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戦国恋うる君の唄  作者: 橋本ちかげ
Phase.9 ~生き別れ、我がまま姉妹、二人の決断
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明かされるミケル拉致事件の真相!ラウラ謎の言葉に潜む真意とは…

翌日から虎千代は素早く行動を開始して高来の情報を集めた。軒猿衆を手配し、対岸の尼崎や兵庫など、瀬戸内海ルートを逆からたどって高来の行方を追う。さらには時間の経過から記憶の薄れる、ミケル拉致事件の当時の様子を知る者たちの声も集めさせた。

「南蛮宣教師の拉致事件ゆえ、耳に新しいはずよ」

虎千代も北国からの人身売買ルートを潰したのでよく知っているが、こうした売買は、身曳き証文など、本人の事情が分かるいわば身分証で取引するために、そうした噂が点々と残っているはずだと言う。

その読みは図に当たり、数日で無数の情報が集まった。こうした噂の落ち穂から、虎千代は事件の再構成を試みることにした。間もなく、ラウラの話だけでは、分からなかったことが色々と分かってきたのだ。

「まず船を乗っ取りしは、ラウラ殿の言う高来、と言う男が主導したと見て間違いあるまい」

と言うと、虎千代は反応をうかがうように僕たちを眺め渡した。

「目的は本来ミケル殿ではなく、船の積み荷であったはずよ」

船には宣教師ばかりでなく、博多から運ばれてきた国を追われたキリスト教徒たちが多数乗り込んでいた。ラウラも知らなかったようなのだが、彼らは高来がミケルともう一人乗船していた現地人宣教師を使って集めさせたようなのだ。当然密航と言う扱いになるために、彼らは積み荷の中で息を潜めていた。高来はそれをそっくり、堺港で売り払おうと言わば、航路上での横取りを画策したと思われる。

ラウラの話では、船は夜間に座礁し、身動きが取れなくなったらしい。立ち往生の折に、陸から現れた男たちによって船は被害に遭った。水先案内人と示し合わせて、陸の仲間たちと松明で連絡を取り、船をわざと座礁させるのは、当時の海賊の典型的な手口なのだと言う。当然ながらこれは水先案内人の高来なくしては成立しない犯行のため、虎千代は即座にこの男が積み荷の乗っ取りを考えたと見破ったのだ。

高来は海賊と交渉するふりをしつつ乗員を連れて船を乗り換え、夜間のうちに別の港へ去ったと考えられる。

ラウラを隠してミケルはその現地人宣教師とともに高来の言う通りにしたのだろうが、ここでこの宣教師は高来に初めからだまされていたことにようやく気づき、無謀な抵抗を試みたらしい。どうやら、その現地人宣教師は連れて行かれた先で高来に殺されたようだ。それも重石を身体に括りつけられ、そのまま瀬戸内の渦の中に蹴りこまれた、と言うから悲惨だ。

「ひどい…その方はワタシにも親切、してくれた方でした。同じ神造りたもうた人として一体、どうしてそんなことが出来るのでしょう」

それにはさすがにラウラさんも、いたましそうに顔を歪めていた。

この事件からすでに三か月近くが経とうとしている。

ちなみに一足早く堺に上陸した高来と、さらわれた教徒たちのその後の足取りはまったく掴めていない。ミケルの身柄もある上、かなりの人数が拉致されたと考えれば、相当目立つはずなのだが、

「恐らく売り手がもう決まっていたのであろう。さすれば人質をさばこうと表立って動く必要はない。ゆえに、市場に話が出なかったのだ」

と、虎千代は僕に推測を話した。

「だとすると、必ずしも人質を堺に監禁しておく必要はないし、取引も目立つ場所では当然行わなくてよい。中々抜け目なき奴よ」

虎千代は、その周到さから見て高来は、こうした犯行を繰り返している可能性が高いと考えていた。そのために何より必要不可欠なのは、安心して人質を監禁しておけるスペースである。そこは当然、瀬戸内をはじめとする地元海賊とのつながりが強い場所でなくては安全が保てないと考えられる。

黒姫と相談し、虎千代は紀州沿岸にも捜索の手を拡げた。この辺りも瀬戸内同様、沿岸に海賊の縄張りがある危険な場所だ。山肌深く切り立った沿岸に隠された入り江や、洞穴を改造した根城などが無数に点在し、隠れ棲む海賊たちの実態は、把握しきれないほどだ。高来と結びつきのある海賊を探すだけでも、かなりの労力と時間を要するに違いない。

北国で消息が知れた、と言う以外にミケルの姿を見かけたと言う情報もなく、虎千代はラウラにミケルの安否を示す情報が、中々提供出来ずに苦慮していた。虎千代がそのことを謝るとラウラは逆に恐縮していた。

