花見って、一人で楽しむのがイイのよね〜
そして始まった"共同生活"━━
━━いつも通りの時間。
━━いつも通りのアラーム。
━━いつも通りに伸びをして。
━━いつも通りに潜り込んできてる瘉と文香を起こす。
「何であんたたちが一緒に寝てんのよ!?」
そして、寝ぼけまなこの瘉と文香を引きずって朝食に向かう━━
そんな【悪魔】と【天使】と【ガチ百合妹】の入り交じった生活が始まって数日が経過したある日の事。
『ねえ、マコちゃん?』
アモーネたちはあたしを"マコ"と呼ぶようになっていた。
『お花見ってば、どんなイベントだったっけ?』
「アモーネ、ここ暫くお花見した事ないの?」
アモーネは頷いて、
『最近、ここ200年位"契約"してなかったからねぇ〜』
どうやら、お花見ってものをすっかり忘れてるみたいね…
「しよっか、お花見」
『いいわね〜んで、どんな事すればイイの〜?』
「先ずは、何処に行くかだよね〜桜が無いとお花見にならないし」
『桜なら庭の隅っこに10本位あるじゃない』
!?工エエェ(゜〇゜ ;)ェエエ工!?そうだっけ?
「じゃあ、すぐに用意出来そうだね…アスタル、用意のお願いできるー?」
━━〔お任せ下さい。すぐにご用意致します〕
そして、30分後━━
「ちょっと違うんだけど、まあ、いいか〜」
桜の木の下に設置されたテーブルに用意されたアフタヌーンティー。文香や愛瑠、瘉も呼んで、何か妙に優雅な"お花見"となったのでした…
『これが"お花見"なんですね〜』
いつも通りにアモーネの腕に抱きつきながらショートブレッドを食べる愛瑠。あたしの腕を両側から押さえ込むようにしてじゃれついてくる瘉と文香。
少し後ろに悠然と構えるアスタルと使役魔たち。
『こういうのもたまにはいいものねぇ~だけど、アタシは"アレ"が欲しいわね……』
そう呟くアモーネの手元にワインの瓶とグラスがすべりこんでくる。
『流石ね、アスタル』
『兄上の考えは分かりますよ』
『だ・か・ら……お姉ちゃんって呼んでぇ〜!』
あたし達は声を揃えて答えた。
「それは無理」
『アンタ達…覚えてらっしゃい…』
アモーネはぐいぐいとワインを呑み始めた━━凄い勢いで。
「ちょっと、ちゃんとお花見もしてよね〜」
あたしは桜を見上げて、少し冷めた紅茶を口に含む。
「うん、これはこれで悪くないね…」
いつの間にか、文香が瘉ににじり寄ってる…まあ、確かに文香は"ガチ"だから、瘉みたいな娘はやっぱりタゲるもんだよね〜
『ちょ、ちょっと…文香…さん?』
文香の目の色が変わってるのに気づいて焦る瘉ちゃん…確かに可愛いわぁ。
「文香、程々にしてあげなさいよ〜」
後は気にせず、桜を愛でよう、うん。
横では酔ったアモーネが愛瑠さんを半脱ぎ状態にしてるし、文香が瘉ちゃんをさわり倒してる━━のを視界に入れないようにしながら、あたしは桜の花びらが入った紅茶を堪能する事にした。
「うん、お花見、イイねぇ…」
たまにはこんな昼下がりもいいものね━━
『マコちゃん助けてぇー!おねぇ様がぁ〜!?』
『うふふ、脱いだらやっぱり美少年なのよねぇ♡』
「ふふふっ、瘉ちゃん、ふにふにぃ〜♡」
『マコおねぇ様ぁ、助けてぇ…』
━━なにも、聞こえません。
「あ、アスタル…悪いんだけど、アールグレイのアイスティー貰える?」
『かしこまりました。少々お待ちを…』
アスタルも見て目ぬ振りを決めたみたいね…ま、それがいいよね。
4人に背を向けて、あたしはのんびりと過ごしてました、うん。
鼻水と涙が画面を曇らせます…誤字脱字などお気づきの際は、花粉症のせいと笑って流してくださいませ┏○ペコッ




