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再会
遠山 新次郎、辻 亜留絵と続けて亡くなり、姉湖学園はざわついていた。
「変わらないな、あの頃と…相変わらず、カメムシばかりだ。ここは」
宍戸警部は姉湖学園を訪れていた。職員室で笹井ナコトを始め、数人の教師に事情聴取をすると、今度は保健室に向かった。
「はーい」
宍戸警部が保健室の戸をノックすると、中から明るい女性の声がした。
「失礼します」
宍戸警部は戸を開けた。中には椅子に座った桐谷まひるの姿があった。
「まひる…」
宍戸警部は、まひるに対して親しげに声をかけた。
「宍戸くん」
「昨日、森で会ったときはびっくりしたよ。この学園で養護教諭をやってたなんて…」
「宍戸くんこそ…。警官になったのは聞いてたけど、いつのまに警部になってたの?」
「優秀だからね」
「宍戸くん…うちの学園の生徒の遠山くんと辻さんが亡くなったことについて、どう思う?やはりこれはその…」
まひるの問いに、宍戸警部はコクリとうなずいた。
「ああ。否定できないな。九年前、僕らのクラスに起きた事件との関わりを…」




