表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/57

恐怖の時間軸

天から光が差し込んだとき、予期せぬことが2つ起こった。


2つとも、そこにいたカモノハシが要因となったのだが、もちろん彼に悪気があったわけではない。


そもそも的なことをいえば、' ネコ ' が気まぐれにサツマイモを生き返らそうとしたのが原因であろう。


しかし、そのことによりこの野良カモノハシは、カモノハシの仲間たちから〈禁忌破り〉のカモノハシと呼ばれるようになる。



ちなみに、紫スライムに限らずスライム族は死ぬと色素が抜けていく。そのためサツマイモも薄ムラサキ色になっている。


そのサツマイモを光が優しく包み込む。光はサツマイモに取り込まれていく。


そのとき、カモノハシが落とした"オレンジ色に光る石"がそこにあったのである。サツマイモを包み込む光は、その"オレンジ色に光る石"をも照らした。


すると、その石から微小なオレンジ色の光子フォトンが幾数個飛び出したのである。微小なモノを見る眼力のある者がその"オレンジ色の光子"を見たら、その1つ1つが人のかたち、もっと言えば妖精の姿をしていることが分かったであろう。


その妖精達もまた、サツマイモを見ると彼の体の中へと入っていった。



サツマイモは生き返った。生き返ったのであるが......、彼はスライムではなく()()()()()()姿()になっていた......のである。おそらくそれは妖精達の力によるものだろう。


彼は「ううっ」と声をもらした。


「サ、サツマイモが人間になった!」〈幼女〉朝顔は驚いた。生き返ったことも驚きであったろうが、人間の姿になったことの方がもっと驚きであったようだ。まあ、朝顔もまた朝顔であるにも関わらず幼女の姿をしているのだが......。


「それより、サツマイモ、人間というのは服を着るのだ!」


人間になったばかりのサツマイモは裸であったため、朝顔は ' 朝顔・一時亜空間テンポラリ・ストレジ・ロケイション ' から男の子用の服を取り出すとサツマイモに服を渡した。


ちなみに、人間の少年の姿になっていたのだが、体の色は一般的な人間の肌の色ではなく"薄ムラサキ色"をしていた。


「あ、お、俺はいったいどうしたんだ?」


サツマイモは死んで、生き返って、人間になって、体の色が薄ムラサキ色になっていたのである。彼としても状況を把握するのが難しいところであっただろう。


これが、予期せぬことの1つめである。



***



〈幼女〉朝顔は恐怖でチビってしまっていたカモノハシを見ると、


「よしよし、お前も怖かったのだな。」とカモノハシの頭を撫でてあげた。〈幼女〉朝顔は暴走トラックに恐怖して彼がチビってしまったと思ったのであろう。


そして、' 朝顔・一時亜空間テンポラリ・ストレジ・ロケイション ' からタオルを一枚取り出しカモノハシに渡し、「これで体を拭きな。」と言った。〈幼女〉朝顔は優しいのである。


しかし、安心したのか、ここで彼は"禁忌"を破ってしまったのである。



' 時 ' を見たカモノハシは、()()()()()()()()()()()()()()


彼らはそのように制御されているはずであったのだが......。



「怖かった。」と彼は言ってしまったのである。野良のカモノハシに過ぎない彼がなぜ ' 制御の壁 ' という人智を超えることができたのであろうか? 分からない。


しかし、彼は ' その時 ' について感想を述べた。そのことによりこの時間軸は ' 恐怖の時間軸 ' となった。それがこの世界のことわりであるからである。


それが、もう1つの予期せぬことであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