どさまぎ☆キッス♡で逃げる"僕"
『大変な事になったわよ〜!?』
いきなりアモーネがあたしの部屋に飛び込んで来た。
「どしたのー?ついに学校に男だってバレた〜?」
あたしは、一番起きそうな『大変』を指摘したけど…
『何言ってんのよ!そうじゃなくて、来週合コンに誘われちゃったのよォ〜♡ア・タ・シ』
なーんだ笑…合コンに誘われただけか…って、
「何ですと!?このおネエを合コンにィッ!?」
何て命知らずな奴がいるというのっ!?
『ちょっとぉ〜何よ、その目は!?』
「あ、いや、その…やっぱり、女性枠なのかなって思って…」
思わず微妙な誤魔化し方をしてしまった…
『決まってるじゃない、勿論"女子枠"よォ〜』
「すいません、アスタルさん。お兄ちゃんグーで殴っていいですか?」
姿は無いけど声はする。
『御随意に』
構わないんだ…ならば、遠慮なく━━
『こら!何しようとしてんの!?』
水際で止められました…まあ、そりゃそうだよね。
『そんな事はさて置いて…実はね、相談したい事があるのよ〜』
うん、だからあたしのとこに来たんだよね?
『あのさー、"王様ゲーム"ってどうやるの!?合コンでは定番だって言うじゃない?』
「あー、そうきたのね…」
あの"文化"はまだ現役だったのか…
「簡単に言えば、【酔った勢いでちょっとバカしちゃおうよ】ゲームだねー」
うーん、これは口で説明するよりやってみた方が早いよね?
「アスタル、悪いけどみんなを食堂に呼んでくれるかな?」
『かしこまりました』
そしてアモーネを先に食堂に行かせたあたしは、王様ゲームのアイテムを用意
して食堂に向かった━━
「お姉ちゃん、なに〜?」
文香たちに、経緯を話してあたしはニッ、と笑った。
「だから、王様ゲームを実際にやりましょー」
愛瑠と癒は何やら喜んでるけど、文香は少し気乗りしない感じ…
構わずに、あたしは〔クジ〕を手に皆に引かせる。
「王様だぁ〜れだ?」
『あら、アタシが王様だわァ〜♡』
いきなり本命かい…
『それで?王様はどうすればいいの〜?』
ワクテカなアモーネに説明してあげよう、うん。
「王様以外の人は1〜4の数字が書かれたクジを持ってるの。王様は、その中からふたつの番号を選んでそのふたりに好きな事をさせる事ができるのよ」
アモーネがニヤリと笑う…悪魔みたいに。
『アタシ、【悪魔】だもん』
そりゃそうだよね、うむ。
『誰が何番かは分からないのね?』
「そう。だからくだらない事やちょっとエッチな事をさせたりもするわね」
アモーネがちょっと考えて、大きく口を歪めて笑った…
『2番と3番のふたりにちゅーして貰おうかしら〜♡』
ま、ありがちなやつだけどね…
「お約束ね、アモーネ」
文香がそう言いながらクジを見せる━━3番。
無言であたしがクジを見せる━━2番…
「きゃっ、お姉ちゃんとかぁ〜♡」
文香がはしゃぐ。あたしは"ある事"に気づいてアモーネの方を見た。
にやり。アモーネ、あんたわざとやったわね…
よし、どうせなら乗っかってやろうじゃないの!
「仕方ないなぁ…文香、お・い・で♡」
あたしは文香をぐいっと引き寄せた。文香は顔を真っ赤にして
「あ…お姉ちゃん…♡」
なんて可愛い…じゅるっ。
そして、あたしは半ば構わず固まっている文香に顔を近づけて━━
ちゅっ♡
迷わずあたしは文香の唇に自分の唇を重ねた。
「きゃっ!?お姉ちゃん━━!?」
そして、あたしはダッシュで食堂を飛び出した。
一気に自室まで駆け抜けて、すぐに用意しておいた"男物服"に着替えると、一目散に玄関ホールの謎扉から外に逃げ出した。
走りながら、徐々に変化してゆく身体━━
あたしは、久しぶりの"僕"に戻って迷うことなく"聖地"を目指してひた走って行きました、うん。
「あのクソアニキがああああああああぁぁぁッ!」
という文香の殺意に満ち満ちた声を知る由もなく━━
仕事が多忙の為に不定期の更新になってしまってますが、頭の中には原稿がうまれております事をお知らせ致します。┏○ペコッ




