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朝の教室でふたり

「わ、私が自分で自分の机にカメムシ入れたっていうの?なんで私が…そんなことする必要があるのよ!」


真奈美の顔と言動に少し動揺がみられた。


「だいたい自作自演はアンタの方でしょ!昨日、自分の靴にカメムシ入れておいて下駄箱開けっぱなしで放置しておいて、私と彩香を罠にはめたんでしょ!?あのあとクサギに叱られるし散々だったのよ?いい気味だと思ったでしょ!?」


「違うよ…」


「じゃあいったい誰の仕業だっていうのよ!」


「知らないよ」


返答を一言で済ませる僕に、真奈美は一方的に問い詰めてくる。誰もいない校舎で真奈美の声が響き渡る。真奈美を怒らせながら廊下を歩いているうちに、教室に着いた。


教室の中に入り、僕と真奈美はそれぞれ自分の席に座った。すると、真奈美は机の中から一枚の紙を取り出した。


「なにこれ…?」



お前の下足は、学園裏の樹海の中。

室井千里の死んだ場所に置いてある


寄生蜂



紙にはそう書かれていた。文字はパソコンで打ってプリントアウトしたものだ。


「なんで私の靴をそんなところに隠したのよ!」


真奈美はまた、僕を疑ってきた。


「僕が知るわけないだろ!だいたい僕も君も今来たばかりだ。それはお互いが証明してるじゃないか」


「どうだか?昨日、帰ったフリして私達が帰ったあとにこっそり入れたんでしょ?安室さんと口裏合わせてさ!」


「知らないよそんなの」


僕はいいかげん、なんでも僕を疑ってくる真奈美に呆れた。こんな女と一緒にいられる彩香が理解できない。


「いいわ。あんたも一緒に来なさいよ。まだホームルーム始まるまでたっぷり時間あるわ」


「え?ちょっと!おい!」


真奈美は僕の腕を強引に引っ張り、教室から出た。


「案内しなさいよ。私の靴を隠した場所へ!」


「だから知らないって!」


真奈美と僕は、学園を抜け出した。僕の腕を引っ張る真奈美の手は力強かった。これでは逃げられそうにない。一緒に行くしかない。寄生蜂の思惑通り、あの、室井千里が死んだ場所へ…



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