初戦闘です
「特技生成!」
異世界転生5日目
特技生成のクールタイムが終わり次第俺は魔術構築スキルを作成していた。
《スキルの作成を確認しました。スキル『魔術構築』が登録されました。》
魔術構築のみの簡単なスキル。個人魔法を最大限に活かすために俺には必須のスキルとなるだろう。将来的にはスキル枠圧縮のために個人魔法で魔術構築を行えるようにしたいところだ。
「昨日とどれ位発動までに時間があるか確かめてみようかな。」
昨日は発動までに30秒ほどかかったが今日は魔術構築があるからどれ位で魔法が発動するのか確かめておきたい。
『ファイアボール!』
昨日と同じ様に手を前に突き出してファイアボールを発動する。発動から1秒位だろうか。かなり早く手から火の玉が飛んでいく。単純に発動時間が1/30である。これでどれだけ魔術構築サポートが重要なのかわかるな。
「これで魔物と少しでも戦えるようになったかな。」
《マスター、魔物との戦闘でしたらここから先にスライムが一匹いますが如何でしょうか。》
スライムか。某RPGだと序盤に登場して色々な種類がいるマスコットキャラだ。ゲームによってはあんなに可愛らしくない只のアメーバだったりするけど。
「あれかな?」
少し進んだ先にゲル状の青い物体がいる。少しぷるぷるしているけど可愛らしくない。まあそうだよね普通あんなに可愛らしくないし目も口も無いよね…。
《スライム種は魔法が弱点のため少し強めの魔法を打ち込めば一撃で倒せると思います。》
強めの魔法ね…。あれか、ちょっと強めのファイアボール使ってコレは上級魔法じゃない。ファイアボールだってやつか?誰も見てないから意味ないか。そのうちちょっとやってみたいけど。あのスライムは青いから属性的には水なのかな?見た目でわかるとも思えないけど。
《あのスライムは水属性です。スライム種は一部を除き見た目通りの属性です。》
あ、見た目通りなんだ。それなら弱点属性がいいよね。この世界の属性とか知らないんだけどね。ナイさん教えて!!
《了解しました。》
ナイから魔法の属性について教えてもらった。
魔法の属性は全部で火水風土光闇無空の8種ある。火水土風はそれぞれ、火は風に強くて水に弱い。水は火に強くて土に弱い。土は水に強くて風に弱い。風は土に強くて火に弱い。光と闇はそれぞれが弱点属性となる。無は弱点がないが得意属性も無い。空は空間魔法で直接攻撃する魔法は無と同様得意苦手はないが空間転移等の特殊魔法があるらしい。要約するとこんな感じである。
「それじゃ今回は水属性が相手だから土属性かな?」
《その通りです。弱点を突くのであればレベル1魔法でも一撃で倒せると思います。》
土属性か、本来であれば属性魔法スキルに合わせたスキルを打つのだろうけど俺の場合はイメージするだけで魔法が打てるからな。だから使う魔法が属性魔法スキルで使用できる魔法かどうかはわからないんだけどね。
『ロックショット!』
岩が飛んで行くのをイメージして魔法を放つ。ただ岩が飛んで行くだけだと威力が少ないと思って先端を尖らせて高速回転させながら飛ばしてみた。2m程の岩が高速回転しながらスライムへ向かってまっすぐ飛んでいった。
「あれ?思ったより大きいし早いな。」
スライムに着弾すると同時に轟音が鳴り響いて小さなクレーターができる。完全にやりすぎた。
《今のは土魔法スキルレベル5のロックインパクトに近い魔法ですね。あそこまでスピードはないですが。》
レベル5の魔法だったらしい。
《因みに完全にオーバーキルです。》
ですよねー。スライム程度にレベル5のスキルは流石に強すぎるよね。
「魔法の威力調整は今後の課題かな。」
因みにロックショット一発で魔力消費量は最大魔力の1/10程度らしい。消費量が思ったより多い。魔物に囲まれた時に魔力がなくなったら目も当てられないから省エネで威力のある魔法を開発しなければ。
「とりあえずまた魔物がいたら教えてくれ。色々試したい。」
《承知しました。この辺りでしたらスライムが数カ所いるためそちらまで案内いたします。》
その後めちゃくちゃスライムを倒した。
合計で18体ほど倒し今日の活動を終了する。魔力消費を抑えた魔法を色々使ってみて何個か使えそうな魔法があった。
「最後に範囲魔法試したいから固まってる場所へお願い。」
《了解しました。少し先に5匹程集まっている場所がありますので案内いたします。》
そう言ってナイに案内してもらった先には5匹のスライム。対多用に考えた魔法をスライム一匹ずつではなくスライムがいる範囲に発動する。
『ウインドカッター・レイン』
風魔法スキルLv1のウインドカッターの威力を半分程度にして指定範囲の上空から地面へ風の刃が落ちていく魔法を発動する。今回は半径10mの円が対象になっている。魔力消費量はロックショットの半分程度だからそこまで魔力効率は良くない。敵の数が5匹ではなくもっと密集していたら魔力効率は良くなる。問題点は多少あるが殲滅魔法としてはありだろう。風の刃が収まるとそこにいたスライム達はもう姿はなかった。
この世界の魔物は魔素と呼ばれる物質の塊らしく、死亡すると魔素となって魔物としての体が消失する。一定期間が経過すると魔素が再び集まって魔物となる。極稀に魔素の塊が魔物の部位のまま残る事があるらしい。俗に言うレアドロップと言うやつである。
それにしても一気に魔力を使いすぎたせいか体が重い。魔力を使いすぎると一時的に動きが鈍るようだ。因みに後からナイに魔力が空になったらどうなるか聞いた所ぶっ倒れるらしい。残り魔力は一割程だから危なかった…。
《今日はこのままゴブリンの森の手前まで案内いたします。明日からゴブリンの森を案内いたします。》
ついにゴブリンの森へ到着するとのこと。最初に聞いていた日数からすると明後日には街へ着く。街に着くのは良いが考え無いといけないことがある。まず言語。今はナイと普通に会話できているが果たしてこの世界での会話ができるかどうか。流石に会話くらい何とかしてくれていると思ってるよ駄女神様。
次に金だ。金がなければ宿に泊まることもできなければ食料調達することもできない。それ以前に街に入るのに金がかかる可能性がある。それ以外にも身分証明やこの世界の常識など幾つか問題がある。
「まあ、最悪ナイに教えてもらえばいいや。」
金は最悪日雇いでなんとかすればいいとして、常識等はナイに教えてもらえばなんとかなる。流石ナイさんぱないっす。
少し進むと目の前に森が見えてきた。今日は森の前にある小さな洞窟の中で寝る。魔力もかなり回復したようで、今日は手に入れた食用野菜を炒めて食べることにした。火は小さなファイアボールで焚き火を起こす。フライパンは土魔法で耐熱土器を作成した(今日一番魔力使った)。久しぶりの温かい食事に少し満足し、明日に備えて寝る。
そういえば明日のスキルどうしよう…。
ステータス(スキル構成)は章終わりに纏めて表示するか毎回出すか悩み中
毎回出すと今後増えた時見にくくなるんですよね。
ヒロインは次回登場予定です。
テンプレ?何それ美味しいの?