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パーティー名決定会議

 フレデリックの件で色々振り回された結果、アイラとクレハの二人が仲間になった。

 そこで明日二人をパーティーメンバーとして登録しようと思うのだが、パーティーメンバーが4人以上になるとパーティー名が必要になる。

 正直昼間にクリスティーナに会わなければ思い出せなかっただろう。


「二人を仲間にするのにその後のこと考えってなかったってわけね」


 そう、二人を助けることに集中しすぎてパーティー名を考えていなかったのだ。

 忘れていたわけではない。断じてないのだ。


「ま、まあ、せっかくだし皆で決めようか」


 直ぐにいい案が思いつかない為、皆で考える。決して考えるのがめんどうなわけではない。


「ケイさんはアイラさんとクレハさんを助けるのを頑張ったんですから。名前を出すくらいわたし達にもやらせてください」

「私達待っていただけだもんね。いいわ、パーティー名くらいさっと出しちゃいましょう」

「私も考えていいんですかー?がんばりますー」

「…ねむい」


 どうやら皆手伝ってくれるようだ。



「それにしてもいい名前思い浮かばないわね」


 パーティー名を考え始めてから1時間程経った頃、ユイがため息とともにつぶやいた。


「案外難しいものですね…」

「そういえば私はこのパーティーにまだ入ってもいないから特に思いつかないんですよねー」

「んにゃ…」


 色々と案は出たものの、これという案は思い浮かばない。

 あ、クレハ寝るならベッドで寝てね。


「ん…おやす…」


 どうやらベッドにたどり着いた途端に力尽きたようだ。


「クレハじゃないけど眠いわね…。もう適当でいいから決めちゃわない?」


 ふぁぁ、と欠伸をしながらユイが投げやりな発言をする。


「だめだよユイちゃん。ちゃんと決めなきゃ!」

「うーん…。でも今まで候補に出たやつでいいのなにかあった?」


 この一時間で挙がった候補の一例は、


・完全なる冒険者パーフェクトアドベンチャー

・タカギファミリー

・竜王のお友達

・肉の探求者


 誰がどれとは言うまい。

 アイラよ、思い浮かばないからとはいえ竜王はアウトだよ。


「やっぱりケイさんが出してくれた『クリエイター』か『クリエジネ』がいいんですかね」

「うーん・・・。なんかしっくりこないんだよねー」


 候補として俺が上げたのは微妙に納得いかないものだった。


「ケイ様のいた世界の言葉でいいものはありませんか?」

「そう簡単に出てくれば苦労しないんだけどね」


 残念ながら俺は右目が疼いたり、右腕に何かが封印されていたことはないからぱっといい案が生まれることはない。


「そういえば、他のパーティーはどんな名前なんだ?」


 ここまで話し合ったが一度も他のパーティーについて確認はしていなかった。


「わたしが知っている中で一番有名なのは『黄金の探求者』ですね。ダンジョン専門のSランクパーティーです」


 フォーリン共和国に存在するダンジョン攻略をメインとした冒険者パーティーらしい。

 パーティーメンバー全員がAランク以上の冒険者で組まれているとのこと。


「私がしっているのは『白百合団』ね。といっても、私が奴隷商に売られたときに護衛してくれただけだから、Aランク位パーティーってこと以外は詳しくはしらないわ」


 ユイが奴隷商に売られ、運搬されている際に護衛依頼を受けたパーティーが白百合団らしい。

 ユイ曰く、パーティー全員が女性のみで構成されているとのこと。

 

 アイラは奴隷商に売られるまでエルフの里の中で暮らしていたため、冒険者やパーティーについては知らないようだ。


 名は体を表すというが、フィーアとユイから教えてもらったパーティーは聞いただけである程度どのようなパーティーなのか分かる。


「ご主人様のいた世界でなにか良い言葉はないの?」


 何かいい言葉と言われても、このパーティーで特色を出すならやはり俺の特技生成スキルクリエイトだが、大々的に宣伝するものでもない。

 元の世界とこの世界の言葉は基本的に同じ言葉で表すことができる。そのため、クリエイターと名付けると生成者と直訳できてしまうのだ。

 生成者、と言われてスキルを作るとは思い当たらないだろうが、鍛冶職人や被覆、最悪農業者として捉えられてもおかしくないだろう。せめて土魔術で覚えるゴーレムクリエイトと勘違いしてもらえればいいのだが・・・。


「マスターなら何でもできるかもしれないですけど、パーティーメンバーもそう見られそうですねー。私まだゴーレムクリエイトも使えないんですよー」


 生成者について思っていたことを3人に伝えるとアイラが苦笑いをしながら答えた。


「ケイ様のいた世界とわたし達の世界が同じような言葉でしたら、難しいかもしれないですね」


 フィーアも肩を落とす。


 違う世界だからできることか…。

 例えば、神は俺のいた世界とこの世界では変わっている。転生を司る女神ヴィナスなんて俺がいた世界には存在しなかった。

 確かに、似た名前にヴィーナスがいるが、こちらは美の女神であり、転生とは関係ないだろう。

 それなら何かいいアイディアが浮かぶかもしれない。


 俺のスキルは魔力からスキルを作る。つまり生成であり創生だ。

 創生者を英語にするととある単語となる。これは旧約聖書の創世記を表すため、この世界にはない言葉ではなかろうか。


「俺のいた世界で『ジェネシス』て言葉がある。簡単に言ってしまえばこれも生成って意味なんだ」


 闇の力を開放することはなかったが、俺にもそんな時期はあった。その頃の知識が少し役に立っただろうか。

 そういえば、引き出しの底にあるノート親に見られてないよな。


「ジェネシスですか。確かにこの世界にはない言葉かもしれないです。」

「そうね。私はいいと思うわ」

「私もそう思いますー」


 どうやら皆賛成のようだ。


「ところでアイラ、本音は?」

「私も眠いですー」


 眠そうだったからね。知ってた。

 パーティー名はジェネシスで決定みたいだし、明日登録しようか。

更新が遅くなってすいません!

この後メインキャラクター紹介を投稿予定です。


若干中途半端ですが2章はこれにて終了となります。

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