1/1
世界を救った勇者
「約束通り魔王を殺したから元の世界に帰してもらおうか」
勇者として異世界召喚された俺は王に言った。
「約束は果たされた!既に準備は出来ている。地下に向かってくれ」
その言葉を聞いて安堵した。
ああ...世界を救うとか死ぬほど重いプレッシャーからやっと解放された。
言われた通り地下に向かうと、魔法陣が描かれており、その周りを囲むように修道服を着た十数名の人間が立っている。
その魔法陣の中央へと向かう。
「勇者レンよ大義であった。」
修道服の人間が一斉に祈りを捧げると、魔法陣が輝き出した。
地面が揺れ、光は強くなり続ける。
遂に目の前が見えないほど真っ白になり、体が消えていくような感覚を覚える。
この感覚は2回目だ。召喚された時は発狂しそうだったな...
全て終わった今となったらいい思い出なのかもしれない。
渡された輝く宝石を握り締めて、地球のことを思う。
俺、地球に帰ったら、数年は遊んで暮らすんだ...