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緊張会議━━その2

「思ったよりもえげつない事してるのね、【天使】って…」

文香のやや冷たい口調に、愛瑠さんはうつむき加減で、

「いつもそんな事する訳じゃ無いんです。ただ、まれに物凄い魔力(ちから)になってしまいそうな【堕天】さんがいると、やむなく"上からの指示"が…」

そう、どことなく悔しそうな声で返した。

恐らく、愛瑠さん達は【堕天(あいて)】を説得して自分たちの方に引き入れようとしているのだろうけれど、"上のほう"が待ちきれなかったりするのだろう…ふと、そんな風に思えた。

『更に、それだけじゃ無いのよ。このコ達の"上"にいる【(やつ)】ってば』

アモーネがぼそっと洩らした言葉━━

【神様】のするもっと"えげつない事"━━まさか。

「ねえ、愛瑠さん…もしかしてだけど、さ…」

これを聞くのは正直、怖かった。でも、あたしの考えが間違ってなかったら…

「【神様】って、一柱じゃないんだよね?」

『ええ、私たちの"上"はもちろん一柱だけですけど、他の国々や、別次元にも【神様】はおわしますよ。』

やはり、ね…

「それでさ、時々【神様】が集まって宴会というか、そういうのって有る?」

どうやら、あたしの聞きたい事が理解出来たみたいで、愛瑠さんは小さく頷いて、

『そうね、そして、そんな場には多くの"魂"を必要とします。』

つまり、宴会のご馳走だよね?

「そんな時は、まとまった数の魂を得るために、所謂━━」

『はい、大きな自然災害とか戦争を起こされますね…』

そう、大勢の人が死ぬのは、全て"神の思し召し"という事。

「そして、そういった仕事を行うのがこれから来る【天使(ひと)】なんだよね?」

『必要である、と"上"が判断したらそうするということですね…でも、普段は全く違うんですよ?』

愛瑠さんは両手を振って否定した。

『普段はとてもいいコです。多少、個性は強めですけどね…』

まさか、また『そっち』系なのかな?(;-ω-)ウーン

「それで?どうしてその【天使()】が来ると戦争になるの?」

文香が、あたしの聞きたかった次の事を聞いてくれた。

『もしも、既に"上からの指示"を受けていれば…』

「あたしと文香の魂を抜き取ろうとする、そしてアモーネ達がそれを止める。そこから【天界(うえ)】と【魔界(した)】の戦争になるわけね」

愛瑠さんが頷いた。

『でも、今のうちならまだ手は打てるはずです…』

『そうね、まずはサハっちの様子を見る必要があるわね、文香、十二分に気をつけて』

文香が不安気に頷く。

『文香様は私がお護りいたしますので』

アスタルの目が一瞬だけ紅く光る。とりあえずは任せておけば大丈夫みたいだし、あとは様子見という事で━━となった。

何とか『戦争』だけは回避しないと…





花粉症が筆を止めています…

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