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コルト山へ

 受付嬢さんに教えてもらった宿で部屋を取り、宿屋の中にある食堂で食事を取りながら二人に先程の依頼内容を伝えた。


「レッドドラゴンですか。強敵ですがケイ様なら問題なく処理できると思います」


 フィーアよその自信はどこから来るんだ。


「私も問題ないと思うわ」


 ユイも同意見なのか。


「ご主人様には『個人魔法(オリジナルスペル)』があるでしょ?竜殺しの魔法を作れば簡単に勝てるわよ」


 成程、『個人魔法(オリジナルスペル)』で竜特攻の魔法を作ればいいのか。各属性の弱点を突くように種属に対する弱点の魔法を作るのか。それならなんとかなりそうだ。


「倒さなくてもその奴隷たちを回収して転移魔法を使えば問題なく帰ってこれますしね」


 転移魔法か。本来空間魔法でしか使うことはできない魔法だがそっちも『個人魔法(オリジナルスペル)』で問題なく発動できる。というか、今まで往復しないで転移魔法使えば楽だったんじゃ…。


「そうだね、レッドドラゴンはなんとかなると思う。さっき言ったとおり期限も短いから明日にはここを発つよ」


 3日以内と言われたが往復の時間を考えれば時間に余裕は殆どない。


「コルト山までは馬車で1日程度みたいだけど足がないな。どうしようか」


 馬車なんて簡単に手に入る者じゃないしどうしようか。


「それならなんとかなるかもしれません。レンタル馬車を使いましょう」


 フィーアにレンタル馬車について聞くと、レンタル自動車のように馬車を貸し出す職があるらしい。普通の街にはあまりないが、この街であれば問題なく借りられるだろうとのことだ。


