表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/51

新しい奴隷?

 異世界生活21日目、俺とフィーアは街まで戻りギルドに報告をしていた。


「オーク10体の討伐を確認しました。報酬は振り込んでありますよ」


 受付嬢さんが手続きを終えてカードを返してくれた。


「今回はフィーアさんが殆ど倒されたのですか?取得してる魔素がフィーアさんの方が多かったので」

「フィーアの戦闘訓練を兼ねていたからね。1人でオーク倒せるようにもなったからある程度は安心していますよ」


 そう、最後の2体はフィーアが1人で戦っている。勿論、一対一の状況だが。それ以外でも俺がフォローして止めをフィーアが刺していることが多かった。


「フィーアさんの歳でオークをソロ討伐出来ると将来有望ですね。これからも期待していますよ」

「ありがとうございます。これもご主人様のおかげです」

「あと、ケイ様が帰ってきたら店に顔を出して欲しいとクリス様から伝言を預かっています」

「クリスが?」


 何故クリスがギルドに伝言を頼んでいるんだ?そして何故クリスを知っているんだ。


「クリス様は昔冒険者でしたから」


 顔に出ていたようで受付嬢さんが教えてくれた。


「そうなんだ、ありがとう。早速クリスのところに行ってくるよ」


 受付嬢さんにお礼を言ってギルドを後にした。新しい依頼を受けるのは明日でもいいだろう。




「クリスいる?」


 クリスの店に着くと躊躇いなく店の中に入っていった。


「あら、ケイちゃんいらっしゃい。ギルドからの伝言を受け取ったのかしら?」

「ああ、それにしてもクリスが昔冒険者だったとはな」

「あの頃はわたしも青かったのよ」


 今も青いけどな、服装的な意味で。何故青いドレスを着ているんだお前は。


「それで、俺に用か?」


 世間話をすると体力が減りそうだったので早速本題に移る。


「そうね、ケイちゃんへ伝えたいことが2件あるのよ」


 クリスも本題に乗ってきてくれた。それにしても2件あるのか。


「先ず、ブラッドウルフは今フィーアがいた村の近くの森にいるわ」


 ブラッドウルフの情報か、それは助かる。どこにいるのか分かるだけでも貴重な情報になる。


「でも、そのおかげでその森の生態系がぐちゃぐちゃみたいなの」


 聞くと、ブラッドウルフがいる森は魔物は殆ど出現しない森らしく、そこにいる野生動物がブラッドウルフの餌になっているらしい。


「このままだとあまりたたない間に移動しちゃうかもしれないわ」

「成程、餌不足による移動か」

「今のペースだと持って7日ってところね。ただ、ギリギリになると空腹で凶暴になっている可能性も高くなるから、もうちょっと早いほうがいいと思うわ」


 7日か、予想していたより早いな。余裕を持っていきたいから次の依頼を受けている余裕はないな。


「ブラッドウルフについての情報は助かった。もう1個の方はなんだ?」


 ブラッドウルフの情報はありがたいが、クリスから何か伝えてもらうことが他にあると思えない。


「もう1個の方はもしよければなんだけど、ワタシの知り合いの奴隷商が引退するみたいなの」


 引退する奴隷商か、奴隷関係の話かな。


「ケイちゃんさえ良ければ、その奴隷商に顔をだして貰えるかしら?引退する時に残った奴隷の子たちはオークションに賭けらちゃうのよ。でも、オークションだとどんな人が買っていくか分からないから、その前にケイちゃんが気に入った子だけでもいいから買ってもらえるかしら?」


