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VSクロード2

 物理魔法(フィジカルマジック)、その名の通り魔法攻撃を物理攻撃として変換する魔法だ。

 この世界の魔法で生成された物は魔力で構成されている。例えば、魔法で岩を作った場合、作られた岩はただの魔力の塊であり、時間と共に消失する。しかし、物理魔法で岩を作った場合、その岩は魔力の塊ではなくなり、ただの岩となる。

 つまり、魔力から物質を生成する能力が物理魔法の本質である。


「どうにか出来るなら何でもいいさ。勿論、今回の戦闘の詳細は外部には漏らさないよ。冒険者の手札を探ることはしないから安心してくれ」

「そう言ってもらえると助かりますよ。俺達のパーティー秘密多いんで」


 特に俺だけど。


「それじゃあ、クロードもこちらに気がついたようなので行ってきますね」


 クロードはこちらを見つけたようだが、一気に間合いを詰めるようなことはせず、少しずつ近づいている。

 恐らく、こちらの魔法が効かないと確信しているためだろう。


「まあ、舐めてもらったら困るんだけどね」


 そう呟きながら物理魔法を起動し、風の塊を生成する。


「これでもくらえ!」


 なんとなく先程より強めにしてエア・キャノンを発動する。

 魔法から物理に変換された風の塊がクロードの腹部に当たり、衝撃を撒き散らした。


 風の塊をまともに受けたクロードは庭の中心付近に居たが、そのまま俺達とは反対の壁にぶつかった。


「やりましたか?」


 おいハインツそれはやめろ。


 ハインツが建てたフラグ通りクロードが起き上がる。

 魔法が当たる瞬間に後ろに飛んで威力を少し弱めたようだ。


「どうしてクロードに魔法が効いたんだ!」


 俺達が飛び出した穴からこちらの様子を伺っていたのか、フレデリックの叫び声が聞こえた。

 どうやらクロードに魔法が効いたことに驚いていたようだ。一応魔法じゃないからね。


「クロード、そろそろ終わらせろ。それともお前だけでは無理か?」


 フレデリックの援軍を示唆する言葉にクロードは首を振って答えた。


「それなら早く片付けてしまえ!」


 フレデリックに発破をかけられたクロードが収納から何かを取り出した。

 取り出されたのは野球ボールサイズの玉のようだ。それを確認したクロードはこちらに投げてきた。


 何を投げられたか分からないが、大人しく当たるのも馬鹿らしい。

 投擲された玉に風の刃をぶつける。


「っ!?」


 風の刃が玉とぶつかった瞬間に俺の視界を激しい光が奪い去った。

 どうやらフラッシュバンの様に強い閃光を発する道具だったらしい。フラッシュバンと違い、閃光のみであったのは幸いであろうか。


《ケイ様、正面よりクロードが来ます。ご注意ください》


 クロードは俺の視界が奪われている間に距離を詰めてきているようだ。距離が少しあるとはいえ、なにか影響があるのかと考えたが、自身が持つ状態異常耐性スキルのおかげで自分への影響は無いようだ。

 一時的とはいえ視力を奪われてしまっては如何に魔法が使えるとはいえ簡単には対応ができない。クロードはそう考えていたのだろう。


 まあ、俺には関係ないんだけどね。

 ナイの警告を受けて直ぐに個人魔法(オリジナルスペル)で視力を回復させると、今度は確実に動きを止めるためにクロードの両足に向かってエア・キャノンを発動する。勿論、通常の威力だとどうなるのか分からない為、半分くらいの威力にしておく。


