表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/51

スライム討伐報告へ

 異世界生活16日目、スライム討伐依頼達成報告のためにエコーリアの街へ戻る途中。ゴブリンの森を移動している。

 昨日決めたとおりにフィーアが前を歩き、警戒をしている。一応俺も索敵しているんだけどね。正確にはナイがだけど。


「フィーア、警戒するのは良いけど少し警戒しすぎじゃないかな?」


 フィーアは慣れない警戒のためかずっと緊張しているようだ。


「い、いえ。大丈夫です」


 ガッチガチなんですけど…。これじゃあ魔物に遭遇しても直ぐに戦闘に移れないだろう。


「一応俺も警戒しているんだからそんなに無理しなくてもいいよ?」

「い、いえ。大丈夫です」

「森はあと2時間位だからね?そしたらリラックスしようか」

「い、いえ。大丈夫です」


 うん、大丈夫じゃない。この状態だと警戒していないのと変わらない。


「フィーア、索敵変わるよ」

「い、いえ。大丈夫です」


 名前を呼びながら両肩を叩く。しかし反応に変化はない。

 どうしたら直るんだろこれ…。うーん…。ちょっと無理矢理だけど仕方ない。


「フィーア、大丈夫?」


 名前を呼びながらフィーアを持ち上げる。持ち上げる前に魔法で身体強化を忘れずに行っておく。個人魔法(オリジナルスペル)だから出来るバフ魔法だ。


「い、いえ。だいじょ…ひゃい!」


 ひゃい?なにそれ可愛い。


「ご、ごしゅじんしゃま!こ、これは一体なんですか?なんでわたし浮いているんですか!」


 あ、戻った。よかった、フィーアが元に戻ってくれたよ。


「フィーアがガッチガチに緊張していたから。声かけても反応がイマイチだったからちょっとね」

「ごめんなさい!すみません!下ろしてください!」


 抱えたままも危ないのでフィーアを地面に置いた。


「わたしどれ位反応ありませんでした?」

「俺も最初から気がついていたわけじゃないからな。気がついたのはちょっと前だよ」

「うぅ…頑張らなきゃって考えていたら頭真っ白でした。」


 初めてで1人でだもんね。仕方ないか


「俺もいきなり色々やらせようとしちゃったかな。ごめんな」

「いえ、謝らないで下さい!そもそも奴隷にここまで優しくしてくださる時点でありがたいです」


 元の世界には奴隷なんて勿論いなかったから奴隷の扱いなんて分からない。可愛い女の子には優しくしてしまうよ。男ってそういう生き物だよね。


「暫くは俺が索敵と警戒をするから。フィーアは慣れてきたら少しずつできるようになろうか」

「はい。本当に申し訳ありません」

「大丈夫だよ。気にしないで」



 フィーアと索敵を交代したけど森を出るまでゴブリンとは合わなかった。なして?


《ケイ様がゴブリンを討伐し続けたため、生き残ったゴブリンが回避しているようです。新しく生まれたゴブリンもそれに習い回避しているようです》


 魔物も人を恐れるのか。ちょっと倒しすぎたかな?用がある時はこっちからお邪魔するよ。


「今日は戦闘ができなくて残念です」


 フィーアが肩を落として呟いた。

 ここだけ聞くと只の戦闘狂だよ。今日はゴブリンと出会えなかったから戦えなかったんだけどね。


「こっちから探しているわけじゃないからね。こんな日もあるさ」

「そうですね。次の依頼はわたしも頑張ります!」


 次は物理効くやつでいこう。魔法も無効じゃなければ無理やりなんとかするからね。



 エコーリアの街につくと冒険者ギルドへと向かった。街に付く前に鑑定スキルを上げておいた。


「あ、ケイさん。依頼へ向かう準備ができたのですか?」


 依頼を受けて2日しか経っていないせいか、依頼準備を終えたものだと思われた。普通は依頼を受けて準備をしてから向かうのか?食料とか武具の手入れとかかな?


