表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班活動停止 ― 白いカラスはタキシードを着る ―  作者: ぽすしち
みんなに黙ってたこと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/231



 晴れてきもちのいい日だった。


 買い物袋を抱えて信号を渡ったとき、急に。

 なんの気配もなかったのに。

 

    

      黒い影におおわれた。

 

 背後からのそれは、肩を、腕を、顔を、いっぺんで陽射しからさえぎり、ルイだけを暗い影にとりこんだ。



   くらい


 と感じたときに、耳のそばで羽が打ち合わされ、まきおこった風が頬と髪をなでる感触をのこし、《それ》は、頭の上すれすれをすぎた。

 



 身をかがめたルイをのこし、いつのまにか、ほかの通行人は信号をわたりきり、自分だけがほうけたように上を見上げていた。

 低い建物の間からよくみえる空には、鳥のすがたなどどこにもない。


 クラクションにうながされて信号をわたりきり、あたりをみまわしたが、やはりそれらしい鳥はみあたらない。


 しばらく首をひねりながら自分の家をめざせば、アパートメントの建つ区画前の金網に、カラスがとまっていた。


 それも、五、六羽。



 ルイが通るのを見送るように顔をむけた鳥たちは



  ググアアア  

 

    と鳴くと、一斉に飛び去った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