二人の奴隷
全話にてイグニスさんの名前を間違えてしまっていたので修正しています。
既に読み終わっている方は申し訳ありません。
「それじゃあ、約束通り二人と一緒に帰らせてもらうよ」
『うむ、約束だしな。仕方あるまい』
戦う前に約束したとおり、救助に来た奴隷二人を連れて帰らさせてもらおうかね。
「その前に、あの二人に食事を与えてもいいかな?空腹のままで山を降りるのも大変だからね」
『あの二人はお前のものではないのであろう。生きて依頼主の元まで連れていければ問題あるまい。わざわざ食事を与えるのか』
「流石に二人を一緒に連れて転移するのは疲れるからな。それに、魔力を使いすぎたよ」
『ハハハハハ。出来ないとは言わぬのだな』
イグニスが言うとおり出来なくはない。今は魔力を使いすぎているから転移魔法を使ったら多分倒れるだろう。
「そういうことだから、先ずはあの二人に食事を与えるよ」
『まあ、お前は我に勝ったのだから好きにするが良い』
イグニスの許可も取れたことだし、若干放置気味だったエルフと獣人の元へ向かう。
二人のもとに着くと収納からフィーアが作った料理を取り出して二人に与える。といっても、暫く食事をしていないようだから流動食だけどね。
「とりあえず今はこれを食べておいて。山を降りたら固形の食べ物を用意するから」
二人は食事を取りながら頷いた。
「あのー、ありがとうございました」
「ありがと」
食事が終わると二人はお礼をいってきた。
「どういたしまして。俺の名前はケイだ。ギルドからの依頼で二人を助けに来た」
『我はイグニスだ!火龍王だぞ』
イグニス何故いきなり自己紹介に割って入ってきた。と言うか話すために連れてきたのに自己紹介してないのかよ。
「えーっと。私はアイラっていいます。見ての通りエルフですねー。助けてくださりありがとうございました!」
エルフの少女アイラというらしい。この状況で穏やかな空気を纏って話せるのは凄いな。
「うちはクレハ…」
狐の獣人の少女はクレハというらしい。あまり話さない子らしく、名前以外言わなかった。
「アイラとクレハね。それじゃあ君たちをアトシュにいるフレデリックのところまで送り届けるから」
二人にフレデリックからの依頼だと告げる。
「フレデリック様からの依頼だったんですねー。まさか私達のためにSランク冒険者雇われるとは思いませんでしたよ」
「え?俺Bランクだけど?」
どうやら先程の戦いを見て俺をSランクだと勘違いしているようだ。
「えー。あの強さでBランクなんですか?またまた~ご冗談を」
「いや本当なんだけど」
そう言いながらギルドカードをアイラに見せる。
「・・・・・・本当にBランクですね」
信じてもらえたようで何よりです。
「会話ができる知能を持った竜種に勝つならSランクはあると思ったんですけどねー」
実際会話が出来る竜種はどれだけ弱くても古代竜間近の上位竜種かららしいからね。
「そこはまだ冒険者成り立てだから仕方無いな」
「冒険者成り立てだったんですねー。それなら仕方ないですよね―」
どうやら納得してもらえたようで何よりです。
「それじゃあ、二人共山の麓にある馬車まで案内するから付いてきてくれ」
『なんだもう行ってしまうのか』
準備が整った所で行こうとしたらイグニスに止められてしまった。
「用は済んだからな。もうここにも顔を出さないけどあまり人を襲うなよ」
『ここにも来ないのか。それは困るぞ!』
ここには特に用も無いからな。イグニスよ何が困るんだ。
『お前程強い奴は久しぶりであったからな。今度は我の本当の姿で闘おうと想っていたのだ』
地形変わりそうなので止めてくださいお願いします。
「流石にお前の本気と戦ったらどうともならんさ。俺はただの人だからな」
『ただの人間が弱体しているとは言え我のブレスを弾いて我に怪我を負わせるなんて出来るものか』
ブレスを弾くのも結構全力だったんだけどな。怪我を与えたのも隙をついて片目に一撃入れただけだし。
