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彼女は初代も知っていて




井上の機嫌があまり良くないと思っていた俺は、夕食の時間に会うとき、少し緊張していた。


「ごめんね、佐々木。途中で帰って」

井上は俺の隣に座りながら、開口一番謝ってきた。

「井上が大丈夫ならそれでいい」

俺は答える。ほっとした。


「あ、ごめんね、佐々木」

井上の隣に座っている班員の本田が話しかけてきた。

「イラッとしちゃったらしくて、あの後あたしのとこに来たんだよね」

本田リカは少し笑いながら、俺に説明する。


「うるさいなぁ」

井上は少しぶすっとした顔で突っ込む。


「イラッとしたの?大丈夫?」

田原が井上に問いかける。

「あー、大丈夫大丈夫。過ぎたことだから」

井上は笑って答える。

が、その笑顔取り繕ってるな、と俺はふと感じた。


「はーちゃんはね」

本田は俺を見て、話を続ける。

はーちゃん?俺は一瞬疑問に思うが、ああ、井上のことかと納得する。

井上葉月。女子達からは「はーちゃん」とあだ名で呼ばれている。


「語れる友達ができて嬉しいのに、そこに入ってくる奴がいたからイラってしたらしい」

本田は説明する。

「……やっぱり?」

俺は恐る恐る井上を見る。

「ごめんって。2人で勝手に話してたら別にいいんだけど、こっちにも喋りかけてくるからさ」

井上は少し肩をすくめながら答えた。


中田が漫画の邪魔をしてきたことが嫌だったらしい。


「悪かったな」

「何で佐々木が謝るの」

井上は眉間に皺を寄せる。

「だって、気付かなかった俺も悪いだろ」

「………」

井上は少し黙ったのち、笑顔になった。


「やっぱ、佐々木が同じ班で良かった」

井上は小さい声でそう言うと、食事を再開した。

俺には聞こえるくらいのほんと小さな声で。


俺は思わず、井上を見る。

井上は、ふふと笑ってメイン料理に手をつけた。


「あ、美味しいよ、これ」

メイン料理は、姫路のブランド豚である桃色吐息のトンカツ。あと小皿が数品と茶碗蒸しにばち汁。


「佐々木」

井上は俺に声をかけてきた。

「ん?」

「しいたけ食べれる?」

「食べれるけど…」

「じゃあ、あげる」

井上は茶碗蒸しに入っていた椎茸を俺の茶碗蒸しに移す。


「嫌いなのか」

「いやー、えーっと、食べれる人がいるならあげる的な」

「何だそれ」

俺は思わず笑う。どうやら図星らしい。


まだ全然掴みきれない井上が面白い。


「佐々木ってブライトさんみたいだよね」

「ブライト?」

俺は眉間に皺を寄せ、聞き返す。


「そう、ブライト・ノア」

「ブライト・ノア……。あー」

俺は記憶を辿り、合点がいく。


「ずっと誰かに似てると思ってたんだよね」

「それで、ブライト・ノアか。それブライトファンに怒られやしないか?」

俺は言う。


ロボットアニメの金字塔、機動戦士ダンガム。ブライト・ノアはそれに登場する艦長だ。


「いいでしょ、別に」

井上はからりと笑う。

「待て待て。井上」

俺は会話が流れる前に一旦止める。


「ん?」

井上はばち汁を飲みながら、俺を見た。

ばち汁も郷土料理らしい。素麺の端材を使っていると言っていた。


「それ、ファーストだよな」

俺はダンガムと言うのはやめて、言い換えて発言する。

その言葉に井上は嬉しそうな顔を向けてきた。


「そう、ファースト。見たことある?」

井上のその嬉しそうな顔が可愛いのは言うまでもない。

「ある…。だけど、世代的にはFREEDだろ」

俺は突っ込む。

「勿論、FREEDも好き。まあでも、やっぱり赤いのが好きだから」

井上は照れくさそうにそう言った。


「成程…」

俺は笑う。

まさか、ファーストダンガムまで知っているとは。

ヲタクだとは知っていたが、これは完全なるそこらの奴らとはレベルが違うヲタクである。


「ちょっとこれについては、別の場所でまた話そう」

俺は提案する。

「だね」

井上も同意する。


あまり、大っぴらに言えるものではない。大人ならいざ知らず、高校生という若さでは、ヲタクはいじめの対象となるかのような風潮があった。


食後、先生達からの話があり、入浴の注意事項とかを聞いたのち、また各々自由時間になる。


「井上はどうするんだ?」

「ちょっとホテルのお土産見てくる」

「あー、私も行こっかな」

同じ班の本田リカと田中沙紀が声を上げる。


「佐々木も行かない?」

井上は俺を誘う。

「折角なんだから、女子とゆっくりしてこいよ」

「……そう?」

井上は聞き返す。


「俺は別に漫画でも読んでゆっくりしてるから」

「……」

井上は少しなにか言いたげだったが、何も言わず女子達と出かけて行った。


それを見送ったあと、栗原が俺を見る。


「……はいはい」

俺は呆れながら立ち上がる。

また俺と栗原があてがわれている部屋を使うらしい。


「サンキュー」

栗原はニヤついた顔で礼を言う。

何がサンキューだ、馬鹿野郎め。


「ちょっと財布と寝巻きだけ取らせてくれ」

俺は内心で罵って、その場を去った。


俺は財布を持って、土産を買いに行くことにした。

ごった返しているため、俺は早々に諦めて少しすいてからまた買いに行くことにし、ロビーで携帯漫画でも読んで時間を潰すことにした。


