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A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
ヒルダ・マクベティのはなし

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行儀よくしてるよ



 ザックが予想した通り、その大きな家の入口となる扉には本人はでておらず、お待ちしてました、と二人をむかえたのは、自分の母親と同じ世代と思われる品のいい女性だった。


「 あ、・・こ、こんにちは、あの、」

 ジャンがめずらしく戸惑った様子で挨拶をする。


 相手はとても《いいかんじ》で微笑んだ。

 こういう人って怒鳴ったりしないんだろうなと思いながらザックも挨拶をかわす。


 先を歩く女の姿勢はまっすぐで颯爽としていて無駄がなく、この大きな家を取り仕切っていることを感じさせた。


 こういう家につきものの薄暗い廊下をすすみ、奥の部屋へとみちびかれる。



 先を歩くジャンが背中にまわした手でこちらになにかサインをおくってきた。たしか前に、パーティーの警備を手伝ったときにおくられたサインだ。


 《 行儀よく 》


 してるよ、と声にださずに言ってやったら女が立ち止まりドアが開けられた。




 そっと入った部屋はまるで美術館のようだった。

 赤いふかふかのじゅうたん。

 天井からさがる古いシャンデリア。

 壁際には何体もの彫像。


 大理石でできたばかでかいテーブルの上にも、暖炉のまわりも、マントルピースの上にも、大小さまざまな彫像がのっている。



 庭へ続く大きな窓を背に、ゆったりとつくられた長椅子にいるのは、真っ白な髪をすっきりとまとめあげた、まだそれほど年寄にはみえない女だった。



「いらっしゃい」

 言葉とともに手で招いた。


 ジャンは警戒するようにゆっくりとあゆみより、女の手をとってキスをした。


「ミズ・マクベティ、お目にかかれて光栄です」

「お若いのに慎重ね」



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