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A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
気づいたウィル

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これで二回目

 

 ウィルの怒声にも、男は困ったこどもをみるような顔をみせ、後ろに隠れる小さな影をうかがうように首をのばしてから「では、ごきげんよう」と微笑んで背をむけた。



「・・・ああ、そういえば」

 路地を出る手前でふりかえる。


「 ―― ずっと考えていたのですが、あなたはきっと、神の遣いのうちの《戦士》なのでしょう」



「 はん。あんたのくだらないはなしをきく耳はもってないよ」


 

 手をはらうウィルに、あいては歯をむきだすような気味の悪い笑みをむけた。


「バーノルド事件が解決してなによりでした」


「・・・あれは、警察官が解決した事件だ」


「そうでしたか?へえ。そうでしたか」

 肩ごしにいやな笑いをのこし、男はようやく路地から消えた。




 いつのまにか片腕で脇におさえこんでいた体が、ふうっと大きく息をついたので、我にかえる。


 どうやら自分もひどく緊張していたようだと気づくが、そんなことかんじさせないように、いつもの声をだす。


「 ―― レイさあ、前も言ったけど、ぼくは『男』は助けないことにしてるんだよね」


「うん、しってる。・・・ごめんね」



 『おいかけられて』いたレイは、ウィルにあわせていつもの声をだそうと努力しているのがわかるが、顔色は白く、唇に色はない。


 震えているのが伝わる体に腕をまわし、らしくないのを承知で力をいれて抱きしめながらぼやいてみせた。


「 しかも、またデートが中止になっちゃったよ」


「ほんと?ごめん。 これで、―― 二回目だね」


 そう。二回目だ。



 レイが、あの男に街中で追いかけられているのを救ったのは、これで二回目。





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