「とんでもない。ワタシが二か月かけて分からなかったこと、虎千代サンすぐ突きとめてくれました。それだけでもありがたいです」


それにしても僕たちにもありがたかったことは、虎千代のお姉さん、綾御前が思ったよりもまともだったと言うことだ。綾御前は表向きこそああだが、本当は虎千代を夫・政景の暗殺者から救うためにはるばる越後にやってきたのだ。

「後顧の憂いは払ってやる。国元よりお前に差し向けた者どもの正体を突き止めるは、綾に任せておくがいい。お前はともかくその、南蛮娘の兄の身柄を救うことに精を出しや」

「かたじけのうございます。さすがは姉上様」

まさに麗しい姉妹愛だ。僕はひそかに感動していた。

「歯の浮くようなことは言わぬでいいぞ」

虎千代が目を潤ませて礼を述べると綾御前は、ふん、と鼻を鳴らしてそっぽ向いた。

「お前は昔から言い出したら聞かぬ女子ゆえ、仕方のう付き合ってやるのじゃ。本来なればお前はこの綾と即刻国元へ帰り、晴景兄から家督を継ぐ相談をせねばならぬところなのだからな」

「は、はい。それは重々承知にて」

僕はそのやり取りをみて何だか微笑ましかった。皆にはおおっぴらには言えないけど、やっぱり虎千代のお姉さんなのだ。なんだかんだ言って、妹の気持ちを一番に考えてくれているのだろう。虎千代が信頼を寄せるのも分かる。

とか思っていると、

「ううっ、ううん」

お姉さんはなぜかわざとらしく咳ばらいをし出した。

「話はあらかた済んだな。ところで、じゃが」

「は、はい、姉上。いかがなされましたか…?」

虎千代が恐る恐る訊くと、綾御前はにこりと不審な笑いを浮かべた。

「お虎、聞くところによるとどうやらあの住吉の浜では、(はまぐり)尽くしであったそうではないか。潮汁、炊き込みご飯…それと、なんじゃ焼き蛤であったとか。お前は知っておると思うが、山育ちの姉は蛤はほとんど口にしたことがないのだぞ?」

「は、はあ…」

虎千代は不承げに頷く。面倒くさいと思っただろうが、ここは訊かなければならないのだろう。

「で、姉上はそれが食べたいので?」

「勘違いすな、あっ、綾は別に蛤などっ。全然、食べたいわけではないのだぞっ。あのような茶屋の店先まで出向いて、食いゆくほどのものでもないからな。だが、だがぞ?…もしお前たちがぜひに、と言うなら、まあ…食してやるのも(やぶさ)かではないのだが?」

と、意味ありげにちろりとこちらを見る綾御前。虎千代は目を丸くしている。僕も唖然とした。こんな婉曲な頼み方がかつてあっただろうか。欲しいなら、いっそ素直に言えばいいのに。いらいらする。

「ご無礼っ」

虎千代もさすがに呆れたろうが、あわてて姉に和した。

「その辺りは抜かりなく手配しまする。必ずや夕餉の膳は、蛤尽くしに!」

「そうかそうか!悪いのう、無理じいしたわけではあるまいに」

虎千代のお姉さんじゃなかったら、はっ倒したいところだ。そんな僕たちの思いをよそに綾御前は、嘘みたいに晴れやかな笑顔でからから笑うと、扇子を取り出して悠々と袂を煽いだ。

「よくぞ申した。お虎、お前がこの姉にどうしても馳走したいと言うならば、受けてやってもよい。で、どうする。まずはやはり焼き蛤か?」

「はい。あれなればすぐに出来まする。まずは十個ほどお持ちします」

「二十個じゃ。今の腹心地ではまずそれくらいはいけるであろう。酒は音に聞く(なだ)の澄み酒などよかろう。すぐに手配せい」

なんと酒まで要求してきた。銘柄もばっちり指定だ。

ここまで図々しいとまあ確かに、一種のやり切った感はある。

虎千代のえらいところは(長尾家の人がえらいのか)一刻のちの夕餉の時間には、それらをすべて用意させたところだ。たった一人の綾御前のためにそれからの厨房は、まさしく戦場だった。台所では七輪であぶった焼き蛤の煙がもうもうと上がり、額に汗した布巾姿の黒姫が、仮オープンで慣れないしまへび屋のスタッフとともにぜいぜい言いながら駆けまわっていた。いるるさんが頭を抱えていた。

