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彼女はロボアニメにも詳しくて




「ごめん!待たせた!」

井上が慌てて駆けてくるのが見える。

「走るなよ」

俺は声をかける。

「いやいや、ごめん。めっちゃ待ったでしょ?風邪ひいてない?」

「女子なら普通の時間だろ。別に気にしないから」

俺は答える。


「そう?なに、女子とお風呂入ったことあるの?」

「馬鹿か。姉貴がいるからな」

俺は即座に突っ込む。


「え、そうなんだ!どんなお姉さん?」

井上と俺は、歩を進めながら会話を始める。

なるべく井上を見ないようにして、俺は会話する。


「うるさい姉貴」

俺は簡単に説明する。

「何それ」

井上はからからと笑う。


「それより、何でちょっと間あいてるの」

井上は俺の肘あたりの服を掴む。

「……察してくれ」

俺は目を逸らしながら呟く。


風呂上がりの井上はエロい。

少し上気した頬にシャンプーの匂い、そして、いつもポニーテールかハーフアップの井上が髪を下ろしているのでそれもまた目を引く。


「なに」

井上は俺の前に回る。

「井上、流石に無防備すぎる」

俺は井上のおでこにデコピンした。

「いて」

「一応、俺も男だぞ?」

「うん、知ってる。でも、心許してる」

「この4月からの短期間で俺に心を許すのは早いだろ」

俺は突っ込む。


「そう?」

井上はまた隣に並び直し、歩きながら口を開く。


「佐々木って優しいでしょ?」

「普通だ」

「気遣いも出来るでしょ?」

「普通だ」

「それに話も合う」

「たまたまな」


「じゃあ、私のこと嫌い?」

「お前、それは反則だろ」

俺は突っ込む。


「じゃ、じゃあ、井上はどうなんだ」

俺は勇気を出して聞いてみる。

「私?私は好きだよ」

「っ!!!」

俺は驚いて足を止める。

何を言ってるんだ。


「普通に友達として、好き」

「発言が危うい」

俺は言う。ビックリした。勘違いする所だった。

「俺も、井上は信用出来る女子だし、他の人よりは喋りやすい」

俺は答える。


「本当?良かった」

井上は笑顔になる。

駄目だ、その笑顔は反則である。


「ほら、行くぞ」

俺はこっちを向く井上を反転させ、背中を押して歩く。

「はーい」

井上は少し笑って返事をするのだった。





午後10時には自室に戻っておかないといけないため、田原が出たのを栗原に確認したのち部屋に戻ったが、思わず鼻をつまむ。

夜だが、少し窓を開け、備え付けの空気清浄機のスイッチをオンにした。


イカ臭すぎる。


「おい、一応俺の部屋でもあるんだぞ」

俺は文句を言う。

「悪い。つい」

栗原は謝るが、謝られている気がしない。


俺は思わずため息をつく。

チラとゴミ箱の中身が見えたが、ゴムが複数捨ててある。


もう少し、見えないように捨てろ。馬鹿野郎。


「お前、あんまりはしゃいでると部屋貸してやらねーぞ」

俺は忠告する。

「悪い悪い」

その言い方だと絶対に悪いと思っていない。


「最悪、田原の部屋を借りたらいいと思ってるだろ」

俺は突っ込む。

それは、井上が思いきり嫌がるだろう。同室なのだから。


栗原達カップルのことをあまりよく思っていないのは、今回の旅行で何となく分かってきた。

しかも、彼女の田原は、女子達から好かれていないのも。


そんな田原とわざわざ同室にするという嫌な役を引き受けているのが井上だということを分かっているのだろうか。

本当に恋は盲目だと、よく言ったものである。


「はぁ…」

俺がまたため息をついたときに、ポケットの中の携帯が揺れた。


井上からだった。


「大丈夫?」と一言だったが、すぐに俺は察する。

本当に井上は勘が良く、気を遣いすぎる。


「そっちは?」と俺は返す。

「こっちは大丈夫だけど、そっちの部屋、やばいんじゃない?」と返信が来た。

「換気中だ」

その俺の答えに少し間があいたあと、電話がかかってきた。


「どうした」

急だったので、携帯を落としそうになった。


『少し、ロビーに行かない?』

