63/80
階段
「千里!なによその机の中!まさか千里もいじめられてるの?」
「え、いや、その…」
「見せて!」
机の中には、おびただしい量のカメムシが入っていた。私はポケットからティッシュを取り出して、そのカメムシを取ろうとした。しかし、カメムシは動く様子がない。死んでいるのかと思ったら、よく見ると、ゴムでできたオモチャのカメムシだった。
さらに机の中に、黒い器具があるのを見つけた。刑事ドラマに出てくる盗聴器に類似していた。
「どういうことなの?千里?これ本物の盗聴器?」
「いや、それは…」
「いったいこれはなんなの…?」
なぜ、千里は机の中にカメムシのオモチャを入れていたのか?それは、机の奥にある盗聴器を見えなくするもの。
「まさか千里、クラスの誰かがこれを通して、どこかで私たちの会話を聞いてるの?まさか私に嫌がらせをしているのって…千里もなの?知ってて誰かとグルになってるの!?」
「違うよ!」
「信じられない!」
私はその盗聴器を奪い、教室を走って出た。それを千里が追いかけてきた。
「待ってよ!彩…あっ!」
千里は足を滑らせ、階段から落ちた。




