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宍戸 甘那

宍戸警部と桐谷まひるが保健室で話をしていると、女子生徒がひとり、入ってきた。それをみて、宍戸警部は目を丸くした。


「か、カンナ…?」


「お兄ちゃん…」


呼びあう二人を見て、まひるは驚いた表情をした。


「え?なに?カンナさんって、宍戸くんの妹さんだったの?あ、言われてみれば、なんとなく雰囲気似てるかも」


「どこがだよ」


保健室に入ってきた女子生徒は宍戸甘那。宍戸警部の妹であり、亡くなった遠山 新次郎と辻 亜留絵と同じクラスだ。


「楽しそうねお兄ちゃん。保健室でなにしてんの?森で亜留絵が死んだばかりなのよ?ちゃんと仕事してよ。警部のくせに」


「してるさ。いま桐谷先生に事情聴取してたんだから」


「あっそ。だいたいあの森の現場、新次郎のお父さんが亡くなってから警察が見張ってたはずなんでしょ?なのに、なんで新次郎も亜留絵もあんなことになるのよ…!」


「ちょっと甘那さん、言い過ぎよ!それにお兄さんは現場で見張ってたわけじゃないし…」


まひるが宍戸警部をかばうと、それが気に入らないのか、甘那は二人に背を向けた。


「もういいわ。警察に任せてられない。新次郎と亜留絵が本当に自殺かどうか、自分で調べる」


「へ?おいちょっと甘那…」


「そうやって偉そうに部下に仕事任せっきりの警部さんには頼らない。せいぜいふたりで仲良くしてれば?」


甘那は戸を思い切りバタンと閉め、去っていった。


「相変わらず、強情なやつだよ」


「無理もないわ。あの子は死んだ辻 亜留絵さんとクラスでいちばん仲良しだったし、いちばんショックを受けてるでしょうね…」


「ショックか…」



宍戸警部は知っている。なんにでも首を突っ込みたがる甘那の性格を。人一倍正義感があり、どんな些細なことでも、納得いかないことはとことん調べなければ気がすまない、まさに警察に向いている彼女を性格を、誰よりも知っている。


だから心配している。妹が、得体の知れない何かに巻き込まれることを…。


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