 物理魔法がクロードの足に直撃すると何とも言えない鈍い音が響き、クロードがその場に倒れ込んだ。足の骨が折れたようだ。

 両足の骨が折れても両手が残っているため追加で両腕の骨も折っておく。状態異常耐性があるからね。仕方ないね。

 ここまで冷徹に相手の骨を折る事ができるのも女神がくれた耐性なのかな。と、考えているとハインツに声をかけられた。


「なんとか終わったようだね。助かったよ」


 魔法が効か無いために手の出しようが無かったからね。


「最悪、この家を破壊して生き埋めにするしか無いかなって考えていたからさ」


 どうやら手はあったみたいだ。


「流石にそれをされるとこっちまで巻き込まれるので何とかなってよかったですよ」

「そうだね。僕もこの家を破壊すると色々と面倒なことになるから回避できてよかったよ」


 お互いにそう言いながら苦笑する。



 気がつくとハインツがその場で固まって動かなくなってしまっている。

 新しい敵かと思い、ナイに周囲のことを聞くが反応がない。一体何が起こっているのかわからず困惑していると声をかけられた。


「お久しぶりです高木京様。一時的にこの世界の時間を止めています。勿論、後でちゃんと動かすので安心してください」

「自称女神がどうしたんだ?こんなところに顔を出して」


 転生する際に顔を合わせた女神が俺の目の前に現れた。


「だから!自称じゃないです!実際に転生させてあげたじゃないですか」

「あんたに殺されてな」

「うぐっ。そ、それは事故ですからね。仕方ないですよねー…」


 この人殺し女神はあくまで事故で通すらしい。

 人でなし、いや女神でなし!


「一応転生させてもらえてるから良いんだけどさ。所で急に出てきて一体何の用だ」

「そうでした。用があったからここにきたんでした」


 この女神、本当に大丈夫なのか?


「大丈夫ですよ。安心してください」


 危険な香りしかしないセリフです。どうもありがとうございます。


「さて、要件ですが。この世界で私に隠れて転移や転生を行っている人たちがいるみたいなんですよね」


 本来転移や転生を行う際は一度女神のチェックを受けてから行われるらしい。しかし、今回戦ったクロードは女神チェックを受けていないらい。用は密転移者ということになる。


「転移術を使った場合でも私が調整して世界をつないでいたんですけど、ご無沙汰なんですよねー」


 まるで転移術を使って欲しい様な言い方だ。


「どれだけ勝手に入ってる人がいるのかわからないですけど、見つかると私のお給料下がったり反省文書かなくちゃいけなくなるので見つけたら連絡してくださいね」


 密転移、転生者は魂をこの世界に強制的に移動されている状態の為、元の世界で意識不明の状態となっているらしい。

 その為、対象者を見つけたら女神の手で元の世界に魂を戻してもらえるようだ。

 というか、また自分の都合で人に処理を押し付けようとしているのか。


「一応この世界での記憶は消しておくので安心してください」

「そんなに簡単に見つけられるとは思わないけど、この世界で生きるついででよければやるよ」


 積極的に探せというのであれば面倒だが、偶々見つかったくらいであればいいだろう。


「本当ですか!それでは、対象の方たちが見つかったらこれで連絡ください」


 そう言った女神から白く輝く丸い石を渡された。


「分かった。そう簡単に見つかるとは思えないけどな」


 正常な転移者や転生者ですら見つからないのだ。密転移者達が簡単に見つかるとは思えない。


「そうですね…。鑑定スキルを強化しておくので、それでちゃんとした転移者、転生者かどうか確認できるようにしておきますね」


 女神がそう言うと俺の体が光りに包まれた。どうやら鑑定スキルが強化されたようだ。

 簡単に鑑定スキルで自身のスキルを確認すると鑑定スキルのレベルが9からEXとなっていた。


「これで大丈夫そうですね。それではこの方の魂は私が連れていきますね」


 そう言うとクロードの体から白い靄が現れた。


「そうそう、次回から対象の方を捕まえてくれましたら、なにかプレゼントするので考えておいてくださいね。勿論、限度はありますが」


 今回は鑑定スキルの強化と女神との通信アイテムがお礼扱いであろうが、仕事をするための支給品みたいに感じるのは気のせいだろうか。

 

「それでは高木京様、またお会いしましょう」


 そう言うと女神の姿が消えた。

 相手するの疲れるからできればもう会いたくないんですけどね。

更新が遅くなって申し訳ありません。

明日にでももう一話投稿します。


女神ファンの方、女神はプロローグ限定じゃないので安心してください。

え?そんな人いない?さいですか・・・

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