お陰で、虎千代はじめ僕たちの夕食は古漬けと味噌おにぎりだけになった。

「うう…話が違うよお…沖縄料理食べたい…ヤギ汁はぁ?ソーキそばはぁ?」

「我慢しようよ。…ラウラちゃんのためだよ」

真菜瀬さんに慰められつつ、絢奈は隅で泣きながらおにぎりを食べていた。ラウラも心なしか居たたまれなさそうだった。

綾御前は虎千代を超える健啖家だった。風貌に似合わずと言うか、まるで自分の美貌を保つ秘訣は、爆食だと言わんばかりに食いまくった。まずは二十個の焼き蛤で六合近くの日本酒を飲み、琉球古酒(くーすー)の水割りに替えてからはさらに十五個食べてヤギ汁をすすり、島らっきょうの酢漬けと若瓜の漬物で炊き込みご飯を土鍋に一杯食べたのだ。

「ぷうっ、綾は久々に腹がくちくなったわ。まだ食うて飲めるが、旦那のおらぬところであまり羽目を外し過ぎてもはしたないわえ。まあ腹八分でよしとしようかの」

あれで八割、とか言ったので全員つんのめりそうになった。それにしても満足げにお腹をさする綾御前は全然膨らんだ様子がない。あの大量の食べ物は、一体どこへ消えてしまったのだろう。

「お虎、姉のことはよいぞ。話の通りじゃ、お前は十分に動くといい」

「はっ、ははっ」

自由への代価は高過ぎた。そして、僕はこの段落の前言を撤回したい。お姉さんは少しはまともかと思ったのだが、ちっともまともじゃなかった。


そうこうしている間にも捜索は進んでいて、この頃ついに一つの突破口を得た。それは堺で倉庫業を営む宗易さんから持ち込まれたある情報から始まったものだ。

「どうも、不審な魚屋(ととや)の蔵がありますのや」

屋号を梶原屋(かじはらや)と言う。

その梶原屋は紀州沖から上がってきた魚を塩蔵して日持ちさせ、堺の町衆や京都の武家・公家衆はじめ畿内のお得意先に下ろすのが商売なのだが、宗易さんの話ではその店の蔵の一角が、どうにも回転率がおかしいのだと言う。

冷蔵設備のないこの時代、なま物は現地で消費するもの以外は塩蔵が基本とは言え、荷降ろしして蔵に運び込んだ魚はすぐにでも売上にしなくては商品にならなくなってしまうはずなのに、この梶原屋の倉庫ではいつまで経っても荷が捌けない。

と思えばある日、一気に空っぽになってしまうと言うような奇妙な事態が起こっているらしい。これが日雇いの人足から始まり同じ業界の倉庫業者の間でも、魚以外のものを商っているのではないかと話題になり始めているようだ。

黒姫はすぐに、軒猿衆を使って情報を集めた。

「梶原屋の元締めは、熊野水軍の(すえ)のようですよ」

熊野水軍とは紀州熊野灘(くまのなだ)、枯木灘辺りを本拠地とした海賊集団である。平安時代から記録に登場し、あの壇ノ浦の戦いでも湛増(たんぞう)と言う名の海賊が源義経に与し、勝利に導いたとされている。この時代においてもそのテリトリーは瀬戸内西岸全域に及び、それらの一部は小田原の後北条氏や安房(あわ)(房総南端)の里見氏などとも結びつき、はるか東国の海をも荒らし回った。

「まさに積み荷を捌くのに、うってつけの相棒じゃな。大量の荷物を安心して監禁(しまい)こんでいられる上、造作なく船で東国くんだりまで運べるではないか」

当然ながら堺では会合衆が街の自治を司っているが、港湾や商業都市の自衛権はあっても、非道な商いを取り締まる権限はない。だがあまり不穏な商売が大手を振るって行われていることは、堺の町衆そのものにとっても望ましいことでは決してない。

「そもそも人商いは非道な商いとは言え、公的には、大名衆や町衆にも認可された商売ではありますからな」

「しかしその上でそれでもあえて人目を隠そうとするからには、つまり、それなりのことをしているのであろう」

虎千代の鋭い指摘に、宗易は苦い顔をして頷いた。

「ええ、まあ、そうなりますな」

いわば海賊行為の末の人身略取である。恐らく取引の内容にしても買い手にしても、常識的な連中とは言えないだろう。それが分かっていても、堺町衆が関われないのは彼らを罰する法的根拠も大義名分もないせいだ。

「そう真っ向から言われると、我らも苦しいところですわ。下手に手を出せば、まず我々の船の上での商いから邪魔されますよってに」

紛れもなく、ラウラの兄、ミケルをさらったのは無法地帯に棲む越境犯罪者だ。彼らは自由に場所を替え、縄張りに関わる人間たちを無差別に犯罪行為に巻き込み、喰い物にしている。これを取り締まることはたとえ幕政が健在であろうと、不可能に違いない。

