表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
ヒルダ・マクベティのはなし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/231

仲間として


 何度かうなずいた白髪の女は窓のむこうにひろがる広い庭をみて、ゆっくりとはなしはじめた。


「 ―― ルイは、わたしがみた中でも群を抜く頭の良さと、美しい『魂』をもつこどもだった」

 もちろん、いまもでしょう?と警備官たちをふりかえり、うなずかれるのを待つ。


「もちろんです。あんないい男めったにいないでしょう。 でも、―― 少々、自分をさらけだすのをいやがるむきがありましてね。今度のことも、それが強すぎて、けっきょく自分を傷つけることになるのに、ひとりでかかえこもうとした」


「怒ってるのね、仲間として」



 とうぜんだろ、とザックがわりこむ。

「だいたいもっと早くにルイが口わってれば、ケンだってぶったおれなくてすんでたわけだし」


「ザック」

 とめたジャンの声は厳しいものだった。



「ああ、お友達が、巻き込まれてしまったんだったわね」

 

 残念だわ、とマクベティは首をふってまた庭へ顔をむける。


「ルイは、どこまでをあなたがたに?」



「母親が、・・・『白いカラス』に殺されたっていうことだけです。 ―― ルイのお母さんは、ルイが五歳くらいのときに亡くなったんですか?」


「そうね。彼はまだ、五歳になっていなかった」


「だから、たしかな記憶はないらしいんですが、母親の死と白い羽が結びついた記憶はあるみたいだ。 それに、『白いカラスがルイのお母さんを殺した』と彼に教えたのはあなただとうかがいました」


「そう。―― みましたから」



 むこうを眺めたままの女の返答に、男たちは顔をみあわせる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