4お決まりの展開
「うわーリゼさん凄〜い」
そうパチパチ手を叩きながらユウナはそんな言葉を吐く。
「いや…凄いとか関係無く、やり方分かった?」
後ろを振り返って聞いてみる。
〈やり方もクソも何の説明なしに近接でボコしてただけやんw〉
コメントにそうツッコまれる。
「え?私もやるんですか?」
そんな、素っ頓狂な声がユウナから漏れ出る。
「え?だってチュートリアル達成の表記出てないでしょ?」
言われて気づいたのかユウナはログを漁り始める。
「ほんとだ…」
「よし!探そう、私も今戦って大体コツも分かった」
そうんな会話を経て次の敵を探しに行く。
ゴブリンを探すついでに会話を交わす。
「リゼさんって社会人ですか?」
「うん?まあ、普通に働いてるよ」
「へーじゃあ年上ですね、私学生なので」
そんな会話をしながら森の中適当に歩く。
「ゲームばっかしてたら私みたいに馬車よりひどい環境で働かされちまうぞ?」
「あはは…気おつけます」
〈馬車以外て、あんたは馬刺しかなんかか?w〉
談笑が続く。
そうすると先ほどのように草むらから、ガサガサ音がなり。
ゴブリンが出てくる。
【ゴブリンLevel1 にエンカウントしました】
「よし、ユウナちゃん行ったれ!」
「うぇ?!早速ですか?」
〈やったれユウナちゃん、キミならいける〜(多分)〉
私は取り敢えず離れた所でみておくことにする。
「えっとまずは…相手の隙をうかがって。」
ゴブリンはその1メートルほどの体を飛び上がることで浮かせ、ユウナの顔面に向かって大きな横振りをする。
ユウナはそれを慌ててしゃがんで避ける。
ゴブリンはそのままユウナの頭上を通り過ぎていく。
(よし!後を取れた、これで銃の最後の一発を使って…)
そう考えてユウナはホルスターのあたりを触り銃を取ろうとする。
が、銃はその場にない。
「あ、そうだ最後の一発勿体ないから銃は私がさっき獲っといたから」
しめしめと笑いながらそんな事を言っておく。
こう言う慌てるのを見るのは本当に愉悦である。
「ええ?!えっとどうすれば…」
ユウナは慌てながら未だ、振り返っていないゴブリンを背後から殴りかかる。
そこからはスパー泥試合であった、ゴブリンの攻撃を喰らいつつも焦って殴りつけるユウナと、抵抗しようと暴れまくるゴブリンでカオスができていた。
【ゴブリンLevel1 を討伐しました。】
【ユウナLevel1→ユウナLevel2に昇格しました】
【200spを獲得しました】
【チュートリアル5 ステータスポイントを任意のステータスに振る】
そんなテキストがユウナの眼前に表示される。
「あれ?私のときエンカウント表示は出たけど討伐完了は出なかったんだけど、なんならLevelも上がってないし…」
そんな疑問が出る。
〈別の方がチュートリアル無視してやった時も完了表示が出なかったからチュートリアル進めないとゴブリン倒しても意味ないと思う〉
コメントにそんな文言が送られてくる。
気づけば同説が12人に増えている。
コメントしてる人は1人2人ペースも全然悪いが、最初の最初にしては全然上々だと思う。
「じゃ何しに私は来たんだよ…」
〈こっちの台詞やねー〉
そんな会話を交わしながら大きく息をつく。
少し疲れてきた気がする。
まあ、新感覚に慣れていないだけだろう。
「よし、じゃあユウナちゃん、私はいったん武器とか選び行くから、フレンドだけ登録して解散しよう」
「あ、はい!」
そんな会話をしながらオプションを開き、お互い登録だけ済ます。
「じゃあ今後も…よろし…」
挨拶をしようとした瞬間再び揺れ始める。
「まーた敵か…めんどいから一発撃って終わらすか」
木の根に座りながらそんな事を吐く。
こんな事を言ってても警戒は怠ってはいない。
「おっと良いくらいの初心者が居るじゃねーか」
出てきたのはゴブリン等ではなく、170有りそうなガタイの良い斧をもった大男。
「おお…なんかベタなやつ来た」
〈ベタなやつ来たね〉
「え?!…え?!やばくないですか?殺る気満々って感じですよ!!」
ユウナ1人だけ慌てている。
やはり冷静になれないところが阿呆の子の感じ強いと思う。
「さてさて…なんですか?か弱い女2人を初心者狩りして何の得があるんすかねー」
悪態をついておく。
ここで下手に出れば相手の流れだ。
「得は大有りさ、テメーの持ってるその銃売れば2900sp利益、ゴブリンにすれば約を14体、大得さ大得!」
大笑いして近づいてくる男にこちらを"ハハハ!"っと大きな声で笑いながら近づく…