「悪党の掃除は任せてもらおう」

虎千代は迷わなかった。

「日を選んでただちに乗り込むべし」


海賊たちの本拠へ乗り込む。

思えば虎千代はかなり危険な決断をしたのだが、ラウラが、

「ワタシも行きます」

と、言ったのにはみんな驚いた。思い詰めた表情をしているラウラを、虎千代は色をなして説得した。

「無茶を言うな」

ラウラは黙って首を振った。いつも屈託のない彼女に似ず、やはりこの件になると、その表情には一歩も退かない決然とした意志が表れる。

「ラウラ殿、十中八九ことは穏便にとはいかぬのだ。我らはこの堺の領主でもなく、港を差配する権限を持っているわけでもない。さらには高来がそこに潜んでいると確証を得たわけでもないのだ。言い方は悪いが、言わばあやつらに、喧嘩を吹っ掛けにゆくことになる」

虎千代の言い分がもっともだ。現時点では宗易さんの情報以外に、ほとんど手がかりはないのだ。

「虎千代サン申すこと、ワタシ、分かっています。足手(アシデ)まとい、しません。たとえこの命に代えても、邪魔は致しません」

虎千代もさすがに困り果て、大息を吐いた。

「命に代えられても困るのだ。我ら、ラウラ殿にもしものことがあっては宗易殿にも申し訳が立たぬではないか」

「宗易殿なら、平気(ヘーキ)です。ワタシ、皆さんの役、立ちます。ワタシ、絵を描く。一度見た顔、忘れない。高来の仲間、手下、見たら分かる」

「ううむ…それは確かに、一理はあるが」

虎千代はぎこちなく腕を組むと、苦しげに眉をひそめた。

「ワタシ、役に立ちます。見てください、これ、使えるはずです」

尚も二の足を踏む虎千代に、ラウラは一枚の紙を取り出すと、もうひと押し訴えた。あれは住吉浜で虎千代が取り返した、ラウラの身曳き証文だ。

「これ、使う。虎千代サン、取り返してくれた。虎千代サン、ワタシの身柄買ったことにする。取引するふりする、上手くいけば喧嘩しない、それでも兄ミケルの居所聞き出せるかも知れません」

「むむむむむ…」

さすがにこれには虎千代も反論の手を失くした。

「黒姫、お前はどう思う」

「恐れながら名案かと思われますですよ。真っ向から喧嘩をふっかけるより、相手を油断させた方が情報は聞き出しやすいです」

「長尾様、連中は海に慣れている。そこが性質(たち)の悪いところです」

黒姫の意見に和すように、宗易さんも言った。

「いざとなれば奴らは散り散りに海に去り、そうなってしまえば再びその姿を探すのは、非常に難しくなります。ここは、ラウラさんの言う通りにした方がよろしいかと」

ここまで言われれば、さすがに虎千代も折れるしかなかった。


確かに僕から見ても、ラウラはちょっと強引だとは思った。乗り込むのは、人買いの海賊たちの巣窟だ。この世界に来てからの僕の数少ない経験からいっても、争い事は避けられない気がする。虎千代にとって人質に取られる可能性のある人間は極力減らしたいのが本音だろう。

でも僕はそれに悪い感情は持たなかった。何よりラウラが身を挺してお兄さんの行方を捜したい気持ちの表れなのだろうと思ったし、強情と言う点では、何となく共感するものがあったからかも知れない。

お兄さんの件以外ではラウラは、普段は本当に大人しい女の子だった。皆の前に出れば、屈託なく誰にでも明るく接し、かと言って出過ぎたことも言わないと言う社交的な人の理想と言った感じなのだが、誰とも接していない時は何より一人で絵を描くことを好む物静かな人だ。

虎千代との話が終わった後もラウラはひとり、住吉浜へ出ると、松林の端に座ってただ黙々とスケッチを続けていた。ラウラを一人で行動させるのは危険だと虎千代に言われているのだが、僕は邪魔をする気になれなくて、近くでしばしその姿に見入っていた。

黒い巻き髪をしたたらせたバスク人の少女は、流れるような仕草で手を動かしている。観察して描き出していると言うよりはほとんど、すでにそこにあるものを手にした木炭で描き出していると言った感じだ。

愕くことにラウラは一度も描き直しせず、信じられないことにその線はまるで迷いがないのだ。僕が知る限りラウラはそれほど長くスケッチはしない。絢奈の似顔絵など描いてくれたのだが、一つの絵を完成させるのに十分も掛かっていない。美術用語で言うならこれは精確にはスケッチ(写生)と言うより、クロッキー(速写)と言った感じなのだが出来上がったものは、なんとまるで手を加える必要がない完成品なのだ。

