心、またね!」

「待て!」


 アレースさんが、ガードレールをたくさん投げていた。

そのガードレール達は屋根に突き刺さっている。

電柱もそうだが、どうやって地面から引っこ抜いたんだろう。

良く曲がらなかったな、ガードレール……あと、ここの二軒の被害が尋常じゃないな。


「桜庭くん、ホテルに帰ろう。」

「え……アレースさんと帰るんですか?」

「当たり前だ。」

「でも、金成のパートナーですよね?」

「君がアイツを殺しただろう?」

「……。」

「それなら、私はお前のパートナー2号だ。」

「そういうルールですか?」

「そうだ。」


 ……嫌なところ突いてきたな。

こんなストレートな人が世の中にいるんだ。

ルールならしょうがないな。


「分かりました帰りましょう、アレースさん。」


2月2日 22時56分


 無事にホテルに着いた。

帰路は、お互いの経歴やらのプロフィールを開示する形の会話だった。

アレースさんは、話せば話すほどにサバサバしていると分かった。

昔はウルドに能力の使い方を教えていたらしい。

彼女はウルドをかなりの秀才だと言った、天才では無いところがミソなんだそうだ。


「ふーん、いいホテルだ。アイツは私より良いとこに泊まっていたのか……ムカつくな!」


 アイツとは、ウルドの事を指しているだろう。

善本に言わせるとこんなガキがこんな良いとこを使いやがって、と言うかも知れない。

高校生が高級ホテルに滞在とは贅沢な話だ。


「桜庭くん、風呂は大浴場?」


 アレースさんが、急に話を振ってきた。

今から風呂に入るつもりだったから、ちょうど良い。


「はい、行ってきますね。」

「行ってらっしゃい、私はここのシャワー使うから。」

「そうですか、シャンプー好きなのどうぞ。」

「君の家じゃないだろうに。」


 うん、ウルドの時ほどのノリはきたいできないが、話のわかる人だ。

また楽しい会話ができると思うと嬉しい。


2月2日 22時45分


 心くんが帰った後、ホテルに戻ってきた。

今は、あまり良い状況じゃない。

さっきは運良く話を逸らせたけど、心くんも馬鹿じゃない……すぐに気づく筈。


「おかえり、沙季!」

「おかえりなさい、聖条院さん。」


 一瞬身構えてしまったけど、ウルドではない。

ウルドの黒髪とは違い綺麗な茶髪の人だ、見覚えがある。 


「ただいま、スクルド。あなたはあの時の……。」

「はい、俺は善本の元パートナーで、ポルックスっていいます。」

「ここにいるって事は、今は私のパートナーなのね?」

「そうです。」

「ちょっと、ポルックス!沙季と馴れ馴れしく話さないで!」


 スクルドがポルックスを連れて部屋の端に行く、あの二人仲が良いのかな?

誰かを殺すとパートナーが増えるシステムか……とすると心くんのとこらにも1人行っているらしい。

心くんとウルドを2人にするのは危ないと思っていたからちょうど良い。


「あ、沙季!いつかの話だけど、沙季が聞いた話は全部、事実だったよ。それと、参加者全員に伝えなきゃいけないんだけど……。」

「ウルドが組織を裏切りました。恐らく桜庭さんのところに向かうと思います。俺の予想だと今日っていうのはあまり無いと思います……ハプニングが無い限りは。」


 ハプニングが起こってしまってからでは遅い。

心くんの未来を見てみよう。

……今日はハプニングに遭わないみたいだ、いつの間にか新しいパートナーと出会ったみたいだけど。

また今度、新パートナーに挨拶しなきゃね、保護者として。

……私はまだ保護者って言えるんだろうか。


「あー、考え事は無し無し!スクルドとポルックスさん、私は寝ますね!」

「おやすみっ!」

「おやすみなさい。」


 明日、朝一番に心くんに連絡しようかな。





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