表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
班室

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/231

ながされない事件

残虐表現あり。ごちゅういを


 ザックの視線をうけても口をあけないジャンにかわってウィルがザックの目をとらえた。


「 ヤツいわく、 ―― レイの背中に神の象徴がいくつも浮かんだから、・・・そこを、ひとつずつナイフであけていただけだって」


「ナイフ!?あ、あけるって・・」


「そ。レイは、」いちど口を閉じる「 ―― ・・・マイクとバートが駆けつけた時には、裸にされて背中は切り刻まれて血まみれだった。 ナイフを手にまだ続けようとする犯人を、マイクは殺す寸前まで殴りつづけて、しばらく停職になった」



「・・・・・」 

 口と目をあけたまま、ほかの男たちをながめる新人は声がだせないようだった。


 みんな黙ったままザックを見守っている。


「そ、・・・」声をしぼりだしたが、あわてて口をとじ、「そんな・・・事件、きいたおぼえないよ・・」と弱弱しい声を足元におとす。




 じっとしていられないように立ち上がったニコルが、班室の隅にあるコーヒーメイカーにセットしはじめる。


 誰もなにもしゃべらないので、ゆっくりと説明をしはじめる。


「・・・聞いたことはないはずだ。 ニュースとしてながされることはなかった。《誘拐》っていっても、そのとき動いてた刑事はマイクだけだったし、事件はけっきょく《治安部》があつかうことになったからな」


「《治安維持部署》ってこと? ああ、そいつが『教祖』ってことだから?」


 宗教関係の事件ということか。



 うなずくと思ったニコルは紙カップを手に首をふった。

「 そいつを『教祖』だとは立証できなかった。 やつらは名簿も教会もつくっていなかったから、ほかの『信者』を探しようがなかったんだ。だから警察は普通に『誘拐殺人未遂』事件として殺人課にまわそうとしたんだが・・・」


 政府に監視されているメッセージリンクのページに『光の子から《光》をとりだすことに、われわれは失敗した』というメッセージが投稿されたのを警察が把握し、やはり《宗教》がらみだと治安部が主張し、メッセージを投稿した人物を警察官が確保に向かえば、 ―― 死体がまっていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