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口は災いのもと

「結城真奈美も、千里の死と関係がある…か。遠山新次郎も自分が千里を死に追いやったと遺書を遺していたが、いったい何があったんだ…?まあいい、明日、結城真奈美を探ってみよう」


「え?真奈美に聞くんですか?」


「そうだ。遠山みたいに死なれてからでは何も聞けないからな」


まずい。明日きっと笹井は、真奈美を尋問する。そうすれば、僕は真奈美に恨まれるだろう。内緒話を笹井に暴露したのがバレてしまう。


「あの、たぶん聞いても答えないと思いますけど…」


「なぁに、ちょいと脅せば簡単に口を割るだろ。今のお前がそうだったように…」


まずい。笹井は明日、真奈美に話を聞く気満々だ。


そうこう話しているうちに、車は僕の家についた。


僕は笹井の車を降り、笹井が帰っていくのを見送った。そして悩んだ。やはり言うんじゃなかった。


口は災いのもとと言うが、まさにその通りだ。自分の身を守るために白状したが、それが返って自分を危険にさらしてしまった。真奈美に明日、なんと言われるか…。口軽男とか、裏切り者と罵倒されるかもしれない。せっかく真奈美は僕を『寄生蜂』と疑わなくなったのに…。





夜、布団の中で真奈美に対する言い訳を考えているうちに、朝になってしまった。つくづく自分の器の小ささを実感した。


フラフラになりながら、僕は制服に着替えて家を出た。時計はまだ七時をまわったばかり。今日も一番乗りで学園に着くだろう。



思った通り、学園には誰も来ていなかった。僕は教室で机の上にうつ伏せで寝た。


八時になっても誰も教室に来る様子はない。



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