「いえ、そういうわけじゃないんですけど」

「えっと、それでは依頼のキャンセルですか?キャンセルする場合評価と低下とキャンセル料が発生しますが…」

「いえ、キャンセルでもなくてですね。依頼終わったので報告に」

「そうですか、依頼が終わったのですね。って、早すぎませんか?」


 やっぱ早いよね。このクエストどれ位が普通なんだろう。


《魔法使い1人であればスライムは1日5体討伐が普通です。運良く弱点属性のスライムを見つけ続けられればその限りではありません。その為、おおよそ6日程度が討伐にかかる日数です》


 スライムはレベル1の弱点属性魔法で2発、苦手属性で8発、どちらでもない場合4発だからか。Dランクの魔法使いならもう少し少ない攻撃回数で倒せるだろうが、その分魔力を消費してしまう為結局5体位になるらしい。

 それを2日で帰ってきてしまえば仕方ないか。


「さ、流石Bランク冒険者さんですね」


 受付嬢さん、顔!笑いきれてない!笑顔がぎこちないよ!あと、軽く引かないでくれる?こっちも悲しい…。


「そ、それでは確認しますのでギルドカードとパーティーカードをお預かりします」


 表情を変えずにギルドカードの提出を求めてきた。少し申し訳ない気持ちになりながらギルドカードを渡した。


「は、はい、スライム30体の魔素を確認しました。依頼達成とします。報酬はカードに振り込んでおきました」


 今回はギルマスに呼ばれなかったから早く終わった。


「ありがとうございます。また、次もよろしくお願いします」


 受付嬢さんにお礼を言ってカウンターから離れた。


「さて、次の依頼を確認しておこうか。何かいいのがあるといいね」

「そうですね」


 フィーアを連れて依頼ボードを確認する。Cランク依頼は何があるかわからないから一応Dランクから。Dランクの依頼はっと。


【オーク討伐】【リザードマン討伐】【スライム討伐】【遺跡調査護衛任務】


 普通の依頼が目立つ。偶に変なの混じっているけどEランク以下に比べれば雲泥の差だ。


「この中だとオークかリザードマンの討伐かな?」

「そうですね。オークだとスピードは無いので戦いやすいかもしれません。リザードマンは湿地に多く生息しているので動きが制限されるかもしれません」


 フィーアのトレーニングがメインだからオークかな?


「フィーアの意見で行こうか。今日は依頼を受けるだけで、一晩宿で休んでからオークの出現する場所にいこうか」


 今日は普通のご飯が食べたい。収納スキルあるから食材と調理器具さえあれば簡単に料理出来るんだけどさ。大量にあるコテの実を最初に処理しちゃおうかなって…。タダだし。


「わかりました。オーク討伐依頼でお願いします」


 フィーアが了承したため依頼書をボードから取って受付嬢さんへ持っていく。


「次の依頼を受けたいのでお願いします」

「もう次の依頼ですか?受けるとしても明日だと思っていましたよ」


 軽く嫌味言われてるけどスルーしておく。


「ちょっと急ぎな用もあるもので。できるだけ依頼をこなしておく予定なんですよ」


 フィーアの村がブラッドウルフに襲われてから1ヶ月程経っている。ブラッドウルフはゴブリンやスライムと違い、基本的には特定の箇所に出現する魔物ではないらしく、2ヶ月から3ヶ月程すると次の場所に移動するらしい。

 ブラッドウルフがフィーアの村の近くに滞在していれば2ヶ月以内であれば遭遇率は上がるだろう。タイムリミットは後1ヶ月もない。それまでに少しでも魔物との戦闘経験をフィーアに積ませる予定だ。


「そうなんですか。一応ギルドは冒険者の事情には深く追求しないので安心してくださいね」


 冒険者の過去や詳細を追求するのはマナー違反らしい。一応犯罪者はある程度ふるい落とせるから心配はないらしいけど。


「それで、今回はオーク討伐ですね。オークはこの街から西に行ったところにある森にいます。森の名前はありませんが、西の森と呼ばれています」


 オークの森じゃないのか、ゴブリンの森みたいな感じ。


「西の森にはオーク以外の魔物も出現するので気をつけてください。ケイさんであれば大丈夫だと思いますが」


 色々と注意やアドバイスを貰ってから受付嬢さんにお礼を言ってギルドを後にした。今回受けた依頼は【オーク10体討伐】だ。



「それじゃあ宿屋に行こうか」


 今日はもう宿屋に行って休もう。西の森には明日から行くからね。


「わかりました」


 本日最後の目的地は宿屋だ。俺とフィーアは宿屋に向かって歩き出した。


**********


 高木 京 (タカギ ケイ)

 種属:人間(転生者)

 冒険者ランク:B

 パーティーランク:D

 装備:火鼠のローブ

 所有スキル

 ユニーク:特技生成(スキルクリエイト)Lv--、案内者(ガイド)Lv--、個人魔法(オリジナルスペル)Lv--、消費削減(コストカット)Lv3

 コモン :鑑定Lv7、収納Lv1


クリスマス?なにそれ美味しいの?


本日一本目です。この意味は…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