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魔法使いの世界を旅する一年  作者: Zezilia Hastler
第2章 静かなる雪景色
15/72

6日目 スヴィルア鉄道最東端の駅舎にて

16:00



 一人でいることを望むようになったのは、いつからだろう……。


 ぼくは、誰もいない大聖堂の中で、ぼんやりと、そんなことを思った。


 ジェロームくんは、ぼくの鞄から飛び出すと、石畳の上を進んで、祭壇へ向かった。


 大聖堂の中は静かだった。

 ぼくのスニーカーの底が、石畳を叩く音、その音だけが、静かに、大聖堂の中に反響する。

 コツ……、コツ……、コツ……。


 宗教画が、何枚も飾ってあった。

 天使を象った巨大な石の彫刻が、大聖堂の中を見下ろしている。

 その目は、暖かみがあったが、どこか虚で、寂しげなようにも思えた。


 ジェロームくんは、祭壇の前にお行儀よく座り、首を垂れた。

 ステンドグラスから降りる、極彩色の光が、祈りを捧げる彼を照らしていた。


 幼い頃から、ぼくは学園に通っていた。

 周りの子供達と一緒に遊んで、笑っていた。

 それでも、その時から、ぼくは考えていた。

 ぼくは周りに馴染めているか、周りから浮いていないか。


 それは、魔法族であると同時に、ヒト属でもあるぼくの本能に宿っている、社会性という物に由来するものだと思う。

 ヒトは、古来より、集団を築いて生きてきた。

 その集団に属せるかというのは、寿命の長さを左右する重大な要因となる。


 ただ、ぼくは、それが嫌いだった。


 幼い頃は、色んなことが好きだった。

 新しいことを知るのも、スポーツで体を動かすのも、人と関わるのも。


 ぼくは、純魔だった。

 半魔よりも膨大かつ強力な魔力を持っていた。

 ヴァルキリーや、エルフや、バンパイアにも匹敵する、強大な力を持っていた。

 そして、ぼくのような純魔は他にもいた。

 その中でも、ぼくは、勉強でも体育でも、そして、魔法の扱いでも、それなりに良い成績を取っていた。


 色々な人が、ぼくと競いたがって、ぼくに期待をした。

 ぼくは、競うつもりなどなかったし、期待に答えられる自信もなかった。

 ぼくはただ、楽しんでいただけだったのだ。

 新しいことを知るのを、スポーツで体を動かすのを、そして、魔法で空を飛んだり、空に絵を描いたり、彫刻を作ったりするのを。

 競うつもりなんかなかったし、期待を向けられても、それに応える自信なんかなかった。


 もっともうんざりしたのは、小5の頃の一ヶ月の交換留学で、東京の学校に行った時のことだ。

 そこは人間ばかりがいるところだった。

 能力至上主義的なところがあり、勉強が出来ないと見下された。

 程よい点数をとって目立たないようにしたが、どれもこれも授業が簡単すぎて、程よい点数を取るのが難しかった。

 そこで向けられる対抗心は爽やかなものではなく、中には、ぼくのやる気を削ごうとして、過激な言葉を使った陰口を言ってきたり、睨みつけてきたり、友達ヅラをしてすぐそばに来てはネガティヴなことばかり言ってきたり、怒鳴り声で相手を威圧することを話術と信じているような行いをしてきたり、そういった汚いことをしてきた人もいたが、そういう連中は無視するようにしたし、可能なら先生に話したりといった形で、適切に対処したりもした。

 そこでの胸糞悪い体験は、交換留学を終えて学園に戻ってからも、ぼくの心にしこりを残していた。


 そういうことも影響しているのだと思う。


 対抗心や期待を向けられるのを、心地良く感じながらも、疎ましく思っていた。

 ぼくに対抗心を向けてくる人はどうすれば満足してくれるのか、どうすれば期待に応えられるのか、そんなことを考えれば考えるほどに、頭と胸が痛くなり、楽しい気持ちが薄れていった。


