1私達の生きる世界
突然だが皆は夢見たことや、理想はあるかい?
私、天内刹那には大いにある。
空を飛びたい、魔法を使いたい、この世全てをねじ伏せる力を、この世の統べるをねじ伏せる論述力を、この世の世の全てを看破する知恵を…
挙げればきりが無いほど多くある。
だがしかし…その無限と言える理想の内叶ったものは一つとしてなかった。
そりゃ少量金が欲しいなんて理想くらいなら少し叶ったりするが…違う。
私が言ってるのはあくまでロマンの話だ。
"人の心を真に取り入るロマンこそ、何よりの志向"
私の数少ない人生論の一つである。
正直この心情でどれだけ損を被ったか…
だが…だが!今私の手にはそのロマンの塊があるのだ!
「やっ…やっと届いた!!抽選に勝った勝者だぜ私は!!敗者共羨めやぁぁ!!」
そんな叫びをあげるのも訳ない。
そうなこんなしながら私は段ボールから一つ白い、よく創作でみるような、ヘッドギア?のような物に耳のほうにクッション、視界の部分にスクリーン?液晶がついた物を取り出す。
「説明書、説明書」
取り敢えず箱から取り出したのはいいが、壊すと嫌なので説明書を手に取る。
「げ!…英語だ」
流石海外の全国向けに出された最先端機器…先端すぎて日本語版が売られていないのである。
しょうがないので、携帯を取り出しながら少しずつ
翻訳しながら読んでいく。
「……大体わかった、てか分かってた、そうだよなーやっぱりあの創作物とかで出てくるアレが出来るわだよなー」
語彙力は無いが少し許して欲しい。
まあ簡単に言えばフルダイブみたいなこう意識をゲームの世界に移す?のか?にか調べたけど後半で医療系とか人体の何かみたいな科学の話をされて理解が及ばなかった、せめて物理か数学の話をしてほしいものだ。
「ま、まあ使い方は分かったか…」
取り敢えず諸々の機材をつけて適当に電源をいれるね。
ピッっと機械音が響いて視界がピカピカと光る。
突然の発光に驚いて一瞬目を閉じる。
そして少し発光が落ち着いたのを確認してから少しずつ目を開ける。
「なるほど…こんな感じか」
目を開けると、デスクトップ?のような画面が目の前に現れる。
「完璧に、3Dだな、なんなら微妙に体を動かす感覚もあるし」
何度か飛んでみる。
手足を動かしてみたりして、感覚を確かめてみる。
「これ、まじで機械の中なの?それとも現実でも同じく動いているのか?」
取り敢えず色々操作する。
していると、視界にカーソルのようなものが表示される。
「なるほど…起動するサイトだのゲームだのの選択はカーソルをアイコンに合わせろってことね」
自分がやろうとしているゲームに視線を向けてカーソルをぴったり合わせてみる。
(何をすれば?口頭でなんか言えばいいのか?)
なんて考えたって一呼吸おいてから喋ってみる。
「電源オン起動!!」
シーンとなる。
これでは駄目なようだ。
それとよくよく考えると自分の行動が恥ずかしすぎて顔が熱くなってきた。
「う…説明もっと細かく見とけば…」
どうにかしようと説明書を取り出す。
「え〜…なんだこれ…なんとt……hre…e b…Blink?えっと3回まばたき?単語しか読み取れんがやってみる価値はあるか」
視線をもう一度あわせ素早く3回瞬きをしてみる。
〈Ruined City Onlineを起動しますか?OK/NO〉
「おおーきたきた、案外単語さえ分かればいけるんだな」
取り敢えずもう一度OKの所にカーソルをあわせて再度3回瞬きする。
そうすれば今度は起動時より少し弱いだが、起動時より少し長く視界が光に覆われる、
そうして再びゆっくりと目を開ける。
〈ようこそ!RCOへ!RCOには以下の内容が含まれます。詳細をお読みし次へを押してください〉
目を開けてすぐそんな文言が目に入る。
(空中に文字が浮いてるなんて凄いな…えっと詳細は…別に読まんでもいいか、年頃の美女に細かい字読ますなってーの)
取り敢えず"次へ"を押す、今回は瞬きではなく目の前にテキストがあるのでテキストの次へを直接押すだけでいいらしい。
〈キャラクターメイク〉
っと画面が浮かび上がってくる。
自分のキャクターのデザインを決めるようだ。
(うーんどうしようか…気合を入れてって、これ元からある程度デザインが決まってるな?なんでだ?)
このときの刹那には、知る由もないが年齢詐称、性別詐称の観点からある程度はデザインが決まるらしく、そこから髪や瞳の色体系何かをある程度弄るくらいがこのゲームキャラメイクらしい。
「ま、元がいいのでキャラも可愛いっすは!まあ身長と胸は少し盛ろ、あと髪色と瞳の色を弄って…」
何度かポチポチと弄って完成する。
我ながら大分いい出来だと思う。
〈キャクターメイク完成しました、読み込み中…〉
そんなテキストに変化して、数十秒待つ。
そうすると画面が少しずつ移り変わってゆく、今度はもう目は閉じない…この高揚感の中閉じられる訳が無い。