サツマイモの正体
〈幼女〉朝顔は ' 朝顔・一時亜空間 ' から青い衣を取り出すとそれを着た。
「ああ、早く王宮にいかなくては。それにしても王様はどうしてサツマイモを所望なのだろうか。」
' ヒューマノイドタイプ ' に変形すると朝顔は、やや口調が変わる。
少々?がさつなしゃべり方をするようになるのである。
王様がサツマイモを所望するのだろうか?当然の疑問ではある。
「王様がわざわざ、サツマイモを届けさせるわけがないと思うが?」カモノハシが指摘した。
「そうなのだ、あたいもそう思っていたところなのだ。」
ちなみに〈幼女〉朝顔の一人称は"あたい"であるようだ。
「俺も王宮までついていってやろうか?」カモノハシは親切にそう言ったが、朝顔は、
「お前は足が遅いからダメだ。」とむげもなく断り、
「じゃあな!」と言ってカモノハシを残し王宮へと向かうことにした。
***
〈幼女〉朝顔は川に架けられた橋を渡り、王宮への道を歩いていると、サツマイモが屁をこいた。
「は!サツマイモが屁をこいたぞ!さてはお前サツマイモではないな?」
「ふぁ~。サツマイモ?俺サツマイモじゃないよ。」サツマイモだと思われていたモノは欠伸をしながら言った。
さっきまで硬かったその物体は、いつのまにか柔らかいブヨブヨしたモノになっている。
〈幼女〉朝顔はその紫色をしたブヨブヨしたモノを放り投げると、
「お前、何者ぞ! ' 妖魔 ' の類か?」
「違うよ。見れば分かるだろう?紫スライムだよ。」
〈幼女〉朝顔がサツマイモだと思っていたモノは、紫スライムだったのである。