ラウラが描いているのは、住吉浜の遠景だった。

少し覗いただけでそれと分かる。浜でスケッチをしているから、同じ当たり前と言えば当たり前なのだが、ラウラのそれは風景を切り取ってトレースしてきたかのように、目の前の光景にぴたりと一致していた。

なんと、彼女はパースを取らない。僕たち素人がでたらめに描くように画面の左上からささっと描いて、風景の位置関係や遠近感、奥行きすら再現してしまうのだ。

今僕が遠目に見ただけでも、かすかに波打つ凪の海に緩やかな海岸線、松林、そして僕たちが行った浜辺の高灯籠までがはっきりとそれと分かる。色すら入っていないのに、見るだけで写真のようにその風景のあらましがはっきりと想像できてしまう。まさに超人的な技術だった。

真人(マコト)サンですか?」

ラウラが一度もこちらを振り向かず言ったので僕は、意表を突かれた。何で分かったんだろう。忍び寄ったつもりはないが、迷惑にならないように息を潜めていたのだ。

そうか、影か。

背後の松林の切れ間から照りつける陽射しでくっきりと立った自分の影に気づき、僕はあわてて位置を変えると、

「ごめん。邪魔するつもりはなかったんだけど」

「邪魔、なりません。誰が見ていても、どこにいても絵、ワタシ描けます。気に、しないでください」

ラウラが絵を描きながら片手で、ささっと傍らの荷物を片付ける。そこに座っていいと言うことだろう。そうは言ってくれたけど、いいのかな。そう思いつつも、せっかく空けてくれた好意を無にするわけにもいかず、僕はおずおずとラウラの隣に座った。

ラウラは肩から提げる革製のバッグを携帯している。無地の、クリーム色をした簡素なバッグだ。彼女は絵を描く道具をみんなまとめて入れてあるのだ。今も描き上がった絵が、その中からこぼれでている。それを見て僕はちょっとびっくりした。

かなりの分量があったのだがどれもこの前行った住吉浜の海水浴風景だったり、それから遊びに行った住吉大社の風景だったりしたからだ。つぶさに見ると絵の中に僕や虎千代や、他のみんながきちんと描きこまれている。まるでスナップショットだ。一体いつの間に描きとったものなのだろう。あのときは、スケッチしている暇などなかったはずなのに。

「すごいね。こんなに…いつスケッチしてたの?」

描いてるのに話しかけちゃいけないとは思っていたのだが、反射的に僕は驚きを口にしていた。

「ああ、これ」

ラウラは描画の手を留めず、ちらりと僕と自分の描いたスケッチを交互に見ると、口の端にふんわりと笑みを浮かべて言った。

「あのときワタシ、描いてないです。ワタシ、記憶だけでも描けるのです。一度見たもの、頭の中。描かないと消えていかないのです」

「本当に!?」

こくり、とラウラは頷いた。

「真人サンだけじゃない、みんな驚きます。バスクの人でも、同じこと出来る人いない。どこへ行っても誰も、今の真人サンみたいなこと訊きます」

いや、それは目立たざるを得ないだろう。自分が風景を完全に記憶して、それをしかも写真のように再現できるのだ。だとしたら才能と言うか、特殊能力の域じゃないか。

「羨ましいな、僕、絵が下手だから」

何気なく言ったつもりだった。しかし、ラウラは眉間をしかめて急に悲しい顔をした。

「みな羨ましい、同じ言う。でも本当は辛いです。見たもの描かないと忘れられない。描かないといつまでも、憶えている。辛いことあったとき、それ本当に辛いです」

強い感情を押し殺してひび割れたような、ラウラの声に僕は、それに返す言葉が無かった。そうだ。ラウラは日本に来て早々、すでにこの時代の人でも忘れ難いほどに過酷な体験をしてしまっているのだ。

「あのときのこと描いた絵、棄てずに取ってあります。でももう、二度と見たくない。思い出したくない」

細部まで憶えていること、忘れられないこと。ラウラにはそれこそ、その身に刻まれるように、記憶が沁みついてしまったに違いない。描くことは彼女にとっては、その遣る瀬無い気持ちを吐き出し切る作業でもあったのだ。

「忘れる方法一つ、あります」

絵を描き終えたのかラウラはスケッチブックを置くと、僕の方へ向き直った。そして僕が手にした自分のスケッチを指差すと、

「いつも楽しいことを描くんです。楽しい絵、後で見たい、ずっと忘れたくない。苦しい記憶の上、楽しい記憶入れる、辛いことすぐ消えます。だから皆さんと遊びに行った日の絵、ラウラの宝物です。これから、ずっと持って歩きたい」

アーモンド形の大きな楕円形の瞳を、嬉しそうに細めてラウラは微笑む。小さな黒子がある口元が綻ぶと途端に表情が和らぎ、日向の花のように影すら射さない屈託のない表情になる。誰もラウラに刻みつけられた過酷な過去を、そこから読み取ることは出来ない。