「偶々だ。それに死にたくないからな」
『そうか残念だ。では我の会話相手ならどうだ?』
「会話するためにここまで来るのはないな」
わざわざ山の上まで登るのは面倒くさいし。
『こっちもダメなのか。うーむ…』
一生懸命考えるイグニスだが俺はここに来る気もないから諦らめてもらおう。
『それならそこのエルフの娘を使うとしよう』
少し考えてイグニスが導き出した答えはアイラに何かをしてもらうということだった。
「アイラに何をさせるつもりなんだ?」
『ん?なんだお前鑑定持ちなのにまだ見ていなかったのか』
イグニスも鑑定を使えるらしく、既にアイラを鑑定済みのようだ。
アイラには悪いけど少し見せてもらおうか。てことではい鑑定
【
アイラ
種属:エルフ(奴隷)
所有スキル:召喚術Lv1、土魔術Lv2、魔力成長促進Lv2、弓術Lv1
】
イグニスが言うほどなのだ。気になるとすればこれだろう。『召喚術Lv1』だ。
「召喚術か?これは一体…」
『召喚術スキルは契約を行った者や魔物を召喚する事ができるスキルだ。魔物であれば契約スキルが必要であるが魔族や上位竜種であれば契約スキルなしでも召喚契約可能になる』
つまり、アイラがイグニスと召喚契約を結ぶ事ができればイグニスを自由に呼び出せるようになるらしい。一応契約した相手次第で魔力消費量が変わるらしいけど。龍王呼び出す魔力足りるのか?
『勿論呼ばれる時はもっと魔力消費減らせる姿になっておくから安心するがいい』
姿変えれば魔力消費減るのか。便利だな龍王。
「残念だけどその案も却下だな」
『何故だ!』
「だってアイラは俺の奴隷じゃないから雇い主の元に届けたらそれまでだぞ?」
アイラとクレハを助けに来た依頼だからね仕方ないね。
「残念だけどこの話はこれでおしま…」
『ならその奴隷をお前のものにしてしまえばいいではないか』
なんかぶっ飛んだこと言い始めたよこのドラゴン。
「流石に貴族、それも領主の息子を相手にどうこうする気はないぞ」
『それなら我に任せておけば良い。その領主の息子を脅してしまえば良いのだろう?あのエルフに召喚されてしまうと威厳が落ちてしまうから直接街まで出向いてやるから安心しろ』
「街までイグニスが下りて来るってことか?奴隷を俺のものにするためだけに?」
流石にイグニスが街まで下りてきたら大惨事になってしまうな。だが俺にイグニスを止める手段はないからな。
『そうと決まれば契約してしまうか。おいエルフの娘!契約を行うぞ!』
「え?契約?ああ、召喚術ですかーいいですよー。お願いします」
二人(一人と一匹?)が契約を行う事を誓うと二人の足元に魔法陣が現れてやがて収束した。
『これで我との契約は完了だ。さて街にいって挨拶をしてくるかのう』
「そういえばー、フレデリック様から解放されてケイ様の奴隷になるんですよね?」
「そうだけどどうかした?」
イグニスが街に行くかとか言い始めているのを放置してアイラが話しかけてきた。マイペースですねアイラさん。
「それならクレハちゃんも一緒にお願いできますか?わたし達特殊なスキルがあるからフレデリック様に買われちゃったようなものなので、クレハちゃん一人はかわいそうだな―って」
成程、フレデリックが奴隷購入に結構掛けたとか言っていたけどレアスキル持ちかつ異種族なら納得だ。
因みにクレハはどんなスキルを持っているんだろう。はい、鑑定ドン。
【
クレハ
種属:獣人族(奴隷)
所有スキル:火魔術Lv1、剣術Lv1
ユニークスキル:金狐化Lv1
】
ユニークスキル持ちでした。こっちはこっちで厄介な香りしかしないな。
「・・・?」
鑑定結果をじっと見つめていたせいかクレハが首を傾げてしまった。
どうしようかこの二人。
クレハの自称を「うち」にしたら自己紹介で「うちはクレハ」ってなってしまった。
写○眼とか○鳥は使わないので安心してください。
次の投稿は明日になります。




