↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
51/57

禁を破りて時を見る

 クロウは失神した蛇2匹を持って、町のなかを歩いて行った。町の中にもスライムがたくさんいる。

 彼は少し考えてみた後、蛇2匹は薬草屋へ持っていくことにした。

 クロウが薬草屋のドアを開けると、彼と同じくらいの年頃の娘がいた。娘の名はノヴァという。


 <ジュノー王叙事詩〔アウネ写本〕>に出てくるノヴァとは、彼女のことである。


「クロウ、何しに来た?」

「蛇が失神している」


 彼はそう言って、掴んでいる2匹の白い蛇を見せた。


「そのようだな......だが、うちは蛇用の薬は扱ってないのだが?」

「なんとかならんものか」

 

 クロウとノヴァがそんなやり取りをしていると、兄弟は失神から回復して叫んだ。


「く、苦しい~~~。離して、離して!」

「むむ、蛇がしゃべった!」


 クロウが強く掴み過ぎているから苦しがっている。慌てて手を離すと、2匹はノヴァの店の中へ入っていった。

 ノヴァは仕方ないなという顔をした。クロウも入ろうとするとノヴァは彼に質問した。


「ところでお前、風呂はいつ入った?」

「ううむ、三日前くらいかな」

「いいか、クロウ! 風呂は毎日入るのだ! うちにくるときは風呂に入ってからくるのだ! わかったか?」


 というのも、この犬顔の青年は子供の頃から風呂嫌いなのである。幼馴染みのノヴァの店にはよく来るが、その度に風呂に入れと言われている。

 クロウは、しぶしぶわかったと言い風呂屋へ向かった。


 お水、お水をいただけませんか? と蛇に言われ、ノヴァは深めの皿に水を入れ蛇に与えた。

 兄弟は慌てて水を飲んだため、兄・タカキはしゃっくりをした。その瞬間、しゃっくりとともにお腹の中の〔タイムマシーン〕が口から飛び出したのである。


 〔タイムマシーン〕はカチッ・カチッ・カチッと時計の秒針が進むような音を立てている。

 ノヴァはそれに触ろうとした。


 あ、触っちゃ駄目! とタカキは言ったが遅かった。ノヴァが〔タイムマシーン〕に触れると、彼女は時間跳躍した。


 気づくと彼女は、一面の麦畑の中にいた。カチッ・カチッ・カチッという音は聞こえ続けている。

 麦畑の中に少女と子猫がいた。少女は薬草屋の娘ノヴァにそっくりであった。その少女が話しかけてくる。


「こんにちは!」

「こ、こんにちは。ねこちゃん、可愛いですね......」

「うん。この子はニコルっていうの」


 すると、子猫がしゃべった。


「はじめまして。こんにちは。ぼくはニコル・クーン・ジュノーといいます。」

「ニコル・クーン・ジュノー......?」


 秒針が進むような音が止まった。そしてピピー、ピピー、ピピーという機械音が響くと、彼女は自分の店に戻っていた。

 〔タイムマシーン〕からその機械音が響いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。