 つまり、オークションでどこの誰か分からない奴に買われて、奴隷の子が不幸になるなら可能であれば俺に買って欲しいということか。


「それは行ってみないと分からないな。一応、この後顔出してみるよ」

「行ってくれるのね、ありがと」


 クリスに引退する奴隷商の場所を教えてもらい、店を後にした。


「ご主人様、新しい奴隷を買うんですか?」

「とりあえず見るだけ見る感じかな。ブラッドウルフ倒しに行くのに新しい奴隷がいてもね」


 フィーアが新しい奴隷を買うことに反応するとは…。



 クリスの店を出てから少し進んだところに目的の店があった。


「おじゃましまーす」


 店の入口から入り店内に人がいるか確認する。


「おや、いらっしゃい」


 店の奥から店主であろう老人が現れた。


「この店はもうたたむ予定でな。悪いが他の店を当たってくれ」


 新規客の受け入れはしていないってことか。


「クリスから紹介されてきたんだ。もしよければ見せてもらえると嬉しい」


 クリスの紹介であることを告げる。紹介なら対応してくれるかもしれない。


「なんだ、クリスの紹介かい。それならついてきておくれ」


 老人に連れられて店の奥にある部屋に行くと、幕に覆われた檻が20個程ありその中には女性が一人ずつ入っているらしい。


「今うちにいる奴隷はこれが全てだよ。引退しようとして仕入れを半年ほどしていないからね」


 老人は気に入った子が居たら声を賭けてくれといい部屋を出ていった。


「フィーア、君の意見を無視して買う気はないから、何かあったら言ってくれ」

「わかりました。ご主人様にふさわしくないと思ったらお伝えします」


 そう言うとフィーアは先に歩き出した。

 フィーアは奴隷を新しく買うことに反対みたいだから、フィーアに聞いてみて嫌な子がいたら買わなければいいよね。一緒に居て中が悪くなるのも嫌だし。それに、クリスに頼まれてここに来たわけだからどうしても奴隷が欲しいわけでもない。


「それじゃあ俺も手前の檻から順番に見ていこうか」


 手前の檻から順番に確認していくか。


「ご主人様、手前から3つの檻は確認不要です」


 早速確認しようとした所で先行していたフィーアからストップがかかる。


「見たところ元娼婦のようです。ご主人様にはふさわしくないと思います!」


 その後もフィーアチェックが入るが全てダメらしく、残す檻は2つとなった。


「ご主人様、次の檻の方は問題ないようです。ご主人様からも見ていただいてよろしいですか?」


 遂にフィーアチェックをクリアした奴隷が現れたらしい。その奴隷が居る檻の中を除くとフィーア位の大きさの少女がいた。


「あなたが私を買いたい人?」


 声はフィーアより幼いだろうか。鈴のような綺麗な声が聞こえた。


「買うかどうかは君次第かな」


 嘘はついていない。そもそも奴隷を買うか決めていないのだから。


「それもそうね。えっと、私はユイっていいます。…そういえば、言えるのこれくらいなのよ。私成人前に奴隷になっちゃって自分のスキル知らないからアピールなんてできないし。むっ、胸も無いからこっちでもアピールできないわ」


 檻の中の少女、ユイは成人前に家の都合で奴隷となったらしく自分のスキルを把握していないらしい。


「他に出来ることは特に無いわね。こんなこと言う私って商品としてどうなのかしらね」


 遂には自虐まで始めてしまったユイだが俺は既に彼女のスキルを確認していた。鑑定スキル様々だね。


ユイ

 種属:人間(奴隷)

 所有スキル:光魔法Lv1、状態異常耐性Lv1、歌唱Lv3


 ユイは生まれつき魔法スキルを持っている。しかも光魔法はかなり珍しいらしい。それに状態異常耐性があるため、毒や麻痺等にも強く慣れるとか。ナイ先生が教えてくれました。因みに歌唱は歌が少しうまく感じるらしい。

 話してみるとユイは悪い子ではないだろうし、スキルも珍しい為フィーアさえ良ければユイを奴隷として迎え入れよう。


「フィーア、ちょっと来て」


 残りの檻を確認していたフィーアを呼び出す。


「なんでしょうか」

「この子、ユイを買おうと思うんだけどフィーアはどうかな?」

「わたし的にもこの子はいいと思いますよ。他の人達と違って変な気持ち抱いていませんから」


 フィーア的にはOKらしい。


「ただ、1つだけ確認しておいたほうがいいことがあります」


 確認しておいた方がいい事?それはいったい…。


「それは、この子が何故奴隷になったかということです」

クリスが出てくると筆が進むのは何故だろう・・・


ちょっと前からランキングタグ設定してみました。

(ちゃんとできているとは言っていない)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