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フィーアのスキル

 西の森までたどり着くと日が傾いていた。

 ここまでたどり着くまでの道中は魔物と遭遇することもなく、平和だった。


「この位置に拠点を作ろうと思う」


 西の森まで続いていた道を少し外れた所に俺とフィーアはおり、拠点作成段階に入っている。


「わかりました。ご主人様が拠点を作成している間に夕食を作ってしまいますね」


 俺が拠点を作っている間にフィーアが手持ち無沙汰になってしまうし。夕食の作成をお願いしてしまおうかな。


「それなら夕食作りは任せるよ。必要な物を教えて」


 フィーアに言われた食材や調味料、調理器具を渡して拠点作りを始めた。



 3回目ともなると拠点作りにも慣れてきたようで、半刻もしないうちにいつもの形の拠点が出来上がった。


「フィーア、拠点ができたけど食事の方はどうだい?」


 拠点の入り口から外に出てフィーアの状況確認を行った。


「こちらももう完成します。もう少しだけ待ってください」


 フィーアの料理もそろそろ終わるようだ。いつでも出来上がった料理を運べる…いや、収納出来るように準備しておこう。食べるのは拠点の中だから移動が楽な方がいいよね。


「お待たせしました、ご主人様」


 そんなことを考えていたら、料理が終わったようだ。


「お疲れ様。収納して運ぶね」

「はい、お願いします」


 フィーアが作ったコテの実料理をどんどん収納していく。


「使った調理器具もここで洗っちゃおうか」

「そうですね。水魔法をお願いします」


 フィーアに頼まれた通りに桶に水を入れていく。


「ありがとうございます。すぐ片付けしちゃいますね」


 フィーアが片付け終えるのを待ってから拠点の中へ行った。


 拠点の中で食事を食べ終えたところでフィーアに伝える。


「フィーア、これから君のスキルを確認しようと思うんだけど。いいかな?」


 昼間の移動中に鑑定スキルを8に上げていたため、フィーアのスキルを確認することが出来る。


「え?わたしのスキルですか?スキル鑑定依頼をするんですよね。それだとお金がかかってしまいますよ?」

「スキル鑑定依頼はしないよ。俺のスキルを使ってフィーアのスキルを鑑定しようと思うんだ」

「ご主人様は鑑定スキルもお持ちなんですか?魔法も色々使えて本当に凄いです!」


 フィーアから尊敬の眼差しが飛んでくる。ズルしていてごめん…。


「それで、スキル確認の件だけどいいかな?」

「勿論です!もう一生分からないと思っていたスキルが分かるようになるんですから」


 フィーアの許可も貰ったし。鑑定スキルを使おうかな。


「それじゃあ、フィーアいくよ」


 フィーアに一言声をかけてから鑑定スキルを発動した。


フィーア

 種属:人間(奴隷)

 所有スキル:槍術Lv5、魔槍術Lv1、料理Lv1、???


 槍術のレベルが思ったより高いな。魔装術とは一体…。そして一番気になるのは???だよ。なんだよ???って。


《鑑定不能スキルの可能性があります》


 鑑定不能スキル?なにそれ?


《鑑定不能スキルは、鑑定スキルで見ることができません。しかし、一度スキルが発動すると、鑑定スキルで見ることが出来るようになります》


 つまり、発動するまで分からないスキルってことか。そのスキルの発動条件ってきまってるの?


《スキルの発動条件は不明です。生きている間に発動するとも限りません》


 使えるようになるのか分からないスキルがあってもなー。無いものだと思っておこう。フィーアにも伝えない方向で。


「ご主人様?ど、どうでした?」


 フィーアのスキルを見ながらナイと話し込んでしまったためか、フィーアが心配そうに見つめている。


「ごめんごめん。大丈夫、フィーアのスキルは分かったよ」


 鑑定スキルで見た内容で鑑定不能スキルを除いてフィーアに伝えた。


「槍術はレベル5もあったんですね。あとは魔槍術ですか…。スライムの時に知っていればスライム倒せたかもしれませんね…」


 魔槍術は槍で攻撃する際に槍に魔力を纏わせて攻撃するスキルらしい。魔力での攻撃になるため、スライムには有効だとか。


「魔槍術があるのはいいんですけど、わたしの魔力はどれ位なんでしょうか。魔法を使うわけなじゃいので魔力は増えないので」


 最大魔力を増やすには魔法系スキルを使う必要があるんだよね。魔槍術は武術系スキルだから使っても魔力は増えないのか。


「何回使えるか確認しておいたほうがいいね。明日の最後に使ってみて回数を確認してみようか」

「そうですね、使える最大回数が分からないといざって時に使えなかったりしますし」

「それもあるけど、魔力って一気に使うと疲れたり気絶したりするだろ?戦闘中にそんなことになったら大変なことになるからね。そうならないように使える最大回数を確認しないとね」


