私、魔法を教えるようです。
本日3話目
固まっていた主は、不審者(蒼い猫)を脅し……いえ、「お話し」していた私が戻ってくると、ビクリと肩を強張らせました。
……あの蒼い猫、今度会った時は覚悟しておいてくださいね…?
レクト様を怖がらせた罪は、非常に重いですから。(黒笑)
「では、まずは魔法とは何かから学んでいきましょう、レクト様」
「う、うん…」
ーー魔法とはーー
体内に存在する「魔力」を用いて、一定の法則の下に、通常では成し得ない奇蹟を起こすこと。
使い続けることで、威力を増すこともある。
一般に、大規模な魔法ほど、多くの魔力を使用することが多い。
特定の条件を満たさなければ発動しないものもある。
ーー魔力ーー
体内に存在する、魔法を行使するには必要不可欠な力。量には個人差があり、鍛練によって増やすことも可能。
但し、魔力の使いすぎによる、魔力枯渇によって引き起こされる気絶には注意が必要。
「『一定のほうそくのもと』…?」
「はい。後の方に載っていますが、魔法を発動するには、一定の手順が必要となります」
「手順…あ、あった」
ーー魔法を行使する為の手順ーー
魔法の威力や規模などは、術者ーー魔法を行使する者のことーーのイメージ力、魔力量、魔法適性で決められる。
魔法の発動には、
1.明確なイメージ
2.魔法が発動した場合のイメージ
3.1と2を思い浮かべながら詠唱する。
4.魔法名を、魔力を込めた声で詠唱する。
5.魔法の軌道を合わせて発動させる。
(コントロールの為に杖を使う人が多い)
という手順が必要。
(無詠唱の場合は、3と4を抜く。)
ーー魔法適性ーー
魔法を行使するにあたって、重要な要素のひとつ。この適性によって、使える魔法の方向性が決まってくる。
魔法適性には個人差があり、遺伝しない。
(但し、種族によって偏りがある。)
種族による固有の魔法適性も存在する。
「しゅぞくによる固有のまほうてきせい…?」
「はい。有名なのは、妖精族の『精霊魔法』、竜人族の『ブレス』などですね」
「へぇ~」
目をキラキラとさせた主の目は、好奇心に満ちていました。
「らでぃ、レクトにもまほうてきせいあるかな?」
「きっとありますよ、レクト様」
「ほんと!?やったー!」
嬉しさのあまり、ぴょんぴょんと跳びはねる主の姿は、本当に楽しそうで。
そんな主の姿に苦笑した私の目には、『鑑定』の技能によって表示された、主のステータスが映っています。
ー ー ー ー ー ー ー ー
名前:レクト・エルキア・リトヴィー
(リトヴィー公爵家嫡男・
シグルト王国王位継承権第5位)
年齢:三歳 性別:男
種族:妖精族(ハイエルフ) Lv.1
…………(中略)…………
魔法適性:精霊魔法・精霊召喚・陣魔法・水・土
ー ー ー ー ー ー ー ー
ーー適性に『属性』まで入りましたか……。
『属性』とは、レクト様のステータスにある、「水」と「土」のことです。
属性は他に何種類もありますが、適性に属性が入ることは滅多にありません。
適性に属性が入るーーそれは、その属性を扱い易かったり、威力や規模の調整をしやすかったりするのです。
非常に強力な適性ですが、属性の適性を持つ者の数の少なさ故に、狙われる原因となります。
ーー蒼い目と、属性の魔法適性……主はどれだけ厄介事に好かれているのでしょうか…。
まぁ何れにせよ、主に仇なす不粋な輩は、排除するに限ります。
…あぁ、証拠隠滅も、忘れてはいけませんでしたね。
……ん?
私は主に魔法について教えていたはずなのですが……。
どうして『排除』などと物騒な言葉が出てくることに……。
はぁ……。
レクト君のステータスが初公開です。
ラディーのステータスはもうしばらくお待ちください。
レクト君やクロアル様など、シグルト王国の貴族は大抵がハイエルフです。
ラディーはかなり強いですが、レクト君もいろんな意味で強いです。




