チコさん…惚れてまうやろぉー!
未だに残る謎…チコさん。赤毛のショートカットが似合う、ちっぱいでキュートなメイドさん。でも、まだ話したことが無くて…文香達さえ声を聞いたことが無いって云う━━
『え…チコ?あのコは料理が得意だって事くらいしかわかんないわね〜』
アモーネも知らないのか…
「よし、直接チコさんと話してみよう!」
あたしはチコさんに会いに食堂の隣にある調理場に向かった。
「チコさん、いる〜?」
中に声をかけても、返事が無い。
中を覗き込むと、誰もいない…
『チコならお買い物に出てますよ』
パルさんが声をかけてくれた。
「そっか〜、お買い物なんかもしてるんだね〜」
そりゃそうか。作る前には材料を仕入れないとね…
『多分、もうすぐ戻りますから、お夕食のリクエストなら私からお伝えしておきますよ。』
それだと、あたしの[チコさんとお喋りしてみよう!大作戦]が成立しないからなぁ…
「ううん、いいや。後でもう一度来てみるね」
『そうですか。戻ったらお伝えしますね』
「うん、ありがと」
さて、それじゃ部屋に戻って待つとしますか…
部屋に戻ろうとすると。
『あらあら、おやつの催促ですか?食いしん坊さんですね』
めちゃめちゃ色っぽい声がして…
「ふぇっ!?」
振り返ると、いつの間にかチコさんが立っていた。
『どうしたの?狐につままれたような顔をしちゃって…』
クスクスと笑うチコさん…あの、声と顔が一致しないんですけど…?
『そう言えばお話するのは初めてだったかしらね?…ああ、そうですか。』
チコさんはぽんと手を打って、
『実は、私って、使役魔の中でいちばんのお姉さんなんですよ?そうね…パルよりも1024くらい歳上なのよ?』
!?工エエェ(゜〇゜ ;)ェエエ工!?
「何かそう見えない…って言ったら怒られちゃうかな?」
『いえ、それは私が若く見えるって事ですものね…嬉しいわ』
何か、もの凄く大人で、知的で、なのに…
「正直、イメージと違ったよ…でも、最高にいい意味で裏切られた感じ」
『それなら良かったわね…ふふふっ』
━━ああ、なんかもう惚れちゃいそう〜
『あ、それで、ご用事は何かしら?』
「あ、えっとね…明日とかでいいから、お茶の時間にヴィクトリア・サンドイッチ・ケーキが食べたいかなぁ…なんて」
とりあえず、用事を聞かれた時の答えを用意しておいて良かった…
『お易い御用ですよ。明日にもお出ししますね。』
「ありがと、お願いね」
とりあえず戻ることにしようかな…あたしは部屋に戻った。
『ふふっ…人間とお話するなんて、何百年ぶりかしら…』
『チコ…笑っているの!?』
パルさんの驚いたような声が背中に微かに届いた…様な気がした。
僕の中では、メイドさんの声はパル:沢城みゆきさん、マリィ:明坂聡美さん、チコ:折笠愛さんなのです。( *˙ω˙*)و グッ!