絢奈と変わらない年齢なのに、彼女は自分の傷ついた心をさりげなく隠せる。

虎千代のように誰もがそれと強さはないが、このラウラも、本当に心の強い人なのだ。

「ワタシ、日本に来て初めて友達出来た気がします。だから一つお願い、聞いてくれますか?」

「え?」

ラウラは細長い手を伸ばすと、突然、僕の手を握った。ひんやりと冷たい、骨ばった感触がしたが同時に、ほのかな甘い香料の匂いが鼻をくすぐった。

「ら、ラウラっ?」

虎千代のことで慣れているとは言え、いきなり女の子に手を握られて、平常心でいられる僕じゃない。しかし、ラウラはとにかく真剣だった。

「聞いて下さい」

彼女は言った。唇をかすかに動かして。

なぜかとても、不思議なことを。

「これから何があっても、ラウラ、皆さんの友達(トモダチ)でいさせて下さい。ラウラも、どうなっても皆さん友達だと思っています。だからお願いです。分かった、言って下さい」

ラウラはなぜそんなことを突然、言い出したのだろう。僕には理解できなかった。でも切迫した表情のラウラの気持ちは本当に真剣だ。僕は、ひとまず疑問と混乱を押し殺し、きちんと彼女に答えてやらなきゃと言う気持ちになった。

「大丈夫だよ。虎千代だって、僕たちはみんな、ラウラのことずっと、友達だと思ってるから」

「本当ですか?」

僕は、頷いた。

「約束する。僕たちはラウラのこと、裏切ったりしないさ」

すると、じっと僕を見つめていたラウラの思い詰めた表情が、次の瞬間、ふっと和らいだのが分かった。そのとき、ラウラが本当にほっとしたように息をついたのを、僕は二度と忘れることが出来なかった。

「ありがとう」

ラウラは胸を手で抑えるとまるで、ずっと呼吸が出来なかった人のように言った。

「ごめんなさい。ワタシ、我がまま言いました。お詫びに気に入ったら絵、どれでも持って行って下さい。ワタシの好きな人、ラウラの絵、持っていてくれる、とても嬉しい」

彼女はたった二人の兄妹で日本に来て、日本人に裏切られ続けている。

このとき僕はラウラが僕に詰め寄った理由を、単純にそのように解釈していた。だけど。

彼女には僕たちに話せていないことがまだ、何かあったのだ。もう少し聡ければ、僕はもっと早くそれに気づいたのかも知れなかった。


虎千代はラウラを連れて直ちに、梶原屋へ向かった。梶原屋が塩蔵を並べているのは、僕たちが行った住吉浜からそう遠くない場所にあった。大きな土塀で敷地を囲っているが目の前は入り江になっていて、人足たちが荷を降ろしたり、南蛮商人との交渉の声も(かまびす)しい。

「生憎やが、うちは魚屋ですわ。人は扱うておまへんで」

応対に出たのは、荷運び人足を叱咤していた大柄な男だった。この男も商人と言うよりは海賊上がりだろう。ぎょろりと剥いた右目の上に刺し傷が、反対の頬に切り裂かれた大きな刃物傷が縦に走っていた。

「それは妙な話だな。ここで高く売れると聞いたのだが」

虎千代は黒姫にラウラを引き立てさせると、その男の前に奪い取った身曳き証文を見せつけた。

「先日、この娘の身柄とともに、これを売りつけられたのだ。南蛮の足弱(あしよわ)ゆえ、きっと元が取れると吹かれ、大枚をはたいてな」

「はあ、そら悪い奴がいてまんな。せやけどうちは無関係ですわ」

けんもほろろな対応と言うのは、こんな感じを言うのだろう。正直僕は無理もない、と思ったりはしたのだ。梶原屋に突きつける証拠が薄すぎる上に、虎千代に人を買うような役があまり自然とは言えない。どう見ても勇み足だ。

宗易さんは一応言い繕ってくれていたが、相手は不審顔だ。

「この長尾様は北国のさる大家のお方で、本来なら南蛮鉄の買い付けにいらしたお方。口の上手いごろつきどもに南蛮人の足弱の娘など売りつけられて、手ぶらで国元には帰れませんのや。梶原屋さん、そこを何とか汲んで頂けませんやろか」

