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A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
班室

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82/231

おれがやめる


「・・・どいてよ」

 ジャンに文句を言うウィルの声はいつものものだった。


 顔を確認した副班長サブチーフがからだをどけ、ザックも腕をはなす。



 ちくしょう、これ腫れるな、と張られた頬をなでた貴族様は、同じように変色した頬をおさえているルイをいちべつし、なにかをいいかけて、けっきょくそのまま出て行った。



「・・くそ・・やっぱだめだな・・」

 ジャンが自分の額を拳でたたく。




「だめなのはおれだよ。みんな、おれが発端だ・・・」


 力なくたちあがったルイが、ザックをみてさびしげにほほえむ。


「おれ、―― やめるから」


「え?」

 目の合った相手の顔をザックはぽかんとみかえす。


「ケンが辞めることなんてない。おれがやめればあいつもここにもどってくるし、みんなもまた戻ってくるさ。 ―― ザック、わるかった。 ジャン、バートにあとで・・・おれが連絡しないほうがいいか。伝えておいてくれよ」


「おい、なにいってんだ」



「ルイ、どうして・・」


 ザックがだしかけた問いに振りむけられた顔に、もう、なにも言えなくなる。





 ドアが静かな音で閉まりきるまで、残された二人は動くこともできなかった。




  

  


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