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そしてまた…
『新次郎、ごめんなさい』
これは彼女が、死んだ新次郎に宛てた最後のメッセージである。このメッセージが送られたのは、新次郎が遺体で見つかる前夜。スマートフォンのメッセージアプリで彼女のスマートフォンから送られたものである。
それは彼女の遺書でもあったのか?それはわからない。しかし彼女は、新次郎の後を追うように、彼が死んだ翌日の放課後、彼が死んだ場所で同じように見つかった。変わり果てた姿で…。
「被害者は辻 亜留絵さん十七歳。前日ここで亡くなった、遠山新次郎君のガールフレンドだったそうです」
現場はまた、鑑識によるカメラのシャッター音が鳴り止まない。現場に到着した刑事二人は、傾斜の下にある遺体に手を合わせた。
「ていうことは、また後追い自殺の可能性があるな。まったく、近頃のガキは些細なことで簡単に命を投げやがるな。世の中には生きたくても生きられない奴もいるってのに…」
「そういえば、今日は宍戸警部来ないんですか?」
「ああ、あの人は別件の捜査に向かっているよ」
「別件?」