「縁もゆかりもない方に、出し抜けにそないなこと言われても、困りますわ」

男はくるりときびすを返すと、荷運びをする人足たちを怒鳴りつけ出した。

「ほれ、お前ら荷ぃは大事に扱えと言うとるやないか!それ一つでも駄目(わや)にしくさったら、承知せんど!これでお前ら何人雇えると思うてんのや!」

僕たちの前をやけに大きな菰包みが通った。これ、二メートル近くあるだろうか。

「これは?」

「塩漬けの真鱈(まだら)ですわ」

「やけに大きいな」

眉をひそめる虎千代を前に、男はうるさそうに言い返した。

「明では大口魚と言うて、人より大きいものもおますのや」

「人よりか?」

虎千代の意を察したのか、男の顔が少しく強張ったように僕には見えた。

「これを開けてもらおう」

虎千代があごをしゃくると、男はふん、と鼻を鳴らした。

「阿呆かい、これは売り物や。下手に開けてわやになったら、どないしますのや。あんた責任取ってくれるんやろな」

すると虎千代は思い切った行動に出た。懐の財布からありったけの銀を取り出すと、男の足もとに放り出したのだ。

「買った」

男は目を剥いた。

まさか虎千代がそこまで思い切った行動に出るとは、露ほども思わなかっただろう。

「開けてもらおう。もはやそれはわたしのものだ。もしこれが大きな魚でなかったとき、お前にはその、責任とやらを取ってもらうことにしようか」

足元に散らばった大量の銀を見て絶句した男に虎千代は言った。声に突き刺すような殺気が籠もっている。ふわりと柄に手をかけてもいた。

虎千代を取り巻く空気ですらが、いつの間にか一変している。

そこにあったのは本物の武士の殺気だ。

「…あ、あんた何者や」

男は生唾を飲みながら言った。船板一枚下は地獄の鉄火場をくぐってきたはずの男だが、今はまるで白昼に化け物に出くわしたように全身を硬直させている。そこにいるのはただの武家の令嬢などではないことに、初めて気がついたのだ。

「いっ、一体何が目的なんです」

男はもはや言葉つきすら変わっていた。額にびっしり脂汗が浮いている。

「さっきから言っている。人市を見にきた」

冷徹そのものの声で言うと虎千代は、じっと男を睨み上げた。

「…裏へ案内してもらおう。ここで騒ぎを起こしてほしくないのならな」


男の案内で、僕たちは奥へと通された。話によると、どうやら塩鱈を保管しておく蔵の一部が監禁場所になっているらしい。蔵は漆喰壁の頑丈なもので入口は二枚扉になっており、分厚い閂が掛かっている。これでは中からではびくともしないだろう。