「もう夜遅いぞ」

『23時の消灯までまだ時間あるし、ロビーなら健全でしょ』

井上は言う。

「分かった」

井上の提案は嬉しかった。何せ、本当にイカ臭い。


俺は携帯と財布を持って、部屋を出た。


ロビーに行くと、先生や各班の班長達が話し合いをしたりしている。


「あー、お前達が代わりに来てくれたのか」

主任の先生が俺と井上を見て言う。

「え?」

俺は井上を見る。

「あー、やっぱり、私らの班来てません?」

井上は苦笑しながら返答する。

「あとはお前達の班だけだったんだ。栗原と田原はどうした」

主任は問う。

「さあ?」

井上は適当に返事し、腰を下ろす。


今日の班報告を行い、明日の予定を確認する。そして、班員が怪我がないか等の確認をして、話は終わり。


「で、何だお前達。付き合ってるのか」

主任は変な質問をぶっ込んできた。

「先生、何を」

俺は動揺する。

「違いますよ、先生。ヲタク仲間です」

井上はからからと笑いながら答える。


「井上はヲタクなのか」

主任は驚いた顔をする。

「知りませんでした?先生の世代ならファースト世代じゃありませんか?」

井上はにやりと笑いながら問いかける。


「お。何だ、井上。ファースト見たのか」

主任は驚いた顔をしたのち、前のめりになる。

「勿論ですよー。ファースト知らずして、語れないでしょう」

「おー。凄いな。佐々木もか?」

主任は俺に話を振る。

「まあ、一応、見たことあります」

「佐々木は何だ、ロボが好きなのか?」

「んー、まあ、人並みに?」

俺は答える。

何だ、何が始まったんだ。今からダンガム談義でも始まるのか?


「井上はZも見たのか?」

主任は尋ねる。

「勿論です。ダブルZも。XもWも」

井上の答えに俺も主任も目を丸くする。

「本気のやつだな」と、主任。

「ガチだな」と、俺。


「面白いよー。Wも面白いけど、Xの方が好きかなぁ」

井上は答える。

「逆襲のやつは?」

俺は問う。

「見てるに決まってる」

井上は即答する。

「……ガチ勢」

俺はぼそっと呟く。


「そんな質問出来る佐々木もガチ勢でしょ」

井上は少し不服そうな顔で俺の腕を叩いてきた。

「確かにな。俺も人のことは言えない」

「でしょ」

井上はうんうんと頷く。


「へぇ。お前らいいコンビじゃないか」

「でしょう?先生」

井上は微笑む。


「さあ、そろそろ消灯時間だから部屋に帰れ」

主任は話を切り上げる。

「はーい」

井上は大人しく立ち上がる。

「佐々木、部屋まで送ってやれ」

「はいはい」

俺も立ち上がる。


井上と並んで帰りながら、俺は話しかける。


「知ってたのか?」

「ん?あーー、報告会に来てないこと?」

井上は自販機の前で止まり、聞き返す。

「そう。俺は報告会があるのすら知らなかったぞ」

俺は言う。

「んー、まあ、何となく知ってた」

井上は答える。

そして、「これにしよっかなー」と自販機で飲み物を決めたようだった。


「何飲むんだ?」

俺は問う。

「コーヒー」

「寝るつもりないのか」

俺は突っ込む。

「そういうわけじゃ……」

井上は目を逸らす。


俺は思考する。今日、何の番組があったかな、と。


「あ、白執事か」

俺は思いあたり、聞いてみた。

「Yes,My lord」

井上は答える。


「はぁぁ」

俺はため息をつく。

「ブラックは無しだ。せめて微糖な」

俺は財布を出してコーヒーを買った。

「え、いいの?奢ってくれるの?」

「これくらいはな」

俺はコーヒーを渡す。


「わー、ありがと」

井上は笑顔で受け取る。

その笑顔が可愛いのは、言うまでもない。




ファーストガンダムと呼ばれるアムロとシャアのシリーズの次作品であるガンダムΖ。

こちらも面白いです(´∀`*)

最後が少しアレですが………(・・;)

それでもやっぱり、ガンダムシリーズは面白いと思うので是非機会があれば見てみてください(*´-`)

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