 戦闘中にスキルを使ったせいで動きが鈍くなったりしたら大問題だろう。気絶なんて以ての外だ。


「成程、普通に戦いながら使える最大回数を確認するって感じですかね」

「そうだね。一応体が疲れるくらいまでは使ってみてもいいと思うんだけどね。何があるか分からないから」

「わかりました。普通に戦えるラインと戦闘に影響が出そうなラインで確認しますね」


 フィーアのスキルについて色々確認もできたし、後は明日確認するだけだな。料理スキル?料理が美味しくなる以外特に無いけど?


「それじゃあ、明日に備えて今日は寝ようか」

「わかりました。明日はよろしくお願いします」


 おやすみの挨拶をしてそれぞれの部屋に入っていった。


 部屋の中で俺は考えていたことがあった。フィーアの魔槍術スキルに関して、仮にフィーアが一発しか発動できなかった場合は殆ど意味がなくなってしまう。込める魔力に応じて威力も上がるため、魔力が多いに越したことはない。

 しかし、フィーアには魔力を上げるために必要な魔術系スキルがない。さて、どうしたものか…。いや、解決策はあるんだけど、それをするとフィーアの人生に影響を与えそうで決心ができていない。

 フィーアの魔力を増やす方法は彼女に魔術系スキルを覚えてもらうしか無い。しかし、魔術系スキルは通常先天性であり、後から覚えることは通常不可能だ。

 あくまで"通常"だ。"通常"でなければ覚えることは出来る。それはどうするかというと…。


《ケイ様、確認依頼を受けていたスキルの確認がおわりました》


 ナイに取得したいスキルについて幾つか確認してもらっていたけど、その確認が終わったようだ。


《先ず、スキル取得とスキルレベルアップの回数増加ですが、別スキルにて回数増加を行うことができます。しかし、使用回数を増やすスキル自体のクールタイムが48時間となります》


 2日に一回別のスキルの使用回数を増やすスキルだ。これで特技生成(スキルクリエイト)の効果を2日に一回だけ二回使うことができるようになる。勿論他のスキルにも対応している。


《次にスキルを譲渡するスキルですがコモンスキル限定、譲渡時のスキルレベル1固定、譲渡スキルの上限値10、クールタイムが10日になりますが作成可能です》


 スキル譲渡スキル。つまり自分のスキルを他人に渡すスキルだ。このスキルが有ればフィーアに魔術系スキルを渡すことが出来る。思っていたより制限が厳しいが、スキルを増やす行為なのだからこれくらいはあるのだろう。


《最後に、他人のスキルレベルを上げるスキルですが、パーティーメンバー限定、クールタイム10日で作成可能です》


 他人のスキルレベルを上げるスキルだ。これがあればスキルレベルを上げて戦力増強ができるようになる。

 この3つが俺がナイに依頼していたスキルである。移動中も身体強化や空に向けて打っていた風魔法等のおかげで魔力量が結構増えていたみたいだ。スキル回数増加スキルは俺の戦力強化にもつながるから素直に欲しい。

 フィーアのスキルで説明が必要そうなスキルがあれば鑑定スキルをレベル9に上げようと思っていたが、今日見た限りだとレベル8で問題なさそうだ。

 収納スキルもレベルを上げておきたいけど先ずは今調べたスキル3つが優先かな。


 今後のスキル取得について考えていると急に睡魔がやってきた。

 昨晩寝れなかったから一気に眠気が来たようだ。この睡魔に抗うこと無く俺は眠りについた。




**********


 高木 京 (タカギ ケイ)

 種属:人間(転生者)

 冒険者ランク:B

 パーティーランク:D

 装備:火鼠のローブ

 所有スキル

 ユニーク:特技生成(スキルクリエイト)Lv--、案内者(ガイド)Lv--、個人魔法(オリジナルスペル)Lv--、消費削減(コストカット)Lv3

 コモン :鑑定Lv8、収納Lv1


 フィーア

 種属:人間(奴隷)

 パーティーランク:D

 装備:ミスリルの槍、ウォータードラゴンの鎧

 所有スキル

 コモン:槍術Lv5、魔槍術Lv1、料理Lv1

 鑑定不能:???

ここでフィーアのスキル登場です!

そして主人公が良からぬスキルを・・・


1万PV目前です。

色々な方に見て頂けて嬉しいです。

本当に有難うございます。

次の話を投稿する頃には1万PVになっていますように。

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