宍戸警部の見解
室井はじめと笹井ナコトが起こした、姉湖学園殺傷事件。彼らの妹あるいはいとこである室井千里を、生徒たちが死に追いやったと逆恨みした犯行だった。
校舎の中では室井はじめが生徒を襲い、校舎の外に逃げた生徒は笹井ナコトが仕留める役割だったと、室井はじめは自供した。しかし被害にあった生徒は、ほとんどが室井千里とあまり関わりがないと思われる生徒だった。
我々警察が到着後、室井はじめは三年の教室で身柄を拘束された。笹井ナコトは逃亡。現在警察は行方を追っている。
被害にあった生徒の保護者は学園に抗議。学園の防犯対策の甘さを言及された。教員達は頭が上がらない。ひたすら謝り続けた。
我々が室井はじめを発見した時、室井はじめは教室で気絶していた。そして、用務員の安室陽介も倒れていたが、死亡が確認された。
安室の死因は頭蓋骨陥没。鈍器のようなもので殴られていたが、室井はじめはそのような凶器など持っておらず、教室の何処にもそのようなものはなかった。
安室陽介を殺したのは室井はじめでも笹井ナコトでもない。犯人はまだ他にいる。
妹の甘那の話では、クラスで『寄生蜂』と名乗る者による嫌がらせが発生していたらしい。その犯人だと思われていた亀梨静は死亡したが、生前、彼は『寄生蜂』であることを否定していたようだ。
もし彼の言うことが本当ならば、まだその『寄生蜂』はまだ、あのクラスの中にいる可能性がある。
まだ終わっていない。




