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スケートボードに乗ったカモノハシ

「' カボチャ頭 ' ? 何のことだ?」とその兵士は言った。


「何のことだとはどういう意味だ? 今そこにいたではないか?」


兵士はあきれた顔をして、


「ここには俺とお前達しかいなかったぞ。」と言う。


その兵士には、' カボチャ頭 ' が見えていなかったようである。



「サツマイモ、これはどういうことだ?」〈幼女〉朝顔は〈紫スライム〉サツマイモに聞いてみた。


「兵士さんには ' カボチャ頭 ' が見えていなかったみたいだね。」


「あ、あと俺はサツマイモじゃないから。ユリウス・スラ・ゴドリノって立派な名前があるんだぜ。」


と〈紫スライム〉サツマイモは自慢げに名乗ったが、朝顔は聞いていなかった。



とそこへ、カモノハシが"スケートボード"に乗ってやって来た。


ちなみにその"スケートボード"は ' APGL社 ' 製のものであった。' APGL社 ' はかつてこの星の科学文明が頂点に達していたときの巨大企業である。もう何千年も過去の話しであり、つまりその"スケートボード"は過去の ' 遺物 ' であった。


「ああ、やっと追いついたよ。」


「お前は穴に落ちていたカモノハシだな?」


「お前がつくった穴に落ちたんだ。」


「それを逆恨みして、ここまで追いかけて来たんだな!」


「逆恨みというか、お前が悪いのだと思うのだが。だがしかし、別に恨んじゃいないさ。」とカモノハシは言った。


「それより見てよ、この綺麗な石。」と言って、さきほど川底で見つけたオレンジ色に光る石を見せびらかした。


彼はその石を見せびらかすために、わざわざ追いかけてきたようだ。



しかし、朝顔は石には興味を示さず、


「王様が"オートバイ"をご所望だというのは本当なんだな?」と兵士に聞いた。


「もちろん本当だ。至急、発掘して来いとの仰せだ。」と兵士は言った。


王様が"オートバイ"をご所望か、そんなことがあるものだろうかと〈幼女〉朝顔は訝しんだ。


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