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服を求めてエコーリアへ

 宿に着くと追加人数分の料金を支払う。今日は既に満室らしく、既に取っている部屋を5人で使うことになりそうだ。

 幸い、ベッドは2つあるので無理をすれば全員ベッドに収まって寝れそうだ。


 部屋に入って最初に目に入ったのは床に倒れるユイとそれを見て慌てているフィーアだった。

 この状況は一体・・・。


「ユイ!フィーア、これは一体…。もしかして敵襲か?」


 ユイをベッドに移動させながらフィーアに尋ねる。


「えっとですね。魔法を使いすぎたみたいで…」


 どうやらただの魔力切れで意識を失っていたようだ。

 確かに、部屋は荒れている様子はないな。


「注意したんですけど、加減がわからなかったみたいですね」


 どうやらギリギリまで魔力を使おうとして失敗したようだ。


「魔力切れで倒れるくらいなら良いよ。二人に大事がなくてよかった」


 そう言いながら個人魔法(オリジナルスペル)を使ってユイに魔力を少しだけ与える。

 個人魔法(オリジナルスペル)さん本当に便利。


《・・・》


 ナイ先生も便利なスキルですよ。安心してください。


「んにゅう…。ふぁ~。あら、ご主人様おかえりなさい」


 気の抜ける声を出しながらユイが目を覚ました。


「ユイ、無理はしちゃダメだろ」

「ごめんなさい。でも、もうちょっとって感じなのよね…」


 スキルのレベルアップにもうちょっととかあるのか?

 そんな事を少し考えたが、気にしないようにしておこう。


「それにしても、さすがご主人様よね。他人に魔力を渡せるなんて」

「そうですね。もしかしてケイさんに魔力を共有してもらえば魔術系スキルの成長効率が上がるんじゃ」

「流石にそれは俺もつかれるから勘弁してくれ」


 俺の魔力も使いすぎるとなにか会った時に困るからね。


「そういえば、ケイさん。この方たちは?」


 フィーアが俺の後ろにいるアイラとクレハを見ながら尋ねてきた。


「ああ、こっちのエルフがアイラ、獣人の方がクレハって言うんだ。パーティーメンバーにしようと考えているからこれからよろしく頼むよ」


 すごく簡単であるが、フィーアとユイに紹介する。


「わたしはフィーアといいます。アイラさん、クレハさんよろしくお願いします」

「私はユイよ。よろしくね」


 フィーアもユイも新人二人を受け入れてくれたようだ。


「それにしても、エルフに獣人ね。何があったかわからないけど、色々巻き込まれたみたいね」

「その件はある程度片付いたから多分大丈夫だと思う」

「そう、ならいいわ。それにしても、アイラでいいのよね。エルフにしては胸が大きくないかしら」


 女性のエルフはアイラしか会ったこと無いが、普通エルフはもう少し胸が小さいのか。男のエルフもハインツしか会ったこと無いけどさ。


「そうなんですよー。おかげで弓を打つ時に邪魔なんですよねー」

「何故かしら、凄く負けた気持ちになるわ」

「ユイちゃん。わたし達もまだ大丈夫よ」


 フィーアとユイも胸が無いわけではない。ちょっと小さいだけだ。


「それで、ご主人様。二人の服装はご主人様の趣味かしら?それなら私も脱ぐのだけれども」


 ゴスロリドレスのスカートに手を当てながらユイが聞いてきた。


「いや、前に会った時に服を着ていなかったから俺の服を貸していたんだよ」

「あら、そうだったの残念」


 何が残念なんでしょうかね。


「それで、明日にでも二人の服を買いに行こうと思うだけど…」

「それなら今日買いに行っても良いんじゃない?まだ完全に日も落ちてないんだし」


 確かに、今の空は茜色をしている。


「そうですね。転移魔法でクリスティーナさんの所に行くのも良いかもしれません」


 服屋はクリスティーナの店しか知らないからな。


「それなら先に服を買ってしまおうか。二人共それでいいかい?」

「大丈夫ですよー。私は今の格好でも何とかなりますけど、クレハちゃんは流石に外出歩けないですよねー」


 確かに、Tシャツ1枚の少女というのはアウトだろう。一応尻尾で隠しているみたいだけど。何を?ご想像におまかせします。


「お腹空いた」

「クレハ先に服を買うから、もうちょっとだけ我慢してくれ」

「ん」


 どうやらクレハ的には羞恥心より食欲が勝るようだ。


「それじゃあ一旦エコーリアまで行こうか。転移先は街のすぐ外でいいよね」


 帰ってくるのはこの部屋でいいから、帰りの心配はしなくてもいいだろう。




 転移魔法でエコーリアまで着くと真っ直ぐにクリスティーナの店へと向かう。

 道中すれ違う人たちに変な目で見られた気がするが気のせいだ。絶対。


「あら、いらっしゃい」


 店に入るとクリスティーナが声をかけてくれた。


「また新しい子かしら?」

「今日はこの二人の服を見繕ってほしくてね」


 そう言いながらアイラとクレハを指す。


「あら、この子達の服は貴方の趣味じゃないの?」

「違うから。俺の趣味じゃないから」


 男物のTシャツ1枚には惹かれるが、断じて違う。


「あらそうだったの。それじゃあ、二人共こっちへいらっしゃい」

「わたしもお手伝いしますね」

「楽しそうね。私も行くわ」


 フィーアとユイもクリスティーナに着いて行った。



 一人待たされると、新しい服を身につけた二人が現れた。


「どうですかー?」


 アイラの服は緑色のシャツとショートパンツだった。出るところが出た上半身とショートパンツからでる足が…。いやなんでもない。


「着替えた。ご飯いく?」


 クレハは赤いミニ丈の着物を着ていた。この世界着物あるのか。


「二人共似合っているよ」


 月並みな言葉だが、仕方あるまい。


「またよろしく頼むわね。そういえば、あの子達もパーティーに入れるのかしら?」

「その予定だけど、それが?」

「パーティー名なんて考えているのかしら?」


 そういえば、パーティーメンバーが4人以上になるとパーティー名を登録しないといけないんだっけ。

 全く考えていなかった。今日寝る前にでも皆と話してパーティー名を決めようかな。


「まだ決めてなかったよ。後で皆と話し合って決めようと思う」

「パーティー名が決まったらそのうち教えて頂戴ね。あなた達のパーティーが有名になれば有名パーティー御用達って宣伝できるから」


 確かに御用達だ。ここは以外と何でも揃っているから便利なんだよなあ・・・。


「いつになるかわからないけど、次来たときにでも報告させてもらうよ」

「そうしてもらえると助かるわ」


 次に来るのはいつになるのか分からないが。色々お世話になっているから来た時に報告しよう。


 クリスティーナの店を後にした俺達は夕食を取る店を探していた。


「クレハは何が食べたい?」

「んっと、肉?」


 獣人の多くは肉が好きなようだ。狐の獣人であるクレハもその類に漏れず肉が好物なようだ。


「肉か、確かこの辺に肉料理を売り出している店があったと思うけど」


 以前フィーアの装備を購入するために武具屋へ向かった時の道にそんな店があったと記憶している。

 そういえば、アイラとクレハの装備の購入も検討しないと行けないが、今は夕食が最優先かな。


 店について、思う存分飲み食いしたら全員満足したようだ。


「お腹いっぱい」


 うん、クレハはこの小さい体になんでそんなに入るのかな。


何とか出かける前に書き上げられました。

明日も投稿できるようにがんばります。

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