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第十九話 『別行動と最重要』

2月1日 14時13分


「善本さん……なんで殺さないんですか?わざと外してますよね。」

「……ふん、いたぶるのが楽しいだけだ。」


 コイツなかなか鋭いな。

いや、考え事はするな……コイツの能力の餌食になる。


「さすがですね、心を無にできる人は少ない。」

「ふん、お望み通り殺してやる。」

「待ちなさーい!私を忘れて、ないー?」

「うっ!?」


 せ、聖条院美季か…タイミングが悪いな。

いきなり飛び蹴りとは小早川と同じだな、俺の弱点を見事についてくるな。

なんだ、この地響きは……足音?

俺は壁に叩きつけられる、その時に時間を止める。


「うぁ……なかなか効くな。」


 足音が聞こえた方向、聖条院美季を見ると……人が居た。

近くの通路が人で埋まっている、なんて量だ。

1人1人が武器を持っている。

あの女に殺されるとは考えなかったが……考えを改めた方が良いな。

あの女、本気で俺を殺すつもりらしい。

走って聖条院美季の後ろに回り込み、時間の流れを戻す。

多分、20秒間は時間を止められない……我慢だな。


「わっ……善本!」

「消えろ。」


 引き金を引いたが、聖条院美季ではなく壁に風穴が空いた。

聖条院は走って逃げていった。

そして入れ替わるように人の大群が走ってきた、動いていると蟻みたいで気持ち悪いな。

聞こえるのは足音と銃声、アイツら全員聖条院美季の能力で操られてるのか。


「聖条院、桜庭聞こえるか。」

「何だよ、善本。」

「ちょっと!さっき、電源切ってたでしょ?」

「そんなことはどうでもいい。大勢の一般人に足止めをされて新田を追えない。頼んだ……ブチッ!」


 ふん、コイツら一般人の倒しかたは分かった。

まず、時間を止めて手前の奴らの配置を覚えて壁に隠れ、手だけ出して

撃つだけだ。

一般人は足止めには有効だが銃を撃つのは下手なようだな。

後ろに逃げられるが、向こうから嫌なオーラを感じる。

ここを突破したほうが早いだろう。


2月1日 14時35分


「そんなことはどうでもいい。大勢の一般人に足止めをされて新田を追えない。頼んだ……ブチッ!」


 喋るだけ喋ってすぐに電源切りやがった……でも、善本からの頼み事なんて珍しいな。

さて、今から鬼ごっこをするんだ。


「……沙季さん、場所分かりますか?」

「ちょっと待ってね、探すから……いたわ。壊れた階段を4階から5階に向かって歩いているわ。」

「了解。」


 壊れた階段ならそんなに早く進めないだろう。

待てよ……この場合、俺は鬼ごっこじゃなく、足止めをした方が良い。

連絡通路で足止めをしよう。

なかなか俺も頭を使えるようになったじゃないか。


「そうと決まれば……。」


 俺はショッピングモールの5階に向かって走り始めた。


2月1日 14時43分


 心くんの姿は見えなくなったが、善本と美季達の姿は良く見える。

 善本は4階の窓際にいる、見る限りでは、まだ時間がかかりそう。

美季達は3階の爆発によって崩れてしまった階段の残骸を上手く使って上に登っている。

……っ!4階の連絡通路に大量の一般人がいる、それに段々と善本がいる方へ近づいている。

やっぱり、もう1つのプランに切り替えておこう。


「聖条院さん、何してるの?」


 その時、背後から聞きなれてない声がした。

今、私の中の最重要人物のウルドがすぐそこに立っていた。


「……来たわね。」

「僕を待ってたみたいだね。なるほどね、僕が来る前に新田くんを殺して、こんな風に対面した時に能力を使おうという作戦……良い作戦だね。それに、もう1つ作戦があるみたいだけど、その作戦についてなるべく考えないようにしてるみたいだね。」

「……。」


 読心の能力……本当に気持ち悪い能力だ。

さっきから、嫌な汗が止まらない。

今、戦ってもこの人には勝てない、そう思う。


「そう君には勝てない。君には幾つか秘密が勘づかれてしまってるみたいだから……死んでもらうよ。」


 ウルドはポケットから拳銃を出した。

私は、定位置に戻りすぐにスナイパーライフルに手をかけて、引き金を引く。

乾いた音が鳴り響いた。


2月1日 14時58分


「はぁはぁ……間に合った。」

「桜庭くん、君に先回りされるとは思ってなかったよ。でも私達の勝ちだよ。」

「美季さん……なるほど、パラシュートか。」


 こんなところからパラシュートを使うとは考えなかったな。

こんなに低い場所だったら上手くいかないだろうけど……。


「沙季さん。……沙季さん?」


 沙季さんと連絡が取れない。

俺1人でも銃が有ればなんとかなる……けど、撃てるか?


「桜庭くん、またねっ!」


 美季さん達が走りだそうとしたその時、乾いた音と窓の割れる音が聞こえた。


「美季!行くよ!」

「う、うん。」


 2人は、屋上から飛び出した。

パラシュートが開き斜めに下降していく。

今の銃声、沙季さんだよな……いったい何を。

ぼ、ボーッとしてる場合じゃない!


「ま、待て!」


 急いで銃を構えたが、手が震えて照準が合わない、それでも引き金を引く。

パン!パン!パン!と音がした。

全て外れた、もう一度構えて引き金を引いたがカチカチと音がするだけだった、弾切れか……。


「くそっ……ダメか。」


 まだ、まともに撃てないのか俺は……それより沙季さんは何してるんだ。

とりあえず、窓が割れた方に行ってみよう。

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