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アイツ

笹井が言った『アイツ』とは誰のことを言っているのか?千里の母はすぐわかったように答えた。


「千里が死んでから、ずっと放心状態よ。こないだ、千里が死んだ場所に花を持っていったらしいんだけど、そのとき足を滑らせて、頭を打ったんですって。そのあと自力で森を出て病院へ行ったけど、出血のわりにはたいしたことないって…。あの子、石頭だから」


僕は、恐る恐る笹井に聞いた。


「あの、笹井さん?アイツって…?」


「ああ、室井はじめ。千里の兄だ」



やはりそうだ。あのとき真奈美を殺そうとした男だ。道理で死体が無かったはずだ。死んでいないのだから。


「あの、それで千里のお兄さんは今どこに…?」


僕はまた、恐る恐る千里の母に尋ねた。すると母親は僕の方を指差した。


「あなたの後ろにいるわよ」


瞬間、背筋が凍った。後ろをゆっくりと振り向くと、そこには頭を包帯で巻いた男が立っていた。

見覚えのある顔。その男こそ、あのとき死んだと思っていた男、室井はじめだった。


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