「……え、何。また栗原達に占領されてるの?」

そんな俺の隣に腰を下ろして、そう声をかけてきたのは土産を買いに行っていた井上だった。

本田と田中も一緒である。


「え、またあいつらぁ?」

本田が怖い顔で言う。

「リカ」

井上は咎めるように言う。


どうやら本田も栗原カップルのことをあまり良く思っていないらしい。


「で、そうなの?」

井上は俺に尋ねる。

「察してくれ」

俺はそう答えるしかなかった。


「はぁ……」

井上は大きなため息をつく。

「佐々木もお土産買いに来たんでしょ?とりあえず買ってくる?」

井上は尋ねる。


「そうする」

俺は家族にお土産を手早く購入し、班員の元へと帰った。


「とりあえず、あたしの部屋に来なよ。リカと沙紀ちゃんは部屋に荷物置いてから来る?」

「そうするー」

2人共同意する。


井上の部屋のペアは、栗原の彼女である田原みかだ。

なので、彼女は今部屋にいない。


「何する?何かカードゲーム持って行くわ」

リカが言う。

「よろしく!」

先に本田と田中を見送る。


「持とうか」

俺は井上の土産の荷物を見て言う。

「大人数用だな。家用じゃないのか」

でっかい土産の箱があったので、俺は突っ込む。

「あー、バイト先。あとはおばあちゃん達。それと、皆で今から食べるおつまみと」

井上はからりと笑って答えた。


「ん?家用は?」

俺は思わず尋ねた。

「無い無い。そんな義理はない」

彼女はそうさらりと答える。


「……悪い。聞いちゃいけないやつだな?聞かなかったことにしてくれ」

「……深く聞かないんだ?」

井上は意外そうに尋ねる。

「人間秘密の1つや2つ、あるだろ。だから、井上が話してくれる時になったらでいい」

俺は答える。

「……顔はブライトさんって感じだけど、性格はキラ・ヤマト?」

井上は俺の顔を見ながら、顎に手をやり考えながら言う。


「何をヲタク発言してるんだ」

俺は井上の頭を軽くはたき、井上の荷物を持つ。

「いて。まあいいや。行こっか。何飲みたい?コーヒーと紅茶ならどっちがいい?」

井上は笑顔で尋ねる。

「どっちでも。ほら、行くぞ」

俺は井上の背中を押した。





「何飲む?何食べる?」

井上は聞いてくる。

「ある物でいい」

俺はそう答えながら、何処に座ろうか考える。


「迷ってないで、ベッドの上に座ればいいじゃん」

井上は飲み物を用意しながら、笑って俺に言う。

「じゃあ……」

俺は井上の携帯とかが置いてある方のベッドに上がる。

流石に今ここにいない田原の方のベッドに上がるのは無理だ。


それに栗原に怒られそうだし。


「コーヒーと紅茶なら?」

湯が沸くまでに井上は尋ねる。

「どっちが楽?」

「強いて言うならコーヒーかな。スティックコーヒーを混ぜるだけなんだけど。紅茶はティーバッグを後で出さないといけないし」

「じゃあコーヒーでいいぞ」

「……強いて言うならどっちが好きなの?」

「どっちも」

俺は答える。

「そうなの?本当に?合わせてるわけじゃなくて?」

井上は尋ねる。


「本当に。俺はどっちでもいい。むしろ任せて悪い」

「……何でそんなにいい人なわけ」

井上は呟くと「じゃあ、コーヒーね」と言って、用意してくれた。


井上もコーヒーだった。


「因みに砂糖とミルクはないので、それで勘弁」

「大丈夫。ブラックでも何でも飲める」

俺は答え、「ありがとう」と言って、一口飲む。


「よいしょ」

井上もベッドに上がってきて、土産の袋の中からお菓子を取り出す。

「何でも食べれる?」

「おう。ありがとう」

俺はチョコに手を伸ばす。


流石に密着するのは危ないので、ゆっくりと少し距離を開ける。

本田達も来るのだから、誤解されるのは良くない。


「何で離れるの」

井上は意地悪く笑いながら言う。

「分かってるくせに言うな」

「え、何。分かんないし」

井上はからからと笑いながら言う。


そんな会話をしている時に、部屋のベルが鳴った。


本田達が訪れ、菓子パをしながら、カードゲームで盛り上がる。

ババ抜きにUNO。大定番である。


そして、ワードスナイパーをおこなった。

例えば、「学校にあるもの」というお題に対し、指定の文字から始まるもので答えないといけないというシンプルなカードゲーム。


結構盛り上がった。


「そろそろ風呂の時間だな」

俺は立ち上がる。

「荷物保管しとくから、お風呂上がってから取りに来たら?私の方が遅いかもだけど。お風呂上がったら連絡するから、連絡先教えて」

ひょんなタイミングで井上の連絡先を知ることになった。


「よし。皆、お風呂行きますか」

井上の合図で風呂に向かうことになった。




「初代」「ファースト」と呼ばれるアムロとシャアのガンダムシリーズはご存知ですか⁇

3年ほど前に初めて見たのですが、面白すぎました笑

あまりロボットが好きではなかったので、食わず嫌いのようなものだったのですが、この時初めて後悔しましたね。

もっと早く見ていれば良かったと思いました( ; ; )

ガンダムはシリーズが沢山ありますが、やはりこの初代が1番面白いと思います。

是非!是非見てほしいです。

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