小悪魔によって悪魔に売られたいつも通りの朝
いつもと同じ時間。
いつもと同じ携帯のアラーム。
いつもと同じ目覚め。
いつも通りに部屋を出て。
いつも通りに洗面所に入って。
いつも通りに鏡を見て…
「誰だお前はあァァァァっ!?」
そこには、見知らぬ顔の美少女が写っていた...
「うっさい、クソ兄…」
可愛いと言うよりも、可愛すぎるのに僕には冷たい妹、文香…
洗面所に入るなり、顔色を変えてその場にへたり込む。
「ウソ…あれ、マジだったの━━?」
━━もしもし?文香さん…?
どうやら、この『異常事態』に、この妹は心当たりがあるらしい━━
「いや、だって…誰だって夢だって思うじゃない…」
全くもって理解できない『僕』に、文香の話は信じられないモノだった…
昨日見たという夢。
目の前に、やたらとイケメンな執事然とした男が現れて文香に向かって優雅に一礼した後、こう言ったという━━
《文香様、でございますね?》
ただ、黙って頷く文香。
《申し遅れました…私は『悪魔』と呼ばれている存在にございます。━━┏○ペコッ》
驚きのあまり、固まっている文香。
《本日、文香様の下に参りましたのには理由がございまして…》
『なに?一体何なの!?コイツはッ!?』
《文香様の魂は、我々悪魔にとりまして、格別な存在である事が判明致しまして…》
『はぁ!?』
《つきましては、如何でしょう、文香様のお願いを如何なることでもひとつ叶えさせて頂きます。その代わりに、亡くなられた後の魂をお譲り頂きたいのです》
『無理。』
《へっ!?》
『そんな事出来るわけ無いじゃない!』
《御安心下さいませ、頂きました魂を無碍には致しませんのでどうか御安心を…》
『却下よ、却下!!』
《ですが…仮に、ですよ?》
『何よ?』
《もしも…お兄さまが、貴女の望まれる"お姉さま"になる、などという事が起きたら如何でしょうか?》
『……もう一度話を良く聞かせて。』
━━━ちょっと待てェェい!!
「何故そこで豹変する!?」
黙り込む文香…そして、小さな声でボソッと呟いたのは…
「だって…お姉ちゃんが欲しかったんだもん……」
いや、キミもう16歳だよね!?兄妹ふたりで、お姉さん居ないの分かってるよね!?
「クソ兄だって、周りから言わせれば結構イケてるのは分かってるの!!」
━━それは初耳ですけど?
「とにかく!私はアニキよりもお姉ちゃんが欲しかったの!!」
開き直る妹は、目尻に涙を浮かべて━━可愛すぎる程に可愛いかった…けど…
「そんな下らん理由で人の性別変えんぢゃねぇぇぇえッ!!!!!!」
今気づいたけど…声まで変わってるし。
「でも、お姉ちゃんだったら私...」
そしてギュッとハグってくる妹。僕の意外と大きい胸に顔を埋めて…
「ゴメンね…」
『僕』は、許してもいいと思う。でも...
「いきなり女になりました…って、どうすりゃいいんだろ…」
いつもと同じ筈の朝が…いつも通りな筈の朝が…
「誰か異常事態何とかしてえぇぇぇ!」
そう、『僕』の妹は、悪魔に自分の魂と『僕』の人生を売り渡してしまいました……(ノ∀`)タハー
「いや、(ノ∀`)タハーじゃねぇから!」
シスコンチートの兄の話を書いてる最中に突然思いついた話です( ゜∀゜)・∵ブハッ!!
余りにも突然な思いつきだけで書いたので、続きが全く見当つきません(ノ∀`)タハー
感想や催促のコメ頂けると尻尾を振って喜んで続きを書くと思います。
(なんでそうなるねん!)とかツッコミながら端末を地面に叩きつけながら読める作品を目標に頑張ります┏○ペコッ