「そんなものがあったのか。それなら何とかなりそうだな」


 問題は今の所持金で借りられるかだが、足りなければギルドに押し付ければいいだろう。


「そうと決まれば明日は早いから食事を終わらせたら早めに寝ようか」


 明日の予定を決めて俺達は食事を終えて部屋へと向かった。

 早く寝ようと思ったが色々あって少し遅くなってしまった。色々あったんだよ色々ね。



 異世界生活27日目、俺達は宿屋を出るとレンタル馬車の店に来ていた。


「いらっしゃい。馬車のレンタルかい?」

「ああ、明後日まで借りたいんだが大丈夫か?」

「問題ないさ。サイズは3人用でいいのか?」

「いや、帰りは人数が増える予定だから少し大きめのサイズがあると助かる。」


 救出する奴隷の人数を確認していなかったため、少し大きめの馬車を借りておく。


「それなら馬2頭と荷台で50万バルだ。保証代も含んでいるから無事に戻ってきたら40万バルは返却するよ」


 保険代も込みのようなので、何かあったら保証代の40万バルから差し引いて残りは帰ってくるシステムらしい。

 精算を済ませた所で大事なことに気がついてしまった。


「そういえば、誰が御者やるんだ?」

「私は出来ないわ。実家の人たちも誰もできなかったわ」


 ユイの実家は貴族なのだから当たり前だろう。


「わたしもやったことはないですけど、お父さんに少し教えてもらったことがあるので出来るかもしれません」


 フィーアのいた村は街から多少距離があるから必要なものを仕入れるのに馬車を使っていたのだろう。

 仕入れ以外にも農業等で使っていたのかもしれないな。


「最初は少し練習が必要かもしれませんが、私がやりますね」

「わかった。それじゃあフィーアに御者をお願いするよ」


 フィーアなら出来るようなのでここはお願いしてみよう。


「わかりました。それではわたしが御者をやらせていただきます」


 御者の件をレンタル業者に告げて馬車を借り、フィーアの操縦の基俺達は街を出た。



 馬車の旅では特に何も起こらなかったが1つだけ問題が合った。兎に角尻が痛い。


「何か敷くもの持ってくればよかったわね…」


 どうやらユイも馬車の乗り心地に限界なようだ。


「すいません。わたしの操縦で負担をかけてしまって…」

「いや、俺達も御者を出来ないんだ。フィーアも初めてやるのに助かってるよ」


 実際フィーアが御者を出来なければ御者を1人雇う必要があるが、そうなると色々と面倒だったのだ。


「もう少し進んだら昼食にしようか。馬も休ませないといけないからね」


 朝からずっと移動していたからそろそろ休憩を取ったほうがいいだろう。お腹も空いてきたからね。


「わかりました。休憩できそうな場所を見つけたら馬車を止めますね」



 暫く進んだ場所で馬車を止め、馬に餌を与えた。

 馬に餌を与えた後は俺達の番だ。


「ケイ様の収納内にある食材で簡単に食事を作りました。一応救出する奴隷の方の食料もあるので少し少ないですが」

「スープを少し多めに作ったから多分大丈夫だと思うわ」


 フィーアとユイが作った料理はいつもより少し少ない。スープの水分で腹を満たせばいいか。

 何人俺の収納にそこそこ食料は入れてきた。しかし人数もわからず、暫く食事を取っていない奴隷達の食料となるとどれ位必要になるか分からないから。


「それは仕方ないよ。街に戻ったら美味しいものを食べようか」


 旅の途中で美味しい料理が食べられているだけでも十分幸せだと思っておこう。



 昼食を食べ終えると俺は昨日二人と相談したスキルを造っていた。


「それじゃあ今日は取得経験値上昇スキルを作るね『特技生成(スキルクリエイト)』」


《パーティー限定及びスキルレベル上昇を限定化しました。ユニークスキル『PT特技経験値上昇』の生成を確認しました》


 どうやら問題なく作成出来たようだ。倍率がスキルレベル依存のスキルだとコモンスキルになるらしいが、今回はパーティーに効果が及ぶスキルの為、ユニークスキルとなったようだ。

 これで少しでも二人のスキルが育ちやすくなるといいな。


「まずは2倍からスタートだから実感ないと思うけどね」


 現時点じゃあまり役に立たないかもしれないけど、少しでも二人の役に立てればいいかな。


「本当?それならいっぱい魔法使わないとね」


 ユイのスキルで光魔術と魔力成長促進は魔法を使えば使うほど経験値が貯まるからね。


「わたしもスキルを使うようにしますね。もっとケイ様のお役に立てるようにがんばりますね」


 フィーアもやる気を出してくれたようだ。


「まだレベル1だし必要経験値を減らすスキルも覚える予定だからそれから頑張るのもいいと思うよ」

「分かっているわ。でも、せっかくだから少しでも多く経験値稼いで起きたいのよね」

「そうですね。後でもっと良くなるのは分かっていますが今出来ることをやりたいので」


 どうやら二人は少しでも早く強くなりたいようだな。



 そんな話をしてから俺達は再び馬車を進め、日が落ちる前にコルト山の麓にたどり着いた。

 拠点を作ろうと思ったが、馬を地下に押し込めてストレスを与えるわけにも行かないので今日は外で野営をする予定だ。


「今日はここで宿を取って明日俺が1人で山に向おうと思う」

「わたし達はここで馬車の見張りを行えばいいのですね」

「ああ、この辺に出現する魔物は大して強くないみたいだから二人ならなんとかなると思う。勿論、命の危機を感じたら馬車を置いて逃げていいからね」


 馬たちには申し訳ないが、二人が逃げる間の囮になってもらうとしよう。


「わかったわ。ご主人様がいないのは心配だけど二人で頑張るわね」


 二人のために多少の罠を魔法で仕掛けておくとしよう。二人を置いていくのは心配だけど、二人共戦う力はあるから大丈夫だと思う。


「明日も朝は早いから今日は早く寝るよ」

「「はーい」」


 今日は何もありませんでした。流石にこの環境ではちょっとね…。

 因みに警戒はナイにお願いしています。

ギリギリ土曜日にうpできました。

土曜日の24時30くらいだからギリギリセーフだよね?

・・・ごめんなさい遅くなりました。


次話は本日投稿予定です。

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