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ヨウジョ・ワールズエンド・ノヴァ・スーパーノヴァ  作者: 森野うぐいす
第三章 ストーンサークルの戦い
33/57

子猫

 半透明の赤い大量の ' バラのような花 ' の花弁が、妖女の洋館の周りをドーム状に覆っていた。それは ' 攻撃遮断-A.S.D ' である。


 〈幼女〉朝顔達はドメスティック・フラワーズが張り巡らしたその ' 攻撃遮断-A.S.D ' の中で真紅に染まる〈ダトゥル・ドゥ・ジョサ〉を見ていた。


 その ' 悪しき者 ' を見て一番驚いていたのはサツマイモであった。というのも、彼は()()()()を過去に見たことがあったからである。


「ここから出すのだ!!」と〈幼女〉朝顔は騒いだが、 ' 攻撃遮断-A.S.D ' は外からの攻撃も防ぐが、中にいる者を外に出すことも許さない。


 朝顔達は稲光が走り、' ネコ ' 達が出現するのも見ていた。そして、妖女だった真紅の光が消えるのを見た。



***



 〈ダトゥル・ドゥ・ジョサ〉が崩壊すると、空から黒い雨が降った。雨粒が当たる度、' 攻撃遮断-A.S.D ' はそれをはじいた。


 黒い雨が直接当たった草原の草達は皆、枯れてしまった。


 雨が止むと、辺りにたくさんの水溜まりができていた。それは〈ダトゥル・ドゥ・ジョサ〉だったものの残骸である。ドメスティック・フラワーズは、' 攻撃遮断-A.S.D ' を解除した。


 〈幼女〉朝顔が黒い水溜まりを見て、茫然とした。そして、びしょ濡れになった子猫が1匹そこにいるのを見つけた。にゃあ、にゃあと、子猫は悲しげにずっと泣いている。


 子猫の周りだけ草原の草は枯れずに残っていた。それにその子猫はびしょ濡れになっているけれど、別段、真っ黒になっているわけでもない。〈ダトゥル・ドゥ・ジョサ〉の黒い雨に濡れたわけではなさそうである。


 やがて、その子猫は強大な金色の光を放った。あたり一面に金色の閃光が走り渡った。



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