 競い、ぼくよりも上に立つことを好む人には、それを譲った。

 1位を取れる分野でそれを譲ろうと思えば3位になり、3位を取れる分野でそれを譲ろうと思えば7位になった。

 そして、ぼくの上の順位を取った者は、喜びながら、次はもっと良い点が取れるよ、と慰めてきた。


 それを受けたぼくは、密かにムカついていた。


 譲ることを繰り返したうちに、いつしか、ぼくに向けられていた対抗心や期待は消えていた。


 そして、ぼくはいつの間にか、楽しんでいた授業やスポーツが楽しく感じられなくなって、そして、もっとも得意な分野ですら一位を取れなくなっていた。


 そうして、ある日、ぼくに対して対抗心を向けていた子たちの一人が、からかうような口調で、こう言った。

 お前って、こんなもんだったんだな。


 その言葉を受けた時、ぼくの頭の中で、一瞬のうちに様々な醜い考えや言葉が浮かび、そして、プツンと、音がした。

 そして、ぼくは、こいつら、めんどくさいな……、と思うようになった。


 それからは、心が軽くなった。


 いつの間にか、ぼくは、祭壇の前にひざまづいて、祈っていた。

 ぼくは、仏教徒だったが、キリスト教徒の知り合いもいた。


 ぼくは一体何を祈っているのだろう……。

 何を悔い改め、何を後悔し、どんな未来を夢見て、そして、何から解放されたくて、なにを求めているのだろう……。


 ふと、ゾーイさんの顔が、ルナさんの顔が、グロリアの顔が、オレジニク先生の顔が頭に浮かんだ。


 ぼくは、鼻を啜って、瞼を上げた。


 見れば、右隣では、ジェロームくんがぼくを見ていた。


『何を祈ってたんだ?』


「言わないよ。言ったら、叶わないからね」


 言った途端に、ぼくの目頭が熱くなり、視界がぼやけた。

 目尻から、温かい涙が溢れた。


 ジェロームくんは、優しい目で、ぼくを見上げていた。


 気がつくと、ぼくは、ジェロームくんに、話をしていた。


 その話を聞いたジェロームくんは、その小さな手で、ぼくの頬に触れた。『ソラは良い奴だし、良い奴らだと思ったから、喜んで欲しかったんだろ?』


 ぼくは眉をひそめた。涙はもう引いていた。「かもね」


『でもな、そいつらは多分、全力のお前に勝ちたかったんだよ』


「ぼくは別に、そんなことどうでも良かった」


 ぼくは、ふと、旅をするために受けたテストをしているときのことを、頭に思い浮かべた。


 教室に一人っきりで座り、様々な科目のテストを受けた。

 広々とした体育館で、短距離走や長距離走、腕立て伏せや腹筋やスクワットや反復横跳びをしたり、今までの授業で習った護身術の復習を体育の先生相手にやったり、魔法の扱いを見せたり。


 楽器を演奏したり、歌を歌ったり。


 心理学の先生と一対一の面談をしたり。


 その結果、受け取った紙には、ぼくの成績が載っていた。


 どれもこれも、ぼくの予想の範疇を超えない成績だった。


 一万人近く在籍している中等部3年生の純魔の生徒たちの中で、ぼくの成績は240位だった。


 退屈なテストだった。

 それでも、ぼくは、その通信簿を見て、ほっと胸を撫で下ろしていた。

 確かに、ちょこっと泣いたかもしれない。

 ぼくよりも出来る人はたくさんいた。

 それでも、ぼくは、それで満足していた。

 久々にテストで全力を出し、ここで旅する資格を手にすることが出来たからだ。


 談話室で待つゾーイさんの元へ向かう時、ぼくは晴れやかな気分だった。


『お前は、どうしても勝ちたいって思ったことはないのか?』


 ぼくは、頷きもせず、首を傾げたりもせず、眉をひそめたりもしなかった。

 そんなこと、今となっては、わからなかった。

 あの子たちのことなんて、もう、どうでも良かった。

 ただ、広い空を見て、ただ、頭の中を空っぽにして、美しい景色に見惚れていたかった。


『いつか本気を出せる時が来ると良いな』


 ぼくは鼻を鳴らした。「なにそれ」


『良い奴だと思える相手に出会うんだ。本気を出して勝ちたいって思える相手に、挑んで、それでも敵わなくて、悔しいって思って、何度も挑んで、勝つんだ』


 ぼくは、首を傾げて、鼻を鳴らした。「勝つって、なにに?」その相手には必ず一度は負けないといけないのだろうか。一度も負けずに勝ったらどうなるんだろう。


『なんでも良い。スポーツでも良いし、チェスでも良い。学校のテスト以外で、何か好きなことを突き詰めていって、それで自分の実力を試すんだ』


「そんな相手いないよ。誰よりも出来るってことは、ぼくが一番よく知ってる」


 ジェロームくんは、小さく笑った。『出来る奴じゃない。良い奴だよ。認め合える奴だ。なんの思惑もなく、純粋な対抗心を向け合える相手だ。卑劣さも、謀略もなく、汚い手なんか使っても意味ないって思えて、対等な条件で勝たないと無意味で、真正面からぶつかり合って勝ちたいと思える相手。負けても、相手の勝利を喜べるような相手いないか?』


