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ラルク平原とスライム

 異世界生活15日目はスライムを狩っています。

 正確にはスライムと半刻ほど戦い続けているフィーアを眺めています。


「フィーア、そろそろ諦める?」

「ま、まだやれます!」


 そう叫んでフィーアが赤いスライムへと再度攻撃を繰り出し始めた。

 時は遡ること1時間ほど前…。



 2匹のスライムを見つけた俺達は簡単な作戦会議を行っていた。


「昨日と同じように片方先に処理するから残ったほうはフィーアが戦ってくれ」

「わかりました」


 茶色いスライムに『ウインドカッター』を放つと同時にスライムがはじけ飛んだ。スライムが魔素へと戻るのを確認したフィーアが前に出る。


「い、いきます!」


 フィーアが前に出ると槍で赤いスライムを突いた。スライムは回避も反撃も行わず、槍がスライムの体を突き抜けた。やったか?


「ご主人様、魔素に戻りません!」


 スライムは槍に突かれたままだ。疲れたままじっとしている。


「物理攻撃が効かないって言うけど殆ど無効レベルなのか…」


 成程、これじゃあスライムの討伐ランクがDなのも頷ける。そもそもダメージが入らないのだから。


「フィーア、流石にこれは難しいんじゃ…」

「いえ、限界までやらせてください!」


 フィーアはスライムを槍で倒す気らしい。槍で刺されたままのスライムはプルプルしている。ゲル状の体をプルプルしている。悪いスライムじゃないのかもしれない。知らないけど。


「それじゃあ、できるところまで頑張ってみてくれ。その代わり、無理はしないこと」

「わかりました。やってみます!」


 そう言ってフィーアはスライムを槍で突き続けた。


 回想終わり!



 更に10分ほど槍で突き続けたところでフィーアに限界が来たようだ。


「ご、ご主人様。申し訳ありません」


 フィーアからのギブアップ宣言だ。


「相性は仕方ないさ。お疲れ様『ウォーターボール』」


 フィーアがスライムから離れるのを見計らって水の玉をスライムに飛ばす。水の玉はスライムにぶつかるとスライムと一緒にはじけ飛んだ。水が弾けた後にスライムはもういなかった。


「やっぱり魔法だと簡単に倒せるやつなんだな。物理攻撃は相性が悪すぎるんだ」

「そうですね。悔しいですけど…」


 こればっかりは仕方ない。相性は大切だ。


「スライム30体をさっさと片付けてゴブリンとの戦闘をするか、それとも一度街に戻って新しい依頼を受けるかい?」


 スライムの討伐はフィーアの経験値にはならないだろうからさっさと終わらせて次の依頼を受けたほうがいいだろう。


「そうですね。本当はわたしがスライムを倒せたらよかったんですけど、ゴブリンも街へ帰る途中に戦えれば十分です」

「それなら次は物理攻撃が効く敵の依頼を受けようね。早速スライム30体を片付けてしまおうか」


 ナイ、スライム28体分の座標固定をお願い。


《承知しました・・・・・・・。スライム28体分の索敵が完了しました》


 魔法を打つからサポートよろしく!


《索敵結果による照準完了しました。いつでもいけます》


 ありがと。それじゃあいくよ。


『ウインドカッター』


 ゴブリン戦で使い続けたために一番使い慣れたであろう魔法を28本放つ。放たれた風の刃はナイが定めた照準に従いスライムへと当たっていく。弱点を考慮していないため、少し威力を強めにしておく。


《スライム28体の消滅を確認しました》


 問題なく終わったみたい。罪のないスライムよ、永久に眠れ。罪を犯したスライムよ、天罰だ。


「うん、問題なく終わったみたいだね。今日は時間も少し経ったからこのままゴブリンの森で少しフィーアの戦闘をしてから、明日エコーリアに戻ろうか」

「え、えっと。はい?」


 スライム討伐を一瞬で終わらせたためかフィーアがぽかーんとしている。


「えっと、ご主人様はいったい…。もしかして、勇者様だったりするんですか?」 

「まさか、俺は只の田舎出身の冒険者だよ」


 多分勇者と出身国は一緒だと思うけどね。


「あんなに魔法をいっぱい使っても疲れている様子もありませんし…。ご主人様すごいです!」


 フィーアが目を輝かせながら見つめてくる。じっと見てくる。可愛い。


「そうかな?まだ余裕はあるんだけど…。使った魔法もウインドカッターだし」

「ウインドカッターでも連射するとその分魔力を消費しますし、そもそもゴブリンを一撃で倒せる威力もないはずなんですけど…」


 あれ?そうなの?対ゴブリンのウインドカッター最強説は?


