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奇妙な笑顔

死んでいなくてよかったと思うべきなんだろう。しかし、恐怖だ。僕と真奈美はあの時、彼を死んだと決めつけ、彼を見捨てて森を出た。その見捨てた彼が今、僕の目の前にいる。彼の目は、僕を睨み付けている。今にも僕に襲いかかりそうな目だ。いつのまに僕の後ろに立っていたのだろうか?



すると彼は、右手を思い切り僕の右肩に押し当てた。


「ひぃっ!」


恐怖のあまり、僕は声を出してしまった。緊張する僕に対し、彼はニヤリと笑った。


「よく来たな亀梨くん。あの時以来だな。ゆっくりしていきなよ」


「…え?」


予想外の態度だ。僕を恨んでいるとは思えない。


「あのとき?お前ら会ったことあるのか?」


笹井が僕に尋ねた。


「え、ああ…前に千里が亡くなった場所にお参りに行ったらたまたま…」


「ほぉー…」


僕の適当な話に納得したかどうかはわからないが、笹井はそれ以上聞いてこなかった。


「あ、あの、僕はそろそろ…」


千里の兄・はじめの笑顔に違和感を覚え、居心地が悪くなった。僕は帰ろうと立ち上がった。


「なんだ、もう帰るのか?なら仕方ないな。ワタシもそろそろ行くか。どっこいしょ」


僕に続いて笹井も立ち上がった。


「どっこいしょじゃねーよ!年寄りくせえぞナコト!まだ二十代のくせによ」


「うるせえよロン毛が。頭ケガしたついでに髪切っちまえ」


仲良く話す笹井とはじめ。なんか帰ろうと言い出したのが申し訳なく思えた。笹井はもう少し居たかっただろう。







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