 ぼくは首を傾げた。「いないね。勝負なんてつまらないよ。するとしても、卑怯な手を使うのは嫌い」


『じゃあ、譲れないものは?』


 ぼくは少し考えた。「ない」


『じゃあ、失いたくないものは?』


 ぼくは首を傾げた。「わかんない」


 ジェロームくんは笑った。『譲ってばっかだと、何もない奴になっちまうぞ』


 ぼくの脳裏に、オレジニク先生の顔が浮かんだ。「ぼくの先生も、同じようなこと言ってたな。出来ないフリを続けてると、なんにも出来ない奴になるって』


『良い先生だな』


「不思議なんだけど、ぼくもその先生だけは好きなんだ」ぼくは、大聖堂の出入り口のドアを開けた。「お先にどうぞ」


 ジェロームくんは、ぼくの背中に飛びついて、首に巻きついた。


 大聖堂の外は、10m先も見えないほど吹雪いていた。


 良い景色だ。


 ぼくは、大聖堂の階段を、一段ずつ降りていった。


『思ったんだけどさ』と、ジェロームくんは言った。


「なに?」


『お前に惚れた奴は、苦労するだろうな』


 ぼくは鼻を鳴らした。「そんな奴いないよ」


『どうかな。俺は結構好きだぜ?』ジェロームくんは、ぼくの鼻先を、尻尾でくすぐった。


 ぼくはくしゃみをして、ジェロームくんは、楽しそうに笑った。

 ぼくは、首に巻きつくジェロームくんを引き剥がして、抱きしめ、くすぐり回した。



18:00



 ぼくは、ハバネロフスクにある、鉄道列車の駅に来ていた。


 野宿をしながらの冒険をするか、スヴィルア鉄道に乗って2週間の気軽な旅行をするか。

 個人的にはどちらも捨て難いが、最終的には値段を見て決めることにした。


 三つあるチケットカウンターは、真ん中以外閉まっていた。

 待合室代わりのベンチには、十数人ほどが座っていた。

 みんな、硬い顔でぼんやりとしながら、列車を待っていた。


 ぼくは、チケットカウンターへ向かった。


 分厚いガラスの向こうにいるのは、ラシアのイケメンだった。「やあ、こんにちは」キラーン、と、彼の真っ白な歯が光った。


 眩しい。


 彼は間違いなく歯列矯正をしていた。


「あの、マスクヴァまでっていくらしますか?」


 彼は、カウンターに置かれている料金表を指さした。「一番安いクラスが、ドミトリーで200FUだよ。もうちょい広い個室なら600FU。更に広い個室なら1200FU」


「スライムのレンタルって、ありますか?」


「あるよー、料金表はないけど、この時期でマスクヴァまでだと、ムキムキのスライムが900FUで、スプリンタースライムが850FU、普通のスライムが400からだな」


「スプリンタースライム?」


「あぁ、珍しいよな。でも、珍しいだけだ。取り込んでもらっても、クッション性がないから、走ってる時は揺れが酷いし、寝心地は最悪だし、外で寝るときは寒いのなんの。背中も痛いしな。宿泊を考えず、速度重視で行きたい旅人向けだな」


「なるほど……」ぼくは、料金表を見た。

 そこには、地図のようなものもある。

 ぼくは、少しだけ考えた。


 こうしよう。

 経路を三つに分ける。

 途中までは野宿。

 サンクト・トルーツクからはスライム。

 サンクト・フローレンスブルグからはスヴィルア鉄道だ。

 スヴィルア鉄道は、乗り換えを利用することで、ファンランドのハルシンキまで続いていた。

「サンクト・トルーツクでも、スライムは借りれますか?」


「あぁ、もちろん。サンクト・トルーツクまでにするかい?」


「いえ、箒で行きます。ごめんなさい。節約をしたいので」


 おにいさんは、眉をひそめた。「この時期のイースト・ラシアは、寒さが厳しいぞ?」


『そうだぞ?』と、ぼくの首に巻きついていたジェロームくんが言った。


 ジェロームくんのことを思うと、確かにスヴィルア鉄道を使いたい気もするが、雪原でのキャンプは、ぼくの幼い頃からの夢だった。

 雪の中、星空の下で、焚き火を見ながら、熱々のコーヒーを啜るのだ。

「コートがあるので」


 おにいさんは、小さく笑った。「引き止める義理はないけど、本当に気をつけろよ? クマだって出るし、オオカミとか、シカとかもいる」


「大丈夫です、頼りになる子が一緒なので」


 ジェロームくんは、ぼくの首に巻きつきながら、『しょうがないにゃ〜……』と、呆れたように言った。


 おにいさんは、心配するような目をしたままだった。「お金がないなら、俺が、そうだな、30FUだけなら出せるぞ?」


「こらっ、スタニスラスっ! またナンパかいっ!」


 おにいさんの背中、チケットカウンターの奥から、野太い女性の声が聞こえてきた。


「違うよママっ! 仕事中にそんなことするわけないだろっ!」スタニスラスさんは、自分の背中に向かって声を張りあげた。「だいたいっ、またってなんだよっ! ぼくがやったのは一回だけじゃないかっ!」


