忘れられてた"契約者"
最近、妙に気になり始めてるコトがひとつ。
「愛瑠・・・聞きたいことが有るんだけどさ〜」
愛瑠に聞けば解決出来るはず。うん。
『何でしょう?』
「文香の親友、ゆかりちゃんって【天使】と契約してた筈だよね?」
そう、確かに以前、アモーネもアスタルも彼女は【契約者】だって言ってた。
『え?そうなんですか?』
知らんかったんかい!?
「【天使】も、複数契約は出来ないんだよねぇ?」
『もちろん、そうですよ』
・・・と、言うことは━━
「アモーネ!!もうひとり【天使】が居るんじゃないの!?」
恐らくはこの会話を"聞いている"アモーネにあたしは叫んだ。これってヤバくない・・・?
『すっかり"それ"忘れてたわ・・・( ̄▽ ̄;)』
アモーネが目の前に現れた。
『愛瑠、文香の親友のゆかりんと"契約"してる【天使】って分かんないの?』
愛瑠は暫く考えてたけれど・・・
『今すぐは難しいですね・・・でも、私たちにも"接触"してこないなんて・・・』
【天使】でも気が付かないなんて・・・相当の強者なんだろうか?
『若しかしたら・・・いや、そんな、まさか・・・』
心当たりがある様な、ない様な・・・煮え切らない愛瑠。
「つまり、愛瑠よりも上位の【天使】かも知れないんだね?」
少し間を置いて、ゆっくりと頷く愛瑠。それって、まさか━━
『考えられるのはミカ兄様かウリ兄様・・・ラファも可能性があります』
ミカエル、ウリエル、ラファエル・・・どれもかなりの【大天使】じゃないの━━!?
3人とも押し黙って、考えを巡らせていると━━
あたしの携帯が鳴った。
「ん?文香からだ・・・」
[もしもしもし、お姉ちゃん?]
「文香、どうしたの?」
[あのね・・・ゆかりんが家に遊びに来たいんだって〜]
━━このタイミングで・・・偶然じゃ無いよね・・・
「(アモーネ、どうする?)」
小声でアモーネに相談すると
『(ま、いいんじゃない?相手を知るチャンスだし)』
あっさり答えが返ってきました・・・じゃあ・・・
「イイよ〜ゆかりんに会うのも久しぶりだし、お茶の支度して待ってるからね〜」
電話を切って、ふたりと顔を見合わせる。
「と、言うわけですが━━」
『まあ、いきなりドンパチするじゃ無し、様子を見てからね〜』
アモーネはかなりお気楽に見えたので、あたしもまあ、イイかと思ってしまったのです、はい。
「パルさーん、お茶の支度してー!」
パルさんとマリィさんがお茶の支度を終える頃、玄関ホールの方から声が聞こえてきて・・・
「ひ、広い━━!?」
ゆかりちゃんが目を丸くして立っていた。その手を引くように愛瑠とあたしで迎え入れる。
「いらっしゃい、ゆかりちゃん〜」
そして、小声で愛瑠に聞く。
「(ねえ、誰と"契約"してるか分かる?)」
『(この波動は・・・ミカ兄様のものですね)』
あちゃぁー・・・よりによって【大天使】かぁ・・・近くに居るのかな?
「あ、実は今日はもうひとり居るんです・・・見返さーん!」
ずるっ。もろ、まんまかいっ!?
『図々しく来てしまって済みません。見返と申しま・・・』
長身でメガネが似合うイケメン君が現れて━━
『え、愛瑠・・・!?』
『お久しぶりですね、ミカ兄様』
めっちゃ動揺してるやん、この【大天使】・・・
『キミが居るとは思わなかったよ・・・もしかして、瘉クンも居るのかい?』
『ええ、今呼んで来ますね〜』
愛瑠は瘉を呼びに奥へ行った。恐らく、アモーネ達に報告する為だよね・・・
「あ、こんな所でゴメンなさいね〜こちらへどうぞ」
あたしはみんなを食堂に案内する。
『いらっしゃいませ、お待ち致しておりました』
アスタルが食堂のドアを開けて待っていた。
『ア・・・アスタル・・・?どうしてお前が━━』
いちいち動揺するんだね、この【大天使】は・・・
アスタルは手馴れた様子であたし達を席に座らせ、パルさんにお茶の支度をさせる。
『じきに"兄"も参ります。それ迄どうぞ御くつろぎ下さいませ』
そう言って丁寧に一礼して下がるアスタル━━見事な"牽制"ね。
「見返さん、ここの人達とお知り合いなんですか?」
ゆかりちゃんが不思議そうに聞いているけど・・・?
「もしかして、見返さんも父の"研究所"に居たんですか?」
仕方なく、あたしが助け舟を出してやる。
『ええ、そうなんですよ・・・アスタル君とはライバルだったものでね』
見返さん、上手く乗っかってきたな・・・( ー`дー´)ヤルナ…
「見返さんは今私の家庭教師をしてくれているんですよ〜」
ゆかりちゃんが説明してくれる。
『それでアモーネ君がこちらに居ると伺いまして・・・図々しくも着いてきてしまった訳なんです』
『あらあら、そんなにアタシに会いたかったの〜?』
アモーネがゆらり、と食堂に入ってきた・・・何か、警戒してる様にも見えるんだけど・・・!?
見返さんが立ち上がった。そして、ツカツカと足早にアモーネに歩み寄る━━
『会いたかったよぉー、アモーネぇー!!』
いきなり大胆にアモーネにハグる見返さん・・・
「「「工エェェ(;゜Д゜)ェェエ工!?」」」
あたし達の声が重なった━━このイケメン【大天使】、ソッチだったのぉ・・・!?
気づけばアクセス数が10000を越えてました・・・カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ
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