「常時、どれほど売っている?」

虎千代は鬼小島と、壁の厚さを確かめながら言った。

「つ、月に五十は」

「今もいるのだな」

絶句したが、男は逆らわなかった。虎千代は嘘は許さないと言う殺気を放っていた。

「みな、瀬戸内渡りの切支丹たちか」

がくがくと、男は頷いた。

男の目には、虎千代が悪鬼に見えたのだろう。すっかり毒気を抜かれていた。

「開けてもらおう。宗易殿、ここにいる人たちの身柄、引き受けてくれるか」

宗易さんはもちろん、と頷いた。不当な売買や拉致で連れてこられた人たちだ。会合衆の責任をもって、処置すると約束してくれた。

「お嬢の言うことが訊けねえか。お前、俺から話を聞いてやろうか」

鬼小島に片手で掴まれて、男は今度こそ悲鳴を上げた。

「わっ、分かった、すぐに開けるっ…」

男は懐から錠前束を取り出すと、あわてて閂を開け出した。

「こっ、こんなことして…お前らただで済むと思うのかっ」

錠を開けながら男は口だけは、往生際悪く抵抗した。

「同じ台詞をそっくり返そう。このことは堺会合衆に知れている。いずれお前ら梶原屋んの元締めとはゆっくりと話をすることになろう」

虎千代がそこまで言ったときだった。背後が急に騒がしくなり、僕たちが振り向くとそこにわらわらと、武器を持った人足たちがわだかまってきていた。

「ちっ、面倒くさいことになってきたですねえ」

黒姫は状況を察して僕とラウラの方を庇う。

「お前ら、そこで何をやっとるんやあっ」

潮で灼けた胴間声が響き渡った。大勢いる男たちの中から出てきたその男を見て、僕は声を上げそうになった。

この男こそ、まさしく高来だ。ラウラが描いた似顔絵そっくりの海賊がそこにいた。

「たっ、高来の兄貴」

鍵束を持っていた男が、泣きそうな声を出す。

「ええところに。こいつらぁ、人蔵襲いに来よったんですわ」

「アホかいっ!紀三郎、お前こんな大勢の前で何人聞き悪いこと吹いてんのや」

高来は一喝すると、取巻を二人連れ虎千代の前までやってきた。手には先がへらのようになっている業務用バールのような真っ黒い金棒を持っている。

「お前ら何者や。ここになんの用や」

目の前にいると分厚い体格の凄みのある男だ。しかし虎千代は平然と言い返した。

「手間が省けた。お前に会わせたい人間がいてな。この娘、見覚えがあるはず」

「ああんっ?」

大袈裟な声を上げ、高来はラウラを凝視した。

「知らんなあ。知っとったとして、なんでお前に言わなあかんねん、小娘。それよりこんなとこまで入ってきよって、この落とし前どうつけんねん。分かってるやろな!?」

「黒姫、みんなを頼む。いいか、弥太」

「ええ、こっちゃいつでも構わねえっすよ」

首をごきごき鳴らしながら鬼小島が、高来の前に立ちはだかる。高来は体格差をものともせず、鬼小島を睨み上げた。

「この人数や。勝てると思うてんのかい」

「ははっ、所詮喧嘩だろうよ。いいだろ、遊んでやるよ」

「抜かせえいっ、こいつらぐちゃぐちゃに潰して(フカ)の餌にしたらんかいっ」

「上等だよっ」

鬼小島は高来の顔面に思いっきりヘッドバッドを喰らわせ、群がろうとする二人の男の襟を掴み、放り投げた。

「おらあっ、どんどん来いっ、雑魚どもっ」

「ひっ、ひいいっ御助けっ」

鍵を持った紀三郎が逃げようとする。だがそれを見逃す虎千代じゃない。小豆長光が一閃してその足の腱を切り裂いた。虎千代は足元に放り出された鍵を放り投げると、僕に言った。

「真人、鍵を預かっててくれ。宗易殿とラウラを頼んだ」


人足たちは三十人前後は、いただろうか。いずれも海の荒くれ者たちだ。

しかし対する虎千代と鬼小島は、歴戦の猛者だ。この大人数でもほとんど、二人で片がつくところが、考えてみれば恐ろしかった。

虎千代は見た目は小さな女の子だが、剣を取らせれば素人にはその剣線を視認することすら出来ない。角材や金棒で武装した男たちが何人もで群がったが、手足の腱を斬られ一瞬で戦闘不能に陥らされるのがおちだ。

もう一人の鬼小島は、絶息丸を使った知切狠禎と殴り合ったほどの男だ。甲冑を素手で砕くような拳を持つ人間とまともに喧嘩をする馬鹿はいない。

「こっ、こいつら化け物やっ!こんな奴らとやったら、こっ、殺されちまうっ」

勝負はみるみるうちに着いた。こうなると虎千代に斬られるか、鬼小島に元の顔の形がなくなるほど殴られるか、二つに一つだ。悲惨な目に遭いたくない連中は何人かがやられると、同じ目に遭いたくないと、てんでに逃げ始めた。

「なんだよ、歯応えねえなあっ、こらあっ、もっと気合い入れねえか!」

鬼小島の怒号が絶え間なく聞こえる。僕の隣では黒姫がうずうずしていた。

「ううー、わたくしも参加したいですよ。最近出入りが少ないですよ」

黒姫落ち着け。

しかしなんの心配もない。いずれ勝負はつくだろう。そう思ったとき、ふと僕はあることに気がついた。僕の隣にいたはずの、ラウラがいないのだ。僕は辺りを見回した。虎千代の方にも、鬼小島の方にもその姿は見えない。

どこに行った。僕が眉をひそめてもう一度見直そうとすると、

「ひ、ひいっ、たっ助けてくれ!」

と、船着き場の方で男の悲鳴が上がった。なんだ。何が起こった。僕は反射的に走り出していた。確かちょうどさっき虎千代が紀三郎を脅したところだ。

僕はそこで、驚くべきものを見た。

波で揺れる小さな船の上に、二人の人物が立っている。一人は高来、そしてもう一人は。

あれは紛れもなくラウラだ。

ラウラの手には細身のナイフに似た剣が、握られている。あれは日本刀ではない。見たところ、見慣れない西洋の短剣だった。それよりも何より驚くべきことは、あの穏和なバスク人の少女は凶悪な海賊にそれを突きつけて、なんと人質に取っていたのだ。

屈託ない笑顔を浮かべていたラウラは今は、別人のように無表情になっている。ラウラはゆっくりとした声で、高来を脅していた。すでにあれで何か所か刺されているらしく、高来の足はどす黒い血で濡れていた。

「動かないことです。ワタシ、この船の上、どこでもあなたの肉を刺せる。逃げれば、また遠慮なく刺す」

「わっ、わしが悪かったっ!もう逃げはせん!だからっ」

「ラウラ」

僕は思わず、彼女の名前を呼んでいた。はっとして、ラウラがこちらを振り向いた。

「真人サン」

これから何があっても皆さんの、友達でいさせて下さい。

ラウラが言った言葉の本当の意図を、僕は知らされることになる。


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