 ジェロームくんが、カウンターに飛び降りて、スタニスラスさんの怒鳴った先を見て、ニヤニヤした。『うひょーっ、こえー、ラシア美女だ……』


「美女なの?」ぼくはひそひそ声でジェロームくんに聞いた。声の感じから、てっきり、樽のような体をしているもんだとばかり。


「なんだい違うのかいっ!」と、スタニスラスさんのお母さんは、チケットカウンターの奥から声を張り上げた。「いったいいつになったら孫の顔を見せてくれるんだいっ! あんたもラシアの男ならナンパの一つでも成功させてみなっ!」


「余計なお世話だよっ!」

「あんたのお父さんは凄かったよっ! 出逢って30分で気づいたらベッドの上さっ!」

「ママっ! やめてくれっ! こんな時にこんなところでそんな話聞きたくないよっ!」

「いつなら良いって言うんだいっ! あんたが大好きなトゥインクル・ウォーズのユーク・スカイなんとかのベッドカバーに潜って頬擦りし始めた時かいっ!」

「一生嫌だよっ!」


 確かに、子守唄に両親のセックスの話なんか聞きたくないよな……、と思いながら、チケットカウンターに身を寄せて、スタニスラスさんの怒鳴る先を見ようとしたが、ちょうど何者かの手によってカーテンが閉められたところで、彼のお母さんの姿を見ることは出来なかった。


「たくっ……」スタニスラスさんは、顔を真っ赤にして、ぼくを振り返った。


 ぼくは慌ててチケットカウンターから一歩離れた。


 背後の待合室からは、スタニスラスさんと彼のお母さんの応酬を聞いたであろう人々のクスクス笑いが聞こえてきた。


 面白いけど、恥ずかしいからやめて欲しかった。


「恥ずかしいところ見せたね」


 ぼくは頷いた。


「駅舎の三階に住んでるんだけど、キッチンは一階でね。今夜はどうやらミートローフみたいだ」と、済ました顔のスタニスラスさん。「ところで、お嬢ちゃん、お腹空いてる?」


「いえ、さっき食べたばかりです。中央広場のお店で、クスクスを」

「おっ、ドローブルかな?」

「確か、そんな感じの名前でした」

「あそこのクスクスは美味しいよな。ぼくもたまに食べに行くんだよ」

「コンソメが効いてましたね」

「良いよねー。良かったら一緒にどう?」

「へっ?」

「1時間後に出る列車を見送ったら仕事終わるんだ」

「あ、無理です」


 ジェロームくんはチケットカウンターの窓ガラスをパンチし、スタニスラスさんは、ビクッ、とした。


 ジェロームくんは口元をペロリとした。『さっき食ったって言っただろ。下手なナンパは犯罪だぞ』


 スタニスラスさんはしょんぼりした。「……残念」


 なんだか、ちょっとだけ彼が不憫に思えてきた。「イケメンなのに、彼女いないんですか?」


「15の時に酷い振られ方をしてね、それっきり女の子がトラウマなんだ」


 ジェロームくんは、『けっ……、お坊ちゃんが……』と、吐き捨てて、再びぼくの首に巻きついた。


 その時、カウンターの向こうから、シャッ! と、勢いよくカーテンの開く音がした。「いつまでも女々しいこと言ってるんじゃないよっ! 情けない子だねっ!」


「ありがとよっ! ママっ!」スタニスラスさんは、顔を真っ赤にして、額に血管を浮かべて、再び、自分の背中に向けて声を張り上げた。


 ぼくは、今度こそラシア美女の顔を見ようと、チケットカウンターのガラスに顔を寄せたが、またしても、ぼくがその美貌を目にする前に、スタニスラスさんのお母さんは、シャッ! と、カーテンを閉じて、その花柄の生地の向こうに隠れてしまった。


 待合室が笑い声で溢れていた。


 こちらに顔を戻したスタニスラスさんは、照れたように笑っていた。

 これも彼の仕事の一つなのだろう。


 ぼくは、彼にお礼を言って、駅舎を後にした。



19:00



 先日、暖を取るために寄った宿屋の近くの食堂で、ぼくはハバネロシチとハバネロシキを食べ、ジェロームくんはハバネロルクを啜った。


 旅先で食べるためのお土産に、1ダースのハバネロシキを購入して、包んでもらった。


「ハバネロシチのレシピって、教えていただけたりしますか?」


 恰幅の良い女性は、ウィンクをした。「気に入ったんだね。でも、企業秘密だよ」


 企業秘密ならしょうがない。

 ぼくは、おやすみなさいと、女性と挨拶を交わして、ひどい雪の中、宿屋に戻り、セラノワさんに、宿泊の延長はしないことを告げた。


 シャワーを浴び、湯船に浸かり、パジャマに着替える。


 日記を書いたぼくは、ベッドに入り、眠りについた。


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