メルへニカリーグベースボールにおけるポストシーズン
【メルリーグにおけるポストシーズン】
ワイルドカードシリーズ、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズといったレギュラーシーズン以降に行われる優勝を懸けた短期決戦の総称。メルリーグ創成期から優勝決定戦として導入され、該当する年度のチャンピオンチームを決める戦いである。対戦形式は7戦4勝形式であり、ディビジョンシリーズは5戦3勝、ワイルドカードシリーズは3戦2勝形式となる。
最も優勝回数が多いのはハートリーグ所属のアウグスト・マンキースであり、次いで多いのがスペードリーグ所属のアウグスト・ジャイアンツである。創成期から存在する伝統的なチームの優勝回数が多い傾向となっている。ポストシーズンは公平性を保つため、専用の球場であるクローバー・フィールドで行われる。全部で5つのドーム球場が上から見て上下左右中央に連なっている。
創成期から利用され続けたこの球場は人気が高く、ここでプレイできるだけでも、メルリーガーたちにとっては大変な名誉とされる。クローバー・フィールドで行われるポストシーズンは、リーグチャンピオンシップシリーズまではレギュラーシーズンでのチーム成績に優れている方が奇数戦後攻となり、チーム成績に劣る方は偶数戦後攻となり、奇数戦後攻は大事な初戦と最終戦で後攻となる。
奇数戦後攻が若干有利とされるが、先攻と後攻の勝率はほとんど変わらない。ワールドシリーズで最も多く対戦したのはマンキースとジャイアンツである。この2チームの対戦機会が多いのは、戦力均衡が実現していなかったからであり、定期的に同じチーム同士のワールドシリーズが続く時期もあるが、贅沢税が導入されてからは毎年違うチームが対戦する機会が増え、優勝チームが予測しにくくなった。
【ボトムリーグとリトルリーグにおけるポストシーズン】
メルリーグから見て2軍から6軍にあたるボトムリーグ、7軍から10軍にあたるリトルリーグでもポストシーズンは行われているが、いずれも小規模なものであり、レギュラーシーズンでは将来有望な選手や落ちぶれた選手を保有する組織として機能している一方で、導入候補となっている制度を試すための実験リーグとしての役割も担っており、定期的に制度が変更され続けている。
ハートリーグ傘下となるイースタンリーグと、スペードリーグ傘下となるウエスタンリーグの2つに分けられており、それぞれのリーグには地区制度がないため、シーズン成績の上位8チームでトーナメントが行われる。このトーナメントの決勝がボトムリーグとリトルリーグにおけるワールドシリーズである。対戦形式は3戦2勝形式であり、レギュラーシーズンも短いため、メルリーグよりも早く終わる。
【ワイルドカードシリーズ】
ワイルドカードとは、いわゆる所謂敗者復活枠のことである。チーム数が増え、ワイルドカードシリーズが導入されてからは敗者復活シリーズとも呼ばれている。地区1位となったトップチームの中で最も勝利数が最も少ない場合、ワイルドカードシリーズに進出したチームとの連戦で労力を費やされるため、地区優勝を果たしたとしても、一切油断ができない仕組みとなっており、強豪ながら他のトップチームがいるために、ポストシーズンに進出できないチームに対する救済処置として機能した。
3地区分岐後からワイルドカードが導入され、4地区分岐後はワイルドカードシリーズが導入された。4つの地区で2位となった4チームの中で、最も勝利数の多いチームがワイルドカードシリーズ進出となり、トップチームの中で最も勝利数が少ないチームと対戦する。レギュラーシーズンで同地区2チーム以上のチームが同率1位となった場合、チーム成績によって順位を決定することとなっており、これは地区最下位のチームを決める場合でも同様である。
【ディビジョンシリーズ】
地区シリーズとも呼ばれる。創成期のメルリーグは両リーグに10チームずつあり、東部地区と西部地区に5チームずつ存在した。2つの地区の上位2チームの中で、同地区のチーム同士の戦いがディビジョンシリーズと呼ばれていたが、3つの地区に分岐してからは、3つの地区のトップチームに加え、3つの地区で2位となったチームの中で最も勝利数の多いチームがワイルドカードを獲得し、合計8チームがディビジョンシリーズに進出することとなっていた。
4つの地区に分岐してからは、4つの地区のトップチームが通過となるが、地区2位のチームの中で最も勝利数の多かったチームが、トップチームの中で最も勝利数の少ないチームと3戦2勝形式のワイルドカードシリーズを戦い、これを制したチームが晴れて4番目のディビジョンシリーズ進出チームとなる。ワイルドカードシリーズを含めるとポストシーズンに進出できるチームは少なく、両リーグ合わせて40チーム中10チームとなっている。
【リーグチャンピオンシップシリーズ】
リーグ優勝決定戦とも呼ばれる。ディビジョンシリーズを制した同じリーグの2チーム同士の対決であり、リーグチャンピオンシップシリーズを制覇すればワールドシリーズに進出となる。元々は東部地区と西部地区を制したチーム同士で行われるものをリーグチャンピオンシップシリーズと呼んでいた。当初はワールドシリーズが想定されておらず、このシリーズが実質世界一を決める戦いとなる予定であった。
ワールドシリーズが初年度のシーズン中盤にオールスターゲームが制定されると、リーグチャンピオンシップシリーズを制したチーム同士で頂点を競うこととなり、3つの地区に分岐してからは4チームのトーナメント形式となった。ワールドシリーズから見れば準決勝に当たるものをリーグチャンピオンシップシリーズと呼ぶようになり、リーグチャンピオンシップシリーズはその地位を下げる格好となった。
【ワールドシリーズ】
世界一決定戦とも呼ばれる。メルリーグが世界最高峰のベースボールリーグであることからも、この呼称でも差し支えないことが見て取れるが、当初はコンスルシリーズと呼ばれる予定であった。ハートリーグ創設者であるオーガスタスと、スペードリーグ創設者であるカエサリウスの2人の諍いから生まれ、オールスターゲームと共に2人の代理戦争となったが、政治介入に対する批判の声が懸念された。
オールスターゲームで勝ったリーグに属するチームが奇数戦後攻となり、負けたリーグに属するチームが偶数戦後攻となる。オールスターゲームではDH制が毎年入れ替わるが、ワールドシリーズでは後攻チームが属するチームのルールに従って行われ、ハートリーグが後攻の場合はDH制あり、スペードリーグが後攻の場合はDH制なしとなり、優勝チームはメルリーグ機構からチャンピオンリングを贈呈される。
オールスターゲームでは、インターリーグ400試合で勝ち越したリーグが後攻となり、勝利数が同じ場合は、最後の試合を制した方のチームが所属するリーグが後攻となることから、オールスターゲームがワールドシリーズの先攻後攻を決める前哨戦とされた。各球団の監督が送り出す方式と、ファン投票で決める方式の2つで揉めたため、コミッショナーの意向により、ファン投票で選手を集めることとなった。
当時の2人が執政官であったことからコンスルシリーズの異名を持つが、現在は死語となっている。当時はプロのベースボールリーグがメルへニカ王国のみであったことから、この戦いを制した方が世界一のチームを名乗れることを確信したメルリーグ機構の初代コミッショナー、アントニオス・アグリッポスがワールドシリーズと発表し、以後これが正式名称として定着した。