緊急会議━━その1
まさかの【天使】な『オトコの娘』、愛瑠さん(?)が現れてから数日が経ち…
『おネエ様ぁー!』
アモーネを追いかける愛瑠、早足で逃げるアモーネの姿は、既に見慣れたものになってきた…
(でも、ホントに可愛いんだけどなぁ…)
ちなみに、あたし達を除いては誰も愛瑠さんが『オトコの娘』だとは知らない。
そして、遂にアモーネに追いつき、その腕にしがみついてる愛瑠さんがぼそっと口走った…
『そう言えば…"あの子"が来るって聞いたんだけど…』
あの子?まだ【天使】が来るって事ですか?
アモーネが愛瑠さんの方を向く。
『まさか…"サハっち"が来るっての?』
愛瑠さんがやや緊張した顔をして頷く。
「何?アモーネの知ってる【天使】なの?」
アモーネがうんざりしたような顔で…
『まあ、ね…あの子も中々めんどくさい【天使】なのよね…』
あたしから見れば、アモーネも十二分にめんどくさいけどね…いや、あたしも、か…
「その【天使】も"オトコの娘"なの?」
アモーネはあたしの方を見て、首をゆっくりと横に振った。
『普通の女の子よ?でもね……無駄に真面目、なのよね…』
真面目な【天使】か…って、それ本来の姿じゃないの?
━━〔それが、中々厄介なのでございます〕
いきなりアスタルの声が頭の中に響く。
(アスタル…びっくりするじゃないの!?)
━━〔申し訳ございません。ですが、この件は重要かと思われましたのでご無礼を致しました…〕
(そんなにヤバい【天使】なの?)
━━〔……事によると、【悪魔】と【天使】との戦争に発展するかもしれません。〕
(それってかなりマズイんじゃない?)
そんな事になったら…
「で?その子はいつ来るの?」
愛瑠さんは困った顔で、
『実は私も分からないんですよ、あの子がいつ来るか、なんて…』
━━〔実は…既に学校に現れております〕
「は?」
『ウソ…でしょ!?』
『サハっち、来ちゃってるのぉ!?』
━━〔はい。明日から文香様のクラスに編入する事が通達されております〕
アモーネの顔色が変わる━━
『ちょっと、これから緊急会議するわよ!仕方ないからアンタも来なさい』
そう言いながら愛瑠さんを引っ張って行くアモーネ。
「ちょ、午後の授業どーすんのよ!?」
『アタシから家庭の事情って言っておくわ。アスタル、妹ちゃんも直ぐに家に呼んでちょうだい』
━━〔承知しました、兄上〕
それから数分後━━
『まずは、愛瑠からこのコ達に説明してあげて…【天使】が【堕天】をどうするのかを』
「【堕天】?何それ?」
文香の疑問、それあたしも分かんない…
愛瑠さんが説明してくれる。
『まずは、【堕天】についてですが、天界から堕とされた【天使】が【悪魔】になった訳ですが、その者達、及びそれらと"契約"した人間も含めて【堕天】と呼んでいます。』
ふむふむ。それで?
『本来であれば、人間の魂は天界の神様のもとへ往くのですが、"契約"した者はその魂を【悪魔】に回収されます。それを防ぐ為に私たち【天使】が【堕天】した人間に働きかけてその魂を渡さないようにする役目を任されています。』
つまり、魂の取り合いをしてるわけか…
『場合によっては、契約が完了する前にその魂を抜き取る、なんて事も稀にある様ですね』
それって、つまり……
『はい、殺してしまうということですね…』
説明台詞が多めですが、会議ってそんなモンですよね笑むしろ説明会ちゃう?みたいな…(ノ∀`)タハー