《通常ウインドカッター5発程でゴブリン1体の討伐です》


 違った、ウインドカッターそこまで強くなかった…。


《因みに、スライムは通常弱点魔法2発程度です》


 スライムは魔法確殺じゃないんかい!


「ご主人様!本当にすごいですよ!」

「そうかな?そう言ってもらえると俺も嬉しいよ」


 今はまだフィーアには俺のことは内緒かな。そのうち言えたら良いんだけど。


「わたしもご主人様の足を引っ張らないように頑張ります!」


 フィーアのやる気が増したようだし、まあいいかな。


「それじゃあ、一回拠点に戻って昼食を食べたらゴブリンの森に行こうか」

「はい!今日は複数体相手にしてみたいんですけど良いでしょうか?」

「問題ないよ。昨日と同じで危ないと思ったら手を出すけどね」


 フィーアに何かあったら大変だからね。


 昼食を食べるとゴブリンの森に向かった。

 ついでに鑑定スキルのレベルを6にした。鑑定スキルは6になると他人の情報を見れるようになるとのことなので、試しに発動してみる。そういえば、鑑定スキル持っているのに一回も使ってないな…。対象が自分じゃ使う気にもなれないんだけどさ。それじゃあ鑑定スキル発動っと。

 鑑定スキルを発動してフィーアを見る。


 【人間】


 ん?これだけ?試しに周りにある木を鑑定してみると。


 【木】


 おい、鑑定スキル微妙じゃね?


《鑑定スキルレベル6は対象の種属、種類を表示します》


 つまり鑑定スキルレベル6は対象の種類しかわからないのか…。対象のスキルを見れるようになるにはレベルいくつ必要なんだ?


《レベル7で個体名が表示されます。レベル8でスキルが表示されるようになります。レベル9でスキルの詳細が表示されます。》


 つまり、レベル8にならないとスキルがわからないしレベル9にならないとレアスキルがあった場合に詳細が分からないということか。鑑定レベル10のことはひとまず置いておくとして、先ずはレベル8まで上げる必要がありそうだな。レベル9は必要なら上げる感じかな。明後日になればフィーアのスキルも分かるだろう。


「まあ、先ず今日はゴブリンとの戦闘かな」


 そう呟くとフィーアを連れてゴブリンの元へと向かっていく。勿論ナイ先生の導きで。



 3時間程ゴブリンとの戦闘を行うとラルク平原にある拠点に戻ってきた。5度戦闘を行ったがフィーアは1対3まで問題なく戦うことができた。相手に後衛がいないという状況だったがここまで戦えれば十分だろう。フィーアと初めてあった時にクリスの護衛をしていた冒険者とは大違いだ、

 特に、最後の一戦は凄かった。まさか、石突でゴブリンを突き飛ばして二体同時に倒すとは…。フィーアの槍のセンスが怖い。


「明日は昨日と違って特に寄り道をしないで森を抜ける予定だけどいいかな?」


 夕食を食べながら簡単に明日の打ち合わせを行う。


「わかりました。明日は通り道で遭遇したゴブリンとの戦闘ですね」

「それもあるけど、明日はフィーアに周囲の警戒も頑張ってもらおうと思ってね、昨日と今日は俺が索敵していたけど、明日はフィーアが反応できるようにね。特にアーチャーやメイジがいる場合は危険だから頑張ってね。勿論サポートはするからさ」

「わかりました!がんばります!」


 戦闘以外の注意も大切だからね。俺がいなくても反応できる様になってもらえれば安心だ。それにしてもフィーアいつも頑張ってるな。あんまり頑張り過ぎないといいけど。


「明日に備えて今日はもう寝ようか。おやすみ」

「はい、おやすみなさいご主人様」


 フィーアに挨拶をすると、自分のベッドへ行き、そのまま横になった。

 それじゃあおやすみなさい。


**********


 高木 京 (タカギ ケイ)

 種属:人間(転生者)

 冒険者ランク:B

 パーティーランク:D

 装備:火鼠のローブ

 所有スキル

 ユニーク:特技生成(スキルクリエイト)Lv--、案内者(ガイド)Lv--、個人魔法(オリジナルスペル)Lv--、消費削減(コストカット)Lv3

 コモン :鑑定Lv6、収納Lv1


スライム?あいつは良いやつだったよ…

レベル99にならないとしゃく○つとか使えないからね、仕方ないね。


ブックマーク、評価頂きありがとうございます。

これからも頑張って更新していきます!

もっと評価、感想ください!頑張ります!(